Quantum Revolver
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RPC-002。画像で一番下にある薬室底部の特徴的な損傷に注意。
登録事象コード: RPC-002
オブジェクトクラス: Alpha-Yellow
ハザードタイプ: 射撃性, 記憶操作, 極温性, 毒性
収容プロトコル: RPC-002はAlphaクラス標準収容コンテナに収容されます。RPC-002はレベル3研究員の承認が下りた場合、実験の目的でコンテナから取り出すことが許可されています。RPC-002の許可された実験場以外での使用及び許可された標的以外に対する使用は禁止されています。生物または有機的な標的に対する実験はサイト-███管理官の承認のもと行うことができます。 最近の実験における予想外の結果のためRPC-002を用いた実験はさらなる報告があるまで禁止されています。詳しくはインシデントログ-RPC-002-Fを参照してください。
説明: RPC-002は装填された上で発砲された際に様々な予期不能の物理改変を引き起こすコルト・シングル・アクション・アーミー(CSAA)です。オブジェクトの19.05-cmのバレル、ニッケルメッキ、クルミ製のグリップはCSAAの一種である初代"Cavalry"の特徴と一致します。RPC-002は装填されていない場合、軽度の記憶操作(後述)と継続的な自己修復という低レベルの異常性を示します。RPC-002の部品が何らかの手段で汚れや傷をつけられた場合や同じく部品が取り除かれたり取り替えられたりした場合、そうした部品は改造や損傷を受ける前のものと同一の部品と即座に取り替えられます。取り除かれた部品は新たな部品が出現したと同時に消滅します。RPC-002のシリンダーの薬室の一つはかなり摩耗しており、発砲の失敗やケーシングの破裂が原因と思われる損傷が見られます。
RPC-002の薬室に適合する弾丸が装填され、発砲された際、その結果として射出された異常な物質はRPC-002-1に指定され、当った標的の材質の構成において様々な物理改変を引き起こします。RPC-002-1の外見は.44ウィンチェスター弾と一致しますが、標的に当たったRPC-002-1は現在のところ一つも回収されていません。
標的に当たったRPC-002-1の効果は標的の化学的な構造を瞬時に改変するというもので、これに伴い多くの場合大量のエネルギーを熱の形で放出します。RPC-002-1の効果は純物質に対してより顕著に現れ、450kgまでの純物質の化学的な構造を一度に改変することができます。
RPC-002の異なる薬室による効果の違いは本質的にありません。しかし、RPC-002-2の認識ハザード的な効果により個々の薬室を使い分けることは難しくなっています。RPC-020-2の特徴は人類が個々の薬室のシリンダーに対する相対的な位置を継続的に記憶もしくは認識することを不可能にするところにあります。デジタルな伝送もしくは記録手段を用いているにもかかわらずRPC-002の実験を観察した複数の人員による使用した薬室がどれであったかに対する認識及び装填された際のRPC-002の正確な構成に対する認識は必ず食い違います。この効果は常に発生しており、同じ実験記録を複数回見た人員は繰り返す度に一貫性がなく、自己矛盾した実験の記憶を主張します。RPC-002のシリンダーにある破壊された薬室の位置は変わらないと推論されていますがRPC-002-2がこの予想を事実上検証不可能にしています。
以下の実験番号は情報セキュリティの観点から編集されており、仮の識別番号に置き換えられています。
実験番号: RPC-002-A
対象: CSD-4867、アジア人、男性、38歳
実験手順: エージェントジェームソンがRPC-002でCSD-4867を10mの距離から撃つよう指示されました。
結果: CSD-4867の体腔が激しく爆発しました。赤外線画像によりRPC-002-1に接触した際、対象の細胞内の水分が即時に1670℃まで上昇し、これが主要な臓器の爆発を引き起こしていたことが判明しました。対象の遺留品の大半は即時に灰になりました。この灰には異常性が認められませんでした。エージェントジェームソンは軽度の圧迫打撲とⅠ度熱傷を負いました。
付記:特殊な分析によりRPC-002-1と接触した際、対象の骨格に含まれるカルシウムの大半が化学的に純粋なナトリウムに変化し、これが細胞内の水分と反応していたことがわかりました。しかし、この反応により発生する熱量では観測された極度な高温には届きません。
主任研究員からの通知:今後有機物を用いた実験は停止します。熟練の人員が怪我をするリスクを最小限に抑えるために発砲にはCSDを用いるべきです。
実験番号: RPC-002-B
対象: SAE-416の鋼鉄合金棒、20kg
実験手順:CSD-4869がRPC-002で対象を20mの距離から撃つよう指示されました。
結果:RPC-002-1が当たると対象は瞬時に純粋な鉄と炭素の粘性塊に分かれ、激しく実験室の両側の壁に衝突しました。粉末状の物質が対象が元あった位置に残されました。化学的な実験からこれは対象に含まれていたものと同量のクロム、マンガン、ニッケル、カリウム、硫黄であることがわかりました。
付記: マンガン(炭素より対象に含まれていた質量における割合が高い)のような他の物質は運動エネルギーをもたなかったのに対し、鉄と炭素が激しく分離した理由は不明です。
