<1>小池知事の逆鱗に触れると排除以外に生き延びる道なし
東京都の監理団体である「公益財団法人東京都環境公社」の澤章理事長(61)が7月末で退任する。澤氏は1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長を経て、中央卸売市場次長として築地市場の豊洲移転に携わった。2019年に都庁を退職して現職に就任。都OBは65歳まで関連団体で勤務するのが慣例で、理事長就任から、わずか1年で退任するという極めて異例の人事が行われた背景には、小池知事による事実上の“クビ宣告”があったとみられている。“都庁の半沢直樹”とでも呼ぶべき渦中の澤氏が小池都政の実相を改めて振り返った。
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小池知事が366万票で再選を果たして始まった7月の第2週、都庁では早くも幹部人事が動き始めていた。
昨年3月に都を定年退職した私はこの1年、OB人事の枠の中で生計を立てていたが、今月10日、突如、T副知事から呼び出しを受けた。都庁第1庁舎6階の副知事室にわざわざ出向くのは、懲戒処分か異動内示を受ける時と相場は決まっていた。
ついに来たか、と直感した通り、T副知事からは7月末で現職(公益財団法人東京都環境公社理事長)を退くように通告された。それは8月から無職になることを意味していた。