コンサルティング営業を行う体制を整えるため、法人オーナー領域はチーム制に移行させています。例えば、若手社員がお客様とのアポイント調整などの入り口段階を担当し、面談が決まれば経験豊富な中堅社員が確りとヒアリングする。そして不動産のニーズがあるなら、不動産に詳しい社員、税務関係に課題があるなら税務に詳しい社員が対応します。他にも「優良な企業に会社を買ってもらいたい」といったM&Aのニーズがあれば、本社の専門チームとも連携します。
このように複数人でお客様を担当しながら、主担当者は全てのミーティングに同席し、お客様側の立場に立って、お客様が抱くであろう疑問を先取りして専門家に投げかけ、サポートをします。お客様のお悩みも多様化しており、もし一人の担当者がお客様のご要望全てにお応えしようとしたら、勉強するだけで何十年もかかってしまいますが、チームで対応すれば、若い社員でもお客様に寄り添うことができます。一方でオンラインセミナーなどの新しい企画・アイディアについては、若い社員の方が得意であることもあります。それぞれが得意な能力を発揮することで、チーム全体のパフォーマンスを最大化する。それがチーム制です。
社員一人ひとりの強みを繋いで、何でも解決できる支店になるために、朝のミーティングでは、それぞれの得意分野を共有する時間を大事にしています。内容は金融サービスや経済の話題に限りません。スポーツ好きの社員なら世界的なスポーツ大会の注目競技や選手を紹介する。キャンプ好きの社員であれば最近見つけた便利なキャンプグッズを紹介する。宅配サービスのヘビーユーザーは、それぞれのサービスを比較して、おすすめを発表するといった具合です。世の中の動きや流行も全員で共有しながら、チーム力の向上に役立てています。
個々の向上心が高く、お互いに競い合いながら成長していく。野村證券はそういう会社であると思います。その一方で、社員の成長を周囲が手厚く支えていく文化もあります。私がここまで来られたのも、周りの助けがあったからこそです。例えば新入社員時代、私がお客様を訪問する時には、インストラクターや直属の課長が必ず付き添い、どんな些細な質問にも嫌な顔一つせず教えてくれました。特にインストラクターの先輩には、それまでの人生で接してきたどの先生よりも丁寧な教えを受けました。
思うような成果が出ない時、周囲の人に相談して回ると、「この資料を使ってみたらどうか」、「一緒に営業活動に行ってあげるよ」と助けてくれました。またマネジメントの立場になり、社員を上手くまとめられずに悩んでいた時は、支店を越えて話ができる内線電話、通称「横電」で、以前の支店の先輩や上司に悩み相談をしてアドバイスや励ましを得られたものです。
私が支店長になった時は、昇進を社内報で知った多くの先輩たちが喜んで連絡をくれました。中でも一番喜んでくれたのが、新人時代に私の面倒を見てくれたインストラクターの先輩でした。お世話になった方に喜んでもらえることで、私自身もまた背中を押してもらえた気がします。困っている人を決して見捨てず、頑張っている人を応援し、チームワークを大事にする。私にとって、それが野村證券という会社なのです。
新人の頃から私は、できないことや分からないことに対し、格好付けることなく、正直に助けを求めてきました。それは支店長になった今も変わりません。支店長が全ての業務を経験しているわけではないので、自分よりも詳しい社員がいれば素直に頼り、教えてもらうようにしています。だからこそ支店の社員にも、困った時はいつでも助けを求めるように伝えています。お互いが得手不得手のあることを認め合いながら、それぞれの強みを発揮する。皆で知恵を出し合って、お客様への良いご提案を模索する。次第にそうした雰囲気が支店の中に生まれてきているのを嬉しく感じています。
今度は、支店長にまで育てられた私が、次の世代に恩返しをする番です。支店には若手社員も多いので、仕事の楽しさや、やりがいを伝えて成長のサポートを、子育てをしながら働く社員に対しては、育児と仕事が両立できる職場環境をつくっていこうと考えています。人の成長がこんなにも嬉しいことだと気付くことができたのも、マネジメントの立場を経験させてもらったからこそだと感じています。今後はお世話になった会社をより良くして、お客様にもっと喜んでいただけるサービスを、これからもご提供し続けていきたいと思っています。