元園長に100万円賠償命令 給食少量のわんずまざー
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園児の大幅な定員超過や少量の給食が問題になった兵庫県姫路市の「わんずまざー保育園」(廃園)に通っていた男児(4)と両親が、元園長の女性(47)に約120万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、神戸地裁姫路支部(徳岡由美子裁判長)は19日、「利益追求のため、園児の安全や発育をないがしろにした」として約100万円の支払いを命じた。
判決理由で徳岡裁判長は「通常の2分の1から3分の1の量の給食しか摂取できず、体重が上昇しにくかった」と認定。保育士の目が行き届かず、園児の生命や身体に危険が生じてもおかしくない状況だったとも指摘した。
判決によると、男児は2015年4月から約2年間通っていた。元園長は保育士の水増しや園児の定員超過を続け、約70人に対して40人分ほどの給食しか提供せず、男児の卵アレルギーへの配慮も怠った。
原告側代理人によると、元園長は訴訟で答弁書を提出しなかった。男児の母親(41)は判決後に「声を上げられない子どもの気持ちを代弁できてほっとしている。法廷で動機を明らかにしてほしかった」と話した。
一連の問題は、17年2月に県と市が実施した特別監査で発覚し、同3月に園は運営を終了した。市は今年4月、保育士を水増しして「施設型給付費」など約377万円を不正に受け取ったとして、元園長を詐欺容疑で告訴した。〔共同〕