なぜ日本人の「色彩感覚」は世界で賞賛されるのか 「春の色」ひとつとってもこんなに多彩
東洋経済オンライン / 2023年1月2日 15時0分
日本政策投資銀行(DBJ)と日本交通公社(JTBF)による最新の共同調査(2022年10月26日発表)によると、アジア・欧米豪の人々の、実に52%が「次に旅行したい国・地域」として日本を挙げており、依然として世界1位となっています(対象:12カ国・20~59歳の男女かつ海外旅行経験者/有効回答者:6307人)。
2023年は諸外国からの観光客がますます増加することが見込まれる中、日本の「色彩文化」や私たちが無意識に共有している「色彩感覚」を改めて学ぶことは、ビジネスパーソンとしての教養のみならず、売り上げに直結する企画や施策を考えるヒントとしても有意義なはずです。今回は『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』から、写真や配色を引用しつつ、そのエッセンスを紹介します。
なぜ日本の色彩文化、色彩感覚が特別なのか
筆者はかつて、北欧スウェーデンの色彩教育を学ぶため短期留学したことがある。スウェーデンはもとより、世界中からそれぞれの専門分野を持つ社会人が集まったクラスの初日でのこと。メキシコから来たというクラスメイトから「日本人の色彩感覚や色彩文化はエクストラオーディナリー(extraordinary)だ」と言われた。
辞書に掲載されている単語の意味としては「普通でない・並外れた・異常な」とあるが、日本で生まれ育った私は、それをハッキリと意識したことがなかった。バカにされているのだろうか? それとも褒められているのだろうか?とモヤモヤしつつ、「なぜそう思うのですか?」と尋ねたら、「季節の移り変わりとともに配色を変えたり、非常に繊細な色を使い分けるから」という答えが返ってきた。
日本人が歴史の中で育んできた色彩感覚は、世界に類を見ないものがあるが、その大きな要因となっているのは気候である。春夏秋冬の区別がはっきりしているが故に、日本人は昔から四季折々の植物や自然現象と連動して、季節の変化を感じ取ってきたと言える。
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平安時代以降、花といえば「桜」
日本人は昔から四季折々の植物を通して「色」を感じていたため、伝統色名として今に伝わる色の呼び名は、圧倒的に植物由来のものとなっている。中でもおもしろいのが、植物の成長に合わせて相応の色名が存在するケースだ。
たとえば竹の場合、土から生え出たばかりの竹を表す「若竹色(わかたけいろ)」→青々と成長した竹を表す「青竹色(あおたけいろ)」→歳月を経た古い竹を表す「老竹色(おいたけいろ)」の色名が、ごく当たり前のように存在する。
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