八方塞（読み）はっぽうふさがり

〘名〙

① 陰陽道の占いで、どの方角も不吉で事を行なえないこと。

※琴のそら音（1905）〈夏目漱石〉「家を持つ時抔も鬼門だとか八方塞りだとか云って」

② 他人の援助や信用などをすっかり失ってしまっていること。どの方面にも障害があって手の打ちようがないこと。

※当世書生気質（1885‐86）〈坪内逍遙〉六「外へ出りゃア、八方(ハッパウ)ふさがり」