金剛薩埵の瞑想(ゲルグ派)
密教で本行の前の準備的修行として行う「前行」の中の一つで、懺悔による浄化のための代表的な瞑想法が「金剛薩埵の瞑想」です。
金剛薩埵の瞑想は、「準備の瞑想」、「因位の菩提道の瞑想」、「果位の菩提道の瞑想」から構成されます。
その最後では、「金剛薩埵の百字真言」を唱えながら「甘露降浄法」という観想法を行います。
とても複雑な観想法なので、その概要だけになりますが、紹介します。
「準備の瞑想」では、集会樹(師や如来などの尊格の集まり)を観想し、三宝に帰依をして菩提心を起こします。
つぎに、「因位の菩提道の瞑想」では、下記のように観想して誦句を唱えます。
ただし、密教の正式な灌頂を受けていないと、自分自身を金剛薩埵として観想できませんので、ここでは、自分は凡夫のままに、頭頂部分に金剛薩埵を観想する方法を紹介します。
自分の頭頂に次のように順次観想します。
まず、パム字があり、それが蓮華座に変化し、その中央にア字があり、そこから月環座を生成し、その上に白いフーム字があり、それが白い五鈷金剛杵に変化し、その真ん中に白いフーム字があります。
そして、金剛杵から光が放たれ、一切如来に供養を行い、一切衆生に光が当たり浄化します。
その光が自分に収斂して金剛杵とともに自分の中に溶け込みます。
次に、「果位の菩提道の瞑想」は次のように観想して誦句を唱えます。
自分の頭頂部分に、白いフーム字と金剛杵があり、それが明妃を抱いた白い金剛薩埵に変化します。
さらにその金剛薩埵の頭頂に法輪とオーム字、喉に蓮華座とアー字、心臓に白い月輪座、金剛杵とフーム字、その周りに白い百字真言の鬘(真言を輪状につなげたもの)があります。
フーム字から光が出て、4つの種子マントラを唱えて「智慧薩埵(イメージではない金剛薩埵の本体)」を招き、それが頭頂の金剛薩埵(のイメージ)に溶け込んで一体となります。
金剛薩埵のフーム字から光が放たれ、一切如来を五仏の姿で招き、それらに灌頂を祈願します。
五仏は甘露に満たされた瓶で金剛薩埵の頭頂から灌頂を与えます。
また、フーム字の廻りには百字真言の鬘を観想します。
次に、下記のように観想して誦句を唱えます。
自分の前に両親、後ろには敵、回りには一切衆生が取り巻いていて、皆が罪と苦しみを持っています。
金剛薩埵に全員の浄化を祈願すると、フーム字と百字真言の鬘から光が放たれ、一切衆生の罪が浄化され喜びに満ち溢れます。
金剛薩埵は先端に供養女達がいる光を放ち、十法の仏・菩薩達を供養することで、加持の力を白い光の形で招きます。
その光は金剛薩埵のフーム字と真言の鬘に溶け込んで、金剛薩埵は荘厳さを増します。
金剛薩埵に懺悔をすると、フーム字から光が放たれ、懺悔の念が供物に変化し、光の先の無数の金剛薩埵と供養女達が如来達を供養します。
それによって、如来達が喜び、罪障をなくす荘厳なる力が金剛薩埵の心臓に溶け込みます。
さらに、次のように観想して誦句を唱えます。
金剛薩埵が一切衆生一人ひとりに金剛薩埵を放ち、それぞれの頭頂から甘露を流して悪趣を浄化し、三学の修行によって金剛薩埵の境地を獲得させます。
金剛薩埵となった一切衆生から金剛薩埵が放たれ、自分の頭頂の金剛薩埵の心臓に溶け込み、さらに荘厳さを増して無上のものとなります。
そして、百字真言を唱えながら、「甘露降浄法」の観想をします。
これにはいくつかの方法があります。
「下降法」では、金剛薩埵から甘露が頭頂から降りてきて、罪障は灰液と墨汁のような黒いものとして、病は腐った血や膿として、霊的障害は蜘蛛や蠍、亀や魚として、身体の下部から放出すると観想します。
「上昇法」では、甘露が降りてきて足の裏にまで達し、そこに溜まって上へ上がり、悪い要素を上半身から排出すると観想します。
「蘊の法」では、甘露が光として放たれ、頭頂から身体内に入るやいなや、自分の内側に黒い暗黒としてあった罪障が自然となくなり明るくなると観想します。
「四灌頂下降法」では、下記のように観想します。
・金剛薩埵の心臓からの白い甘露が頭部のチャクラを満たし、身業を浄化します。
・赤い甘露が喉のチャクラを満たし、口業(煩悩)を浄化します。
・心臓のフーム字からの青い甘露が心臓のチャクラを満たし、意業(無知)を浄化します。
・まだら(金色)の甘露がへそのチャクラを満たし、三業に共通の罪を浄化します。
この4つの観想は、それぞれ「瓶灌頂」、「秘密灌頂」、「智慧灌頂」、「語句灌頂」という後期密教の4つの灌頂に対応します。
金剛薩埵の瞑想は、「準備の瞑想」、「因位の菩提道の瞑想」、「果位の菩提道の瞑想」から構成されます。
その最後では、「金剛薩埵の百字真言」を唱えながら「甘露降浄法」という観想法を行います。
とても複雑な観想法なので、その概要だけになりますが、紹介します。
「準備の瞑想」では、集会樹(師や如来などの尊格の集まり)を観想し、三宝に帰依をして菩提心を起こします。
つぎに、「因位の菩提道の瞑想」では、下記のように観想して誦句を唱えます。
ただし、密教の正式な灌頂を受けていないと、自分自身を金剛薩埵として観想できませんので、ここでは、自分は凡夫のままに、頭頂部分に金剛薩埵を観想する方法を紹介します。
自分の頭頂に次のように順次観想します。
まず、パム字があり、それが蓮華座に変化し、その中央にア字があり、そこから月環座を生成し、その上に白いフーム字があり、それが白い五鈷金剛杵に変化し、その真ん中に白いフーム字があります。
そして、金剛杵から光が放たれ、一切如来に供養を行い、一切衆生に光が当たり浄化します。
その光が自分に収斂して金剛杵とともに自分の中に溶け込みます。
次に、「果位の菩提道の瞑想」は次のように観想して誦句を唱えます。
自分の頭頂部分に、白いフーム字と金剛杵があり、それが明妃を抱いた白い金剛薩埵に変化します。
さらにその金剛薩埵の頭頂に法輪とオーム字、喉に蓮華座とアー字、心臓に白い月輪座、金剛杵とフーム字、その周りに白い百字真言の鬘(真言を輪状につなげたもの)があります。
フーム字から光が出て、4つの種子マントラを唱えて「智慧薩