pixivは2022年7月28日付けでプライバシーポリシーを改定しました詳しいお知らせを見る

咲彩
咲彩
Paper planes at Twilight.-黄昏くんの紙飛行機- - 咲彩の小説 - pixiv
Paper planes at Twilight.-黄昏くんの紙飛行機- - 咲彩の小説 - pixiv
6,621文字
Paperplanes at Twilight.
Paper planes at Twilight.-黄昏くんの紙飛行機-
イーデンパロのロイヨルのお話の第一話です。

皇帝の学徒ロイド‪(17)✕‬教育実習生ヨル(22)のIFですので、原作と関係性とはだいぶ違います。
それでもいいよ、という方は是非お楽しみくださいね。

ロイドはWISEから、ヨルはガーデンからイーデンに送り込まれた少年スパイと暗殺者でもあります。

続き物です、お話が進むとR18も入ってくる予定。

よかったら、コメントはもちろん、マシュマロやGoogleフォーム(ぽちっとアンケート)などで反応大歓迎です。

https://marshmallow-qa.com/bond_wanwan?utm_medium=url_text&utm_source=promotion

https://docs.google.com/forms/d/1fXSDok4yZ0-9kC_OZumDc7QtZLu2CxWPfRA7XNcpgk0/edit
続きを読む
1852975640
2022年7月20日 16:18

1.先生と生徒



「フォージャー、ええと……ロイド・フォージャーくん」
「はい、ミス・ブライア」
 
 それが、ふたりが最初に声を交わした言葉だった。
 なんということもない、新学期最初のホームルームでのことだ。教育実習生としてはじめての朝、教室で、名簿を見ながら順に呼んでいった名前のひとつ。
 
 その彼と、どうして今こんなことになっているのか、ヨルには未だ分からない。少なくとも、そういう手筈にはなっていなかったはずだ。なにより、大人の女性ひとりと大人に近い体躯の男子生徒が収まるには、ここはあまりに狭く薄暗い。

「平気ですか、ヨル先生」
 何故、自分は今、この男子生徒とくっつくように身を寄せ合っているのだろう。肌をかすめる金色の髪は、七つ下の弟の髪より少し硬いかもしれない。
 精一杯背後の壁に体を押しつけて、数ミリでも距離をおいてどうにか見上げてみると、相手の端正な顔は息遣いさえ感じられる距離にあった。
「へ、平気では、ありませんっ」

◇◇◇

 
〈ロイド・フォージャー〉
 セシル寮所属の、皇帝の学徒のひとり。寮生。一般校からの編入生。編入試験の成績はほぼ満点。
 通常、一年次から積み上げて、それでもごく一部の優秀な生徒しか獲得しえないステラを、たった三年で八つ獲得して皇帝の学徒となった。これは長いイーデンの歴史のなかでも最速の資格保持記録である。
 先々代は外国から来た貿易商、現在は東国内で手広く販路を拡げるフォージャー商会の、数多くいる子息のひとり。多大な寄付金と共に、三年前より本校に編入。現在は第十一学年に在籍。

 ヨル・ブライアはクラスの生徒についてまとめられたなかの、青い瞳と金色の髪の少年に関する資料に目を通し、ほう、とため息をつく。
「とっても賢い子なのですね」
 賢い弟をもつ、あまり賢くはない姉。優秀な弟はともかく、自分はしっかり学校に通う余裕はなかったため、ヨルにはあまり学がない。それでも両親の死後、多少後ろ暗い事もしながらがんばって彼を育ててどうにかやってきたはずの自分に、〈いばら姫〉としての仕事が命じられたのは先月のこと。

「む、無理ですよ! 私が学校の先生だなんて!」
 これまで大抵の接客を「承りました」と引き受けてきたいばら姫の抵抗に、ガーデンの店長は眉を上げてごく軽く首を傾げた。
「珍しいですね、貴女がそんな風に不安がるとは。たしかに標的に接触するために時間がかかるとは思いますが、いつも通り庭師の皆さんが貴方の事をきちんと助けてくれますよ。貴女は任された仕事を遂行するだけ。いつもと同じようにね」

 とある、優秀だが閉鎖的な学園への潜入。標的は、先代の威光を振りかざし、その立場でしか知り得ない学内の情報を他国に打っては懐をうるおしているという、とある学寮の寮長。
 滅多なことでは外部からの侵入を許さないこの学園にちょうど教師にひとり欠員が出たのを幸いとして、ガーデンは精鋭をひとり送りこむことにしたのだ。
「教育実習生のブライア先生。……大丈夫ですよ、あなたが授業をすることはほぼありません。必要ならば体育の指導にしてもらえるよう、こちらから手を回しておきます。期間は最長で三ヶ月。貴女の任務は、ターゲットである寮長に接近し、誰にも知られぬよう彼を摘み、根を断つことです。ほら、いつもと同じでしょう? ……我が国の未来を担う優秀なこどもたちの未来を、貴女の手で守ってください」
 そう言って、底の読めない湖のような笑顔で、店長はヨルを送り出した。
 詳細な内容はガーデンの庭師たちによってヨルに伝えられ、イーデン校へと赴任することになったのだ。

Paper planes at Twilight.-黄昏くんの紙飛行機-
イーデンパロのロイヨルのお話の第一話です。

皇帝の学徒ロイド‪(17)✕‬教育実習生ヨル(22)のIFですので、原作と関係性とはだいぶ違います。
それでもいいよ、という方は是非お楽しみくださいね。

ロイドはWISEから、ヨルはガーデンからイーデンに送り込まれた少年スパイと暗殺者でもあります。

続き物です、お話が進むとR18も入ってくる予定。

よかったら、コメントはもちろん、マシュマロやGoogleフォーム(ぽちっとアンケート)などで反応大歓迎です。

https://marshmallow-qa.com/bond_wanwan?utm_medium=url_text&utm_source=promotion

https://docs.google.com/forms/d/1fXSDok4yZ0-9kC_OZumDc7QtZLu2CxWPfRA7XNcpgk0/edit
続きを読む
1852975640
2022年7月20日 16:18
咲彩

咲彩

コメント
作者に感想を伝えてみよう

関連作品


ディスカバリー

好きな小説と出会える小説総合サイト

pixivノベルの注目小説

  • 飛べアルバトロス
    飛べアルバトロス
    著者:かのせ
    〈第3回百合文芸小説コンテスト〉pixiv賞受賞‼︎ バスケットボールチームを舞台にした青春物語!