実験番号: RPC-002-C
対象: イングリッシュオーク材、1kg
実験手順: CSD-4881がRPC-002で対象を20mの距離から撃つよう指示されました。
結果: 当たった際、実験室内の監視装置が急激な中性子線の増加と空気圧、温度の低下を記録しました。観察窓には霜がかかり、扉は凍結しました。極低温と高放射線対応の装備を着用の上実験室に入ったところ、標的は推定10kgのプルトニウム-238に置き換わっていました。CSD-4881は強烈な放射線と低温にさらされたことにより死亡しました。
付記: 限られた分光写真の可読部からRPC-002-1は対象をリバーモリウムかフロレビウムとみられる不安定な合成元素に変更したものと考えられています。この物質を「作り出す」ためにRPC-002-1は実験室内の大気からエネルギーを吸収し、その結果温度の低下が観測されたものと思われます。
サイト監督官からの通知: 今後の実験ではRPC-002は遠隔で発砲してください。
実験番号: RPC-002-D
対象: ニトリルゴムのシート、3kg
実験手順: 自動発砲装置を用いてRPC-002で対象を撃ちます。
結果: RPC-002-1はバックネットを傷つけることなく対象を貫通しました。ゴムシートはいくつかの密な結晶片になりました。この結晶片の化学的な構造は分析不能な部分を除いてはイットリウムバリウム銅酸化物のものに類似していることがわかりました。
付記: RPC-002によって作り出された新たな物質は室温超伝導体のような働きをします。この物質を複製するため物性科学研究が行われています。
実験番号: RPC-002-E
対象: 一般的な硼珪酸ガラス製ビーカーに入った水250ml
実験手順: RPC-002の損傷した薬室が装填されました。自動発砲装置を用いて対象を20mの距離から撃ちます。
結果: RPC-002の発砲に失敗しました。
付記: RPC-002が起動できない機械的な理由が存在するようには思えません。薬室の損傷は通常危険ではありますが、弾の装填と発砲を物理的に妨げるものではありません。
主任研究員からの通知: テストセキュリティに配属されたASF職員から異例の実験の提案がありました。私は許可するつもりでいます。
実験番号: RPC-002-F
対象: 一般的な硼珪酸ガラス製ビーカーに入った水250ml
実験手順: RPC-002の6つすべての薬室に装填しました。 その後、目隠しをした研究員がシリンダーを適当に回転させ、装填されたRPC-002を自動発砲装置に感覚で挿入しました。RPC-002に向けられていた薬室監視装置は発砲プロセスの間に解除されました。自動発砲装置を用いてRPC-002で対象を20mの距離から撃ちます。
結果: インシデントログ-RPC-002-Fを参照してください。
20██年4月12日、午前8時22分、RPC-002は現場の研究、保護スタッフによって策定された「ロシアンルーレット」の手法で試射されていました。発砲の際、RPC-002の正確な薬室の向きや事前装填後のRPC-002の状態は不明でした。RPC-002の標的は250mlの脱イオン化水を入れた一般的な硼珪酸ガラス製ビーカーでした。午前8時23分頃、サイト-███との連絡がサイトの地震計を除いてすべて途絶えました。その地震計はサイトレベルの大きさの小さな地震や物質の爆発に特徴的な振動を観測していました。RPCの収容違反を伝える自動遭難信号が発せられました。すぐにASF回収チームが送られ、異常なオブジェクトやその他の脅威を再収容または無力化しました。
サイトに到着した際、応答した職員は建造物の構造的な損傷と異常な熱の放射、そして火薬の匂いを報告しました。すべてのサイト職員は衝撃により死亡し、サイトにあったすべての異常なオブジェクトは建造物の崩壊に伴い破壊されていました。RPC-002は無傷で回収され、RPC-002の損傷していない5つの薬室はすべて装填されており、損傷している薬室は空の状態でした。
RPC-002の実験室の残骸から取り出された激しく損傷を負ったコンクリートスラグ。この異常性から発生した異常な熱の効果は実験室の強化建材をガラス質の半流動体にするに十分なものでした。
補遺 002-1: サイト-███の構造的損傷の数学的な解析により、設備は激しい砲撃に匹敵する異常な効果で破壊されたと結論付けられました。この効果は波の形を取り、建造物全体に広がる際にはRPC-002の実験室から伝播してサイトの換気システムに伝わっていったと考えられています。暫定的にこの波と物質との衝突プロセスをRPC-002-3と指定します。RPC-002-3による衝撃は至近距離から発射された1発のウィンチェスター.44弾で、標的の表面の3mm2の領域をすべて攻撃した際の衝撃に相当します。これにより、RPC-002-Fの実験においてRPC-002-1が起動したことで、サイト全体が同時に██×108発以上による攻撃に相当する衝撃を受けたことになります。このエネルギーの伝播はサイトにいる生物すべてを死滅させ、大規模な崩壊を引き起こすには十分なものでした。
補遺 002-2: RPC-002を用いた実験は理事会により凍結されています。RPC-002はサイト-001に移されました。
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