七里飛脚(読み)しちりびきゃく

精選版 日本国語大辞典「七里飛脚」の解説

しちり‐びきゃく【七里飛脚】

〘名〙 江戸時代、名古屋・和歌山・川越・松江などの各が置いた飛脚一種。これらの藩の居城から江戸にいたる街道路次七里ごとに小舎を設け、脚夫を配置して公用信書や飛脚荷、その他の逓送にあたらせたもの。七里。
※歌舞伎・近江源氏𨉷講釈(1772)二段「既に危ふく見えたる所へ、七里飛脚(しちリビキャク)が一散走り、家来を掴(つか)んで二三間、投げ退(の)け投げ退け宇治の方」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の七里飛脚の言及

【飛脚】より

…【新城 常三】
[近世]
 近世の飛脚については,まず幕府が宿駅制度の下で実施した公用の継飛脚があり,各宿に人足が置かれ,川留解除には最初に渡河した。各藩には江戸と大坂と各城下町を結ぶ飛脚があり,尾州,紀州,姫路,雲州などの七里飛脚が有名である。雲州の場合,士,士格,卒,軽輩と分けたうちで,御七里は百人者として最下級の軽輩に属した。…

※「七里飛脚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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