このプロジェクトを始める理由
韓国「ナヌムの家」に暮らす姜徳景(カン・ドッキョン)さん、金順徳(キム・スンドク)さんなど日本軍「慰安婦」被害者たちが描いた絵は、1990年代中頃に発表されて人々に衝撃を与えました。彼女たちが描く故郷の風景や日本軍人の姿、幼い自画像からは心の叫びが聞こえてくるかのようでした。しかし、それがどのように描かれ、彼女たちにとってどのような意味があったのかについては、あまり知られていなかったのではないでしょうか。
2018年に韓国で出版された『咲ききれなかった花』は、それを解き明かしてくれる本です。被害女性たち(ここではハルモニと呼びます)に絵画で自己表現するきっかけを与えたのが、この本の著者李京信(イ・ギョンシン)さんだからです。美大を卒業したばかりの若い女性がおそるおそる「ナヌムの家」の門をくぐり、ハルモニたちの心の扉にノックし続け、扉が少しずつ開けられていく過程が、この本の中に詰まっています。
日本軍「慰安婦」問題について考える時、被害に遭った女性たち一人一人の生に思いを至らせることが何よりも大切だと私たちは考えています。だからこそ私たちは、絵と出会うことで自らの傷に向き合い、それを表現することで解放されていったハルモニたちの姿を伝えたいと思ったのです。この本は、今まで知らなかった「慰安婦」被害者たちの素顔を、必ず伝えてくれると思っています
自己紹介
このプロジェクトをおこなう私たちは「希望のたね基金」(通称「キボタネ」)という一般社団法人で、2017年に設立されました。キボタネは、日本の若者が「慰安婦」問題について学び、性暴力のない社会づくりに役立てるための基金です。「終わらせる」のではなく、「記憶・継承」することで、二度と同じような被害を生まない社会をつくることができると信じて、様々な活動をおこなってきました。この本の翻訳出版は、そのような活動の一環です。
この本を翻訳するのはキボタネ代表理事の梁澄子(ヤン・チンジャ)です。そして、やはりキボタネ理事の北原みのりが立ち上げたアジュマブックスから出版します。目標金額は1,200,000円です。翻訳はすでに完了しており、原著者と韓国の出版元からの許諾も得ています。皆さんのご支援を得て、何としても出版を実現させたいと思っています。
● 希望のたね基金の活動(公式HP:https://www.kibotane.org )
このプロジェクトで実現したいこと
李京信(イ・ギョンシン)著『咲ききれなかった花ー日本軍性奴隷制被害者ハルモニたちの終わらない美術の時間ー』の翻訳刊行
ネクストゴール挑戦中❗️❗️
現在、書籍の価格を安くし、より多くの皆様にお届けするため、ネクストゴール1,980,000円を設定しています!引き続き応援よろしくお願いします!
出版に必要な経費
版権、印税 330.000円
翻訳、編集 695,000円
装丁、組版 310,000円
印刷、製本 650,000円
合計 1,980,000円
リターンについて
3,000円:出版記念オンラインイベントへの招待
10,000円:書籍1冊/出版記念オンラインイベントへの招待
30,000円:書籍2冊/出版記念オンラインイベントへの招待/本書掲載画のポストカード5枚セット
50,000円:書籍3冊/出版記念オンラインイベントへの招待/本書掲載画のポストカード5枚セット/お名前を絵本のクレジットに入れることが可能です。
※ご支援時、必ず備考欄に、本名やニックネームなど、ご希望のお名前をご記入ください。例:キボタネ花子
実施スケジュール
2月2日(火) クラウドファンディング開始記念オンラインイベント!
4月21日(火) クラファン終了
5月中 書籍出版
6月19日(土)頃 出版記念オンラインイベント
6月中 リターン発送
※オンラインイベントはZoomにて行います。Zoomアプリ、インターネット環境が必要となります。
最後に
本プロジェクトは希望のたね基金の活動の一環です。日本軍性奴隷制問題もしくは「慰安婦」問題と聞くと、日韓の政治的対立の問題だとされてしまうのが現状です。しかし、被害当事者であったハルモニたちの存在なくして、この性暴力の歴史を振り返ることはできません。今回翻訳刊行をする「咲ききれなかった花」を通じて、まずはハルモニたちの力強く美しい姿を、著者李京信さんの素敵な絵とともに見て、読んで、感じていただきたいと思います。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
メンバー紹介
梁澄子(ヤン・チンジャ)
キボタネ代表理事。通訳・翻訳業。1990年から「慰安婦」問題に関わり、在日の「慰安婦」被害者・宋神道さんとの関わりを通して、被害者たちの心の傷の深さを知りました。そして本書を通して、同じように言葉にできない痛みと傷を抱えた被害者たちと再び出会いました。2019年の渡韓時に本書を知って以来、何とかこれを翻訳出版したいと願ってきました。
北原みのり
1991年に金学順さんが声をあげたとき、私は大学生だった。当事者が声をあげた以上、解決しないわけにいかない、すぐにきっと解決できるはず。そう楽観的に信じていた四半世紀前の私に言ってあげたい。「甘すぎるよ」と。「慰安婦」問題は、この国のアキレス腱だ。国は力尽くで、この問題を忘れさせようとしてきた。「そうはさせない」と、急所に正面から切り込んでいった当事者と支援者の運動は、どれほど過酷だったことだろう。性暴力被害者が声をあげれば叩かれ、なかったことにされるのは、今も同じだ。だからこそ私は、この運動に関わりたいと思う。女性たちの無念を記憶するために。次世代に声と記憶をつないでいきたい。
石田凌太
都内大学4年生。専攻はジェンダー論、特に戦時性暴力について勉強中です。『咲ききれなかった花』の翻訳出版プロジェクトにおいて、本クラウドファンディング実施を担当しています。美術を通じたハルモニたちの自己表現の過程が、鋭くも繊細に描かれた本作品を日本でも多くの人に読んでもらいたいという思いから、本プロジェクトに携わっています。
高廷林(コ・ジョンリム)
希望のたね基金とマリーモンドジャパンの専従スタッフ。『咲ききれなかった花』のメイン画像の製作などデザインを担当。留学のため来日し、日本に来てはじめて詳しく知ることができた「慰安婦」問題。私のように「慰安婦」のことがよくわかっていない方や「慰安婦」に関心はあるんだけど、どう接したら良いのか悩んでいる皆さんにぜひ読んでいただきたいです。本書を通して文字だけではなく、絵から感じられる全ての感情を一緒に共有したいと思っています。
小田明美
書籍編集者。1969年生まれ。1991年より単行本書籍の編集にたずさわる。2021年3月始動の作家北原みのりさんの出版会社アジュマブックス創設メンバー。東京医大等入試差別問題当事者と支援者の会。デジタル性被害者支援NPOぱっぷす事務局。慰安婦被害者支援活動の「希望のたね基金」代表理事梁澄子さん翻訳の本作品『咲ききれなかった花』を担当。絵の先生として著者がハルモニたちとどのように打ち解けて、慰安婦であったときの苦しみや悔しさ、そして怒りといった言葉にならない心の奥底にある感情を絵画で表現する手助けをしていったのか、涙なくしては読めない本書をぜひみなさんにお届けしたいと思っています。性暴力問題に関心があり、フラワーデモに参加している皆様、芸術表現がどれほど心の扉を開ける行為となるのかに興味を持たれる教育関係者の皆様、そして作家、芸術家の皆様。また全国の学校図書館で子どもたちが本書に出会えるようにつないでくださる書籍関係者の皆様の注目を願っています。
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