新型コロナウイルスの抗原検査キットの在庫を確認するO・P・A薬局の薬剤師=大分市豊饒
新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、自分で感染の有無を調べられる抗原検査キットを利用する人が増えている。県や医療機関での無料配布、薬局での購入と手軽に入手できる環境は整った。ただ、確定診断には県の「自己検査陽性者登録センター」に検査結果を提出する必要がある。仕組みを知らず、自己判断で済ます人がいる懸念もあり、県は「症状悪化に備えるためにもセンターへの登録を」と呼びかけている。
県によると、新型コロナの新規感染者は11月末から千~2千人規模に急増した。同センターに寄せられる無料検査キットの注文は1日約65件で、比較的感染状況が落ち着いていた10月の6倍になった。
大分市豊饒のO・P・A薬局(岸本和義局長)も100個以上売れる日が出てきた。「身近に感染者が出た」「急拡大が不安」といった理由で訪れる人が多いという。
キットは綿棒で鼻の粘液を採取し、試薬でウイルスを検知する仕組み。個人で簡単にできるものの、同薬局主任薬剤師の都甲大介さん(31)は「発症直後は検出が難しく、指示通りに使わないと陽性反応が出ないこともある」と話す。
キットが陽性の可能性を示しても確定ではなく、同センターに検査結果の写真を送り、医師に判定してもらう必要がある。8月24日から12月14日までに1068件が寄せられ、陽性が確定したのは969件。認められなかった約1割は「研究用」など国が承認していないキットや、不鮮明な写真が添付されていた。
県感染症対策課の広末順一課長補佐(49)は「陽性の結果が出ても、自己判断で放置している人もいるのではないか。症状が軽い場合でも気を抜かず、できるだけ医療機関を受診するか、陽性者登録センターを活用してほしい」と話した。
<メモ>
「自己検査陽性者登録センター」は8月に県が開設。陽性と診断された人の情報は県の「健康フォローアップセンター」が共有し、健康状態の観察や症状に関する相談に対応する。自己検査陽性者登録センターを利用できるのは12歳以上65歳未満で、基礎疾患がないなど重症化リスクの低い人に限定している。新型コロナワクチンを2回以上受けていることも条件で、接種が1回のみの場合は医療機関で診察を受ける必要がある。
※この記事は、12月19日 大分合同新聞 21ページに掲載されています。
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