<1>小池知事の逆鱗に触れると排除以外に生き延びる道なし
週刊誌では暴露本、告発本のレッテルを張られたが、本人としては至ってまじめに(多少の皮肉と自虐を込めて)都庁内部のドタバタ劇を記述したつもりである。
発売直後から妙な噂が聞こえてきた。
「知事サイドは、幹部職員に『あの本を読ませるな』と下令しているようだ」
「都庁に出入りするメディアに対しては『あの本を書評などで取り上げるな』とお触れを出しているらしい」
実際、現役時代に見知っていた記者たちに「『築地と豊洲』をよろしく」と手あたり次第連絡しまくったのだが、ものの見事にガン無視された。
ある全国紙の記者からは「ちょっと今、うちでは無理です。小池派で売ってますから」と苦しい(?)胸の内を明かされもした。都庁第1庁舎2階の書店では局地的なベストセラーになったものの、ある時期、店頭から本が消えた。カウンターで問い合わせると、レジの後ろからそっと取り出してくれたなどという話も聞いた。まるで発禁本の扱いである。
「築地と豊洲」が小池知事にとってそれほどの「破壊力」を持っていたとしたら、作者冥利に尽きるじゃないかとほくそ笑んだが、それで終わるわけがなかった。