旅人たちの残り香とこの次の話
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お久しぶりです。
もう本当にこの台詞には食傷気味というか、「毎度毎度ぼやくんじゃないよ」とお思いになることは想像に難くないのですが、それでも敢えて言わせていただきますと、
時が経つのは早いですね。
愛媛から帰京した日の夜、年明けからこっち存在を忘れていたカレンダーをふと思い出して手に取り、薄っすらと埃を被ったそれを1月、2月…と捲って、はたと3月に目を走らせるともう数える程しかない。
ありゃ、もう4月じゃないか。何なら今のうちに捲っとくか!といったところで、己のずぼら加減に頭を抱えました。
どうやらピルグリム2019、稽古開始から先日の新居浜公演までの長い長い旅路は、ついこの前、幕が開いたと思い込んでいた2019年の約四分の一を連れ去ってしまったようです。
生きていく中での体感速度と、現実に流れている速度にもの凄い乖離が生じていて、これは最早ウラシマ現象的な何かなのではないだろうか、応用すれば時間旅行もしくは不老不死の神秘へと至れるのではないかとすら考えてしまいます。
終わってしまえば、あれほど汗(と少々の血)まみれになりながら舞台上を転げ回って叫び、毎日理想と現実の板挟みでぺしゃんこになりながらもがいていた日々が、まるでいつしか寝物語に聞いたお話のようで、それが前述のウラシマ感へと拍車をかけているような気もします。
一種の燃え尽き症候群かなと思いきや、演劇に対するモチベーションはむしろ高まる一方なので、このふわふわとした気持ちは行き場をなくすばかりです。
きっと、すっごく楽しかったのだと思います。
だからこそ、この突如として夢からも現実からも切り離されてしまったような宙ぶらりんの孤独を見つけてしまうのでしょうね。
何だろうなぁ…お祭りの最中、ふっと祭囃子が止み、提灯や出店の灯りが一斉に消えて、一人真っ暗な境内に取り残されるかのような。
やっぱり31日のアフタートークショーで区切りがつくのかなぁ。つかない気もするなぁ 笑
去年まではどうしてたっけ。
まあ、これもまた時が解決してくれるであろうことは容易に想像がつきますね。
さて、いつまでもぼんやりと浸っているわけにもいかないので次の話をしましょう。6月の話を。
公演期間中ということもあって、こうして思いをしたためるのがすっかり遅くなってしまいましたが…
改めまして、舞台『刀剣乱舞』最新作に謎の人物として出演させていただくこととなりました。
これ以上ない程のことに挑戦させていただける機会に、未だ心の動揺が収まっていません。
因みに愛媛公演中に情報が解禁されたのですが、楽屋のスマホはずっと裏返しにしていました。怖かったから。
ただ今は、平時における良くも悪くも努めて冷静でいようとするストッパーが働き始め、あの時よりかは落ち着いて状況と向き合うことができるようになりました。
インターネットでもって世間と繋がるにつけ、本当に自分でいいのか、自分に出来るのかと不安に思ってしまうことは否めませんが、人生を歩む上でお芝居を杖代わりにしたその日から、長い長い道の先でこんなにも胸踊る光景に飛び込んでいける日がいつか来るといいなとほのかに憧憬を抱いていたことも事実で。
稽古も始まっていない今、何を言っているんだという感じですが、兎に角、この夏は僕という人間を絞り尽くして出来得る限りのことをぶつけてみようと思います。これもまた毎度のことですが。
どのような結果に終わるか、どうか舞台上で確認して評定していただけると幸いです。
梅津