クンダリニーヨーガの修行を続けると、エネルギーが強まる。
そして、そのエネルギーは上昇し、甘露を落とし、歓喜状態となる。
それはそれで素晴らしい事なのだが、そこで止まってしまうとその先に進めなくなる。
解脱するためには、体験を超えて行かなければならない。
体験にとらわれてしまっては、いつまでたっても解脱など出来なくなってしまう。
しかし、この歓喜状態から抜け出すのはとても難しい。
それが地道に努力を続けた結果もたらされた、修行者にだけ与えられるご褒美だからだ。
早川も拘置所の中で毎日瞑想を続けていたようだが、結局、この歓喜魔境から抜け出せずにその生涯を終えてしまったようだ。
クンダリニーヨーガの手法においては、サマディを修習する事によってそこから抜け出すわけだが、そのやり方ではどれほど時間がかかるか分からない。
今生は無理かもしれないし、歓喜状態の無智を修習して来世は動物かもしれない。
抜け出すためには、軽安・楽を超えて如実知見、すなわち智慧を得る必要があるのだが、智慧を得るのであればジュニアーナヨーガの技法の方が遥かに優れている。