8時起床。

気になるお天気、
曇天、霧雨。つまり“RAIN”
優しく雨ぞ降りしきる。

前日から、
「やま、こわいお……」
と怯えていた末っ子3歳、
高尾山デビューの日。

行くべきか行かざるべきか。

「びしょ濡れでいいじゃない」と思いつつも、
幼児も一緒なので、
何度も中止にしようと思ったが
この機会を逃すのは惜しい。

しかも奇想天外のメンバーが集合するのだ。



11時前、
我が家に今回、一緒にお誘いした、
作家の樋口毅宏さんが到着。

ほぼ徹夜、わずか15分しか寝ていない、と。
“明け方のニュースショー”でも見ていたのか?

樋口さん、子供と顔合わせ。
あんな血まみれの猟奇的な小説を書いているくせに、
子供は大好きな様子。
むしろ、子供慣れしているので安心。
今回はタケシとアキラが一緒なのだ。


車で出発。

待ち合わせ場所まで向かう間、
カーステで岡村メドレー
『あの娘ぼくがロングシュート……』
を皆でシンガロングしながら。


甲州街道まっすぐ!
麓に近づくにつれ、雲が消えて晴れわたる。

僕は拍手を送りたい、
計算違いの晴れに!!



12時過ぎ、
岡村靖幸さん(以下・岡村ちゃん)一行が、電車で到着。

高尾山口駅の前で、皆、自己紹介。
ボクらが5人。岡村ちゃん一行5人。
もちろん初対面の人が多数いるのだが、
すぐに打ち解けるのが山の良い所だ。


今回、『岡村ちゃんと高尾山DATE』
まさに、どぉなっちゃってんだよ!の企画だが……。

そもそもの発端は――。
岡村ちゃんに
「仕事以外でも遊びましょう?」
と言われても、
「どんなことをして欲しいのボクに?」
と戸惑いつつ、
「ボクが高尾山に誘ったらどんな顔をするだろう?」
と思って、
「なんだってボクらはできるのなら
真昼間のタカオザンにでも行こうよ!」
この馬鹿げた提案をしたら、
あっさりOKになった。

いわばシャイでひきこもりの日常を返上したい。
そんな日になるはず。


岡村ちゃんは高尾山、はじめてとのこと。

まだ3歳の末っ子・アキラだが、
抱っことオンブの禁止ルールを適用。

「あしがつかれちゃた」って
拗ねてしゃがみこんでも、
でもこんな場所じゃおんぶ出来ないよ!
と言い聞かす。


兄弟一の我がままで頑固。
彼次第で、
途中で下山になるかも、
親としても不安もある。


ボクは、
2009年6月20日以来となる、高尾山4回目。
長男のタケシは7回目。

タケシが3歳の時、幼稚園で初めて登った。
その後、富士登山の前に親子で練習登山。
以来、長女のフミが、2歳の時に山頂まで登ったことで、
もはや我が家の恒例行事になっているのだ。



ケーブルカーのある清滝駅前広場から、
12時半、出発。

高尾山登山コースは、6コースあるのだが、
出発は、いつも通りに一号路(表参道)から。

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ここは薬王院に参拝するための表参道、
全て石畳で舗装されている。

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休憩所も多く、
初心者、幼児でも、安心、安全なのだが、
最初は急な坂道が続く。

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ここは、かなりしんどい。

岡村ちゃん、
Tシャツにジーンズ、スニーカーのいでたち、
特に湿気が高かったので、
ジーンズは暑苦しいだろう。
しかし、まさに、汗まみれのスター!!

一方、
子供たちは平気な顔。

手を繋いで興味津々に廻りを見渡し、
楽しげに登っていく。
気分はスタンド・バイ・ミーなのだ。

そして、睡眠不足の樋口さんは早くもゾンビ顔。
息も絶え絶え。


登山者はまばらだ。
いや、ガラガラと言っていいほど。

ミシュランの3つ星観光地に選ばれて以来、
夏の高尾山は登山者が殺到し、
世界一登山者が多い山なのに。

これだけ人がいないのは、平日で、
しかも都心では朝まで雨が降っていたからだろう。


登りのツラさも、
子供たちの楽しげな様子に引っ張られる。

まさに
家庭のサービスなんかで無邪気にはしゃぐ子供の様に、
大人が惹きつけられる。


リフト乗り場の前で一時休憩。

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子供より大人の方の疲労が激しい。

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樋口さんに、
「ここでギブアップしても良いですよ!
 でも一生、3歳児に負けたって言われますよ!」
と檄を飛ばす。

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ロープウェイ乗り場を過ぎて、
高尾山の名所の一つ
「蛸杉(たこすぎ)」の前で、一緒に記念写真。


その後、すぐに分かれ道。

「ここから高尾山の醍醐味を案内しますよ!」

薬王院の入り口、浄心門を左に入るルート、
3号路(かつら林)の道を選ぶ。

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通称・ジャングル道。
この道は、トイレや茶屋休憩所もない、
全長2・4キロの迂回路。
文字通りの崖っぷちが続く狭路。

もちろん、舗装されていないので、
自然が剥き出し、
雨が降れば、ぬかるみになる。

何時、滑落しても不思議ではない。

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周囲には樹齢1000年級の巨大杉が並ぶ、
鬱蒼たる山道。

幼児には、明らかに難所だが、
大人も子供も、このスリルがたまらない。

無難なロックじゃ楽しくない。
無難なハイクじゃ楽しくない!!

