森保)
目標としては一歩届かずで、悔しい思いをしたというところはありますけど、そういった意味での新しい景色は見ることはできませんでしたが、選手たちの戦い方をまじかで見て、チームとして、ドイツやスペインと戦って勝てたということは、違った意味で本当に新しい景色、新しい時代は見させてもらったと思いますし、今回は本当に悔しい思いで帰ってきましたけど、未来に向けて日本が世界と戦えると自信を持てるワールドカップになったかなと思ってます。

小林)
予選リーグでドイツに勝ち、コスタリカには敗れましたが、その後スペインに勝ちという流れだったんですけれども。その中で監督としてはどんなところを心がけてその期間を過ごしたのでしょうか?
森保)
まずは、目の前の試合に向けて、そのときのベストということで、勝利を目指して戦える準備をしていこうということで、選手起用であったり戦術の準備はしてきて、グループリーグリーグを突破するにあたっては「3試合目まであってのグループリーグ突破」かなと思っていましたので、そういった意味では、1試合1試合の積み重ねと、3試合トータルして、決勝トーナメントに進んでいくということを考えながら、戦いました。ベスト16で決勝トーナメント1試合で終わってしまいましたけど、その先の本当に行く準備はして臨みました。
小林)
その後、決勝トーナメントでPK戦で残念ながら敗れるという形になりましたけれど、その期間を通して、選手たちをご覧になっていて、監督からはどんなふうに見えていたのでしょうか?

森保)
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元々選手たちはもう既に世界の舞台で戦っている選手で、自信を持って、そしてワールドカップで成功するんだという気持ちを持って、志を持って勇気・勇敢に戦ってくれたと思います。
その中でも、一試合一試合、選手たちが戦いながら成長していってくれてるということと、チームがより一体感を強固に持ちながら、一丸となるということの素晴らしさを選手たちは体現してくれていたなということは感じました。
●森保監督にとっての広島…「監督としての自分がつくられた街」
小林)
森保監督は、実業団の時代から広島の地で、日本代表・サンフレッチェの選手として、そして監督として、過ごされてきたわけなんですけれども、森保監督にとって広島っていう場所はどんな場所なんでしょうか?
森保)
広島ですか…。生まれは長崎なんで、なかなか故郷とは言えないかもしれないですけど、長崎生まれ広島育ちだと思いますし、あの広島は本当に第2の故郷として、ホームタウンっていう自分の帰るところかなっていう感覚ではいます。
小林)
改めて振り返って、広島での経験は、例えばワールドカップであるとか代表監督で生かされている部分ってありますでしょうか?
森保)
ほとんど広島で経験してきたことが生きているかなと思います。
高校卒業するまで長崎で生活をしていて、広島に来て、広島で生活するようになって、人としても、サッカー選手としても、そして指導者としても、いろんな教育を受けさせていただいて、経験させてきてもらったなかで、今の自分があると思いますので、そういった意味では今の自分は、監督としての自分がつくられた街だと思っていますので、全てが生きているかなと思います。
今西(和男)さんに教育されたことがやはり監督としてすごく生きてますし、私自身がしてもらったことを、現代型にアレンジして、選手であったり、チームスタッフに還元しているというか、広島で学んだことはすごく大きいですね。
※今西和男さんは、森保さんを長崎の高校から当時のマツダサッカークラブ(サンフレッチェの前身)に連れてきた最大の恩師。
選手のときは足が速くなかったですし、強くなかったですし、高さもなかったなかで、何で勝負できるかっていうので、判断やスピードで勝負しないとなかなか、身体能力の高い選手・能力の高い選手たちには勝てないなっていうのはあったのかなと思います。自分で意識してたわけではないんですけども。
小林)
様々な監督のもとで選手として成長していかれたわけですけれども、今は代表監督されていて、影響を受けた監督は?

森保)
全ての監督に影響を受けましたね。誰か1人っていうことではないんですけど、いろんな監督から学んだことを自分に吸収して自分らしくインプット・アウトプットしていくっていうことをやってるかなと思います。でもそれぞれ印象的な監督さんの元で指導してもらったので、それぞれの良さを出していこうと思っている自分はいると思います。
例えば、(元日本代表監督の)オフトさんであれば、練習もめちゃくちゃきついんですよ。最後もう、ぶっ倒れるぐらいのきつさなんですけど、でも楽しいんですよね。嫌だと全く思わないんですよ。監督自身もいつも笑ってるし。サッカーの楽しさを、ただおちゃらけて楽しむではなくて、激しく厳しく、一生懸命やることを楽しむという。
サンフレッチェ時代も、いま代表の監督をやらせていただいてる中でも、みんなサッカー好きでプレーしてると思いますし、ひょっとしたら違う目標を持ってる人もいるかもしれないですけど、好きなことをやっているということを忘れずにプレーしてほしいなという思いを持って働きかけはしています。
小林)
先ほど、今西さんの話もでていましたが、今西さんにも話を伺って、サンフレッチェ、マツダに来たときからもよく話を聞いて、そして、書き留めることを大事だということを伝えたんだと、もしかしたらその辺りが今も生きているのではないかと、いう言い方をされていたが、そのあたりはどうですか?