お金をキッカケに広島の暮らしやビジネスに関わるニュースを徹底取材でお伝えしていきます。取材は木村仁美アナウンサーです。
【木村アナ】
はい。よろしくお願いいたします。「広島のお好み焼き」と言えば中に麺の入った「広島風」のものが一般的と思いますが、そんな広島で半世紀以上も繁盛している「関西風お好み焼き」のフランチャイズ店が「徳川」なのです。何故、「関西風」でスタートしたのか?きょうは「お好み焼き徳川」の不思議を徹底取材します。
「お好み焼き徳川」は1969年に1号店が誕生しました。
それにしても、広島風お好み焼きの聖地になぜ関西風なのでしょうか?
【東洋観光グループHD 今井 誠則 社長】
「昭和37年頃大阪で桟敷が段々になっていて1番奥で芝居などもやっているようなお好み焼き屋さんを見て『これすごいな』と当然大阪ですから”まぜ焼き”でちょっとそれを真似して」
しかし、ここは「広島風お好み焼き」の聖地でした。
【今井社長】
「3年くらい赤字を続けましたね」
当然とも言える結果ですが、やがて、時代の追い風が吹いてくるのです。
【今井社長】
「バーバリズムというか、そういうものがもてはやされた時期になってきて、お好み焼きしかも自分でベイク(作る)BAKE YOUR SELF(Q:自分でやることが新しかった)バーベキューじゃなけど、ずいぶんその後お客さんが付いてきて一挙にすごい大繁盛店になりました」
時はまさに高度成長期。
家族みんなで楽しむという娯楽の変化が「みんなで焼いて食べる」というシステムに絶妙にマッチしたのです。そんな今井社長の思いはこんな所にも現れています。
【CMソング】
♪ 「まあ~るく まあ~るく 作りましょう 幸せたくさん作りましょう」
【今井社長】
「何かの曲をちょっというか大幅にもじって私が作詞して”まあ~るくまあ~るく作りましょう” “友達たくさん作りましょう” ”幸せたくさん作りましょう” というね」
『焼くこと自体を楽しんで食べてほしい』創業の理念は現代も生き続けています。
【東洋観光・営業部 朝岡 康広 部長】
(Q:鉄板を目の前にすると気分が上がりますよね。)
「みなさん鉄板を囲んでもらって、お互いのお好み焼きを評価しながら、その団らんが、我々が端で見ていてとても満足する瞬間というか、お客さんもみなさんとても楽しそうにされています」
【スタジオ】
広島に誕生した「関西風お好み焼き店」ですが、昭和40年代の高度成長期。
まさに経済の戦国時代に時代の流れをつかんで成功したわけなのです。
【コメンテーター 匹田 篤さん】(広島大学大学院准教授)
「昭和40年代 経済が成長していく時に、ファミレス、コンビニ、ファストフードのない時から急速に広がって社会が大きく変わる時、波に乗ったんだなと思います」
時代は進んで、経済が混とんとする現代、新たな戦国時代をどう戦くのか?徹底取材です。
それでは「お好み焼き」の美味しい焼き方を教えていただきましょう。
【東洋観光・営業部 朝岡 康広 部長】
≪美味しい焼き方実践≫
「こぼれてしまいますが、こんな感じでぐるぐる回すのではなく空気を入れる感じで」
Q:丸く出したらあとは?
「あとはこの豚肉をひっくり返すので(豚肉は)生の状態でいいです。この状態で周りがちょっと反りあがった感じになりますので、ひっくり返すタイミングになると」
それまでは触らないのがポイントです。
それでは、焼けるまで、老舗お好み焼き店が取り組む新たな販売戦略、「どうする徳川」を取材しました。まずは、G7サミットからの海外インバウンド戦略です。
【東洋観光・営業部 朝岡 康広 部長】
「もうすでに今年もフランスやドイツやそちらの方のご利用を多く頂いている」
店舗では料理だけではなくグッズの販売も好評です。
海外ではサムライ人気が依然として強く、『徳川』イコール『サムライ』のイメージということなのです。「手ぬぐい型のバンダナ」や家紋の入った「オリジナルのヘラ」も海外からの観光客に大人気なんだそうです。
ちなみに「家紋」は徳川家の「三つ葉葵」とは少しデザインが違っていて、登録商標を取ってるとのことです。若い層の獲得にはアプリを使ったサービスを展開しています。
来店しなくても、アプリを開くだけでポイントがたまったり、クーポンが使えるサービスを充実させています。そして・・・。
【東洋観光・営業部 朝岡 康広 部長】
初めての試みで15代(それぞれの)将軍様のお誕生日の日に限り半額にさせて頂くというイベントをさせていただきます」
徳川歴代将軍の誕生日にその将軍の名前の付いた商品を半額で提供するサービスを展開します。「徳川ブーム」を巻き起こそうと今年は県内、国外をにらんだ販売戦略を展開するとのことなのです。さて、お好み焼きが完成しました。
それでは頂きます。
【木村アナ】
「おいしい。たまらん」
<スタジオ>
まさに、今年の「徳川」は様々なチャンスを活かして積極的に展開していこうということなのですが、匹田先生、どう思われますか?
【コメンテーター 匹田 篤さん】(広島大学大学院准教授)
「インバウンドのお客さんに対して、鉄板焼きが訴求できる。さらに体験型でエンターテインメント性も高い。これからますます打って出てくるんじゃあないかと思います」