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安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者の近況報道は雑誌だからこそ なぜ新聞やテレビは報じない(元木昌彦)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2023年1月8日 9時26分

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これから裁判が始まる山上容疑者(C)日刊ゲンダイ

【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】

 昨年末、安倍晋三元首相銃撃事件・山上徹也容疑者(42)が殺人容疑でようやく送検された。勾留期限の1月13日までに起訴される見通しだ。

 新聞、テレビは報じないが、山上の拘置所内での様子や母親(70)の近況を週刊文春(1月5.12日号)と週刊新潮(同)が伝えている。

 山上のいる大阪拘置所には棟は違うが、和歌山毒物カレー事件の林真須美死刑囚がいるそうだ。彼女は山上について、長男にこう語ったという。

「母親が宗教にハマったことを指して『かわいそうな一面もあるよね』と同情を寄せていました」(文春)

 ネット上では「山上烈士」と呼び、誕生日には「祝福のコメントが並んだ。オンライン署名サイトでは、山上の減刑を求める署名に一万人以上が賛同する事態となっている」(同)。彼の伯父のところには、全国から食べ物や衣類が山のように届けられているそうだ。 

 山上は昨年10月末ごろ、「担当刑務官に対して“ボケ”や“アホ”などと暴言を繰り返し、懲罰を受けた」(同)という。新潮によると、山上は英検1級取得のための勉強をしているそうだ。現在も統一教会信者である母親は新潮の記者に、息子への思いをこう語っている。

「(自分の)子どもですから、みんな、そうでしょ。一緒でございましょう。あなたがね、大切に思いはるのと同じで、一緒でございましょう」

 山上逮捕直後、彼が恨みを持っていた宗教団体が統一教会であることをいち早く報じたのも雑誌系メディアだった。なぜ雑誌にできるのか? ひと言でいえば「記者クラブ」に入れないから。当局の発表に頼らない「人の行く裏に道あり」が雑誌取材の基本だからだ。

■大久保清事件、立大助教授事件

 私の拙い取材経験を紹介しよう。1971年、8人の女性を次々に強姦して殺した「大久保清事件」が起きた。月刊現代の新米編集者だった私は、事件の詳細を追うのではなく、大久保の両親を捜し出して話を聞こうと考えた。悪戦苦闘の末、群馬県の沢渡温泉にいるという不確かな情報を得た。行ってみると、「風呂から出て裸同然で歩いている奇妙な老夫婦がいる」という。宿を探して直撃した。だが、「バカヤロー、おまえたちに話す義理はない」。

 罵声を浴びせられながら粘りに粘って、父親から「私らの清への教育が間違っていたことは認める」という言葉を引き出した。テレビのワイドショーならスクープ映像だっただろう。

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