ここにきて、樋口さんにも精気が戻ったようだ。


山の南斜面の原生林に陽光も閉ざされ、
直射日光がないのが過ごしやすい。
森のイオン浴、木漏れ日が爽快。

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見渡せば深い森の向こうに
都心の風景と青空が垣間見える。

思わず、「ヤッホー!!」
子供も大人も繰り返す。

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この道の途中で
岡村ちゃんが何度も、
「いやぁ、来てよかったなぁ!」
と呟く。

そのたび、俺
「ヘポタイヤ!」と心で呟く。

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登山の間もタケシ、
知らず知らずの間、岡村ちゃんの歌を鼻歌。
ちょっと気恥ずかしい。

どうせなら
「♪しょうがくセイだし、サッカーブゥウだし、
 じっさいセイシュンしてるし、セが129センチィ!!!」
の替え歌、
本人の前で歌って欲しかったが……。

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つづら折りを登り続け、
ようやく標高599メートルの山頂へ。

青空に抱きしめられ最高のゴール。


やった!!!!
テッペン立って胸を張れ!!!!

山麓の出発から、数えれば計3時間弱。
予定より早いペース。



最後まで自力で登ったアキラを皆で祝福。
よくぞ、頑張った。

一応、もしもの場合の抱っこ紐の用意をしていたが
「にいふぁ!あかちゃんじゃない!」
とばかりに、断固拒否。

下山も含め、最後まで自分の足で。

たった3年でも、
人生がんばってんだよ!
小さな根性身につけた。



山頂で記念写真。

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お店で、ビールで乾杯。
おでん、そば、うどんを食べながら。
すっかり皆、旧知の仲良し気分。


高尾山山頂の
木の香り漂うウォシュレット付きのトイレは皆、絶賛。
観光資源にトイレの清潔さは重要だと思うのだが、
調べてみたら新設されたばかりなのだな。



高尾山は平易な山だが、
往復や頂上の休憩など含めれば5時間は滞在する。



その間、シラフで話せるのが何より。
酔わないと腹を割れなかったり
割り過ぎたりするもんだが、
山は自分に正直になる。
本当に四方山話に花が咲く。


そして、
今日一番、岡村ちゃん、樋口さんと話題になったのは、
坂口恭平の話だった。
昨日、ボクがお薦めした
リンク先の宮台真司との対談映像を二人共見ていたからだ。



下山。

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途中、
薬王院の天狗様に、ご挨拶。
お賽銭を投げ入れ、願い事。

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最後はロープウェイで締め。
子供たちは先頭に乗って大はしゃぎ。

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再び、登山口へ。
あともう15分でこの山ともお別れしなくちゃ。

しかし、子供たち帰りたがらない。
その駄々のこね方が切ない。

そこで、
スズキ秘書の引率で『トリックアート美術館』へ。


大人達は麓のお店で、またビールと四方山話。

登山の間、俺、さもベテランの如く
講釈を垂れていたのだが、岡村ちゃんのお連れの方が、
「僕、ヒマラヤには何度か登っているんですけど……」
と話を切り出しす。

その途端、その方への敬意が10段階アップしたが、
俺、赤面。


駅前でお別れ。

しかし、今回の『岡村DATE』。

「岡村ちゃんと飲んだ」じゃ、ありふれているが、
「俺、あの岡村ちゃんと高尾山一緒に登ったことあるんだよ」
って自慢話は末代まで語り継げるなぁ。

今日はホントにイイ一日だった。
ひとときの「友人のふり」でもいいんだ。



晴れわたった山。
苦しくても登るべき坂。
流れる汗。
でも風が吹いている。
そして緑に囲まれている。
頂上は陽光が迎えくれる。

岡村ちゃんは、
ずっと陽のあたる地上の天使でいて欲しい――。





19時過ぎ、帰宅。


Twitterにて、
九州の地から坂口恭平 新政府総理の書き込みがシンクロ。

TwitterRT @zhtsss 真夜中のサイクリング http://t.co/YFPXdCdG 
 ふと、この音楽を思い出した。
 この曲もソロアルバムに入れようかと考えてました。
 まっすぐ馬鹿だけど夢みたいなこと信じて僕は生きとる。
 それを後ろからポンとイイネと手で触れてくれるような音楽。

TwitterRT @zhtsss:
 @s_hakase 岡村さんと登山って本当ですか???
 しかもわたくしの話題も????!!!!!何事が。
 やはり夢そのものになってきております。。
 4日よろしくです。頭空っぽにして向います!



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