<1>小池知事の逆鱗に触れると排除以外に生き延びる道なし
小池知事の逆鱗に1度触れた者は排除されるほかに生き延びる道はないのだ。これまでの経験則では、すぐには切り捨てず、しばらく生かしておいて、ほとぼりが冷めたころにバッサリというケースが多かった。私の場合、それは「都知事選が終わるまで」ということだったのだろう。
■人形の首を挿げ替えるような報復人事
さて、T副知事からの退任通告である。「個人の言活動と理事長の職を結び付けて処分されるのはおかしい」と食い下がる私に対して、T副知事は「いやいや、そういうことではなくて、常識ってことですよ」と言い放った。常識? 訳が分からない。「ですから、局長まで務めた人間が備えている社会常識、良識ですよ」。その後、何を聞いても「常識」の一点張りで埒が明かない。つまり私は非常識な人間だからクビになったということだ。
だが待てよ。私は盗撮を犯したのでも公金を横領したわけでもない。個人的に本を出版して週刊誌の取材に応じただけである。常識・非常識などという曖昧模糊とした理由で「クビ」を切られるなんて、「おいおい都庁はいつから国家安全法下の香港になったんだよ」と思わず心の中で叫んでしまった。と同時に、都庁官僚組織のケツの穴の小ささに呆れかえった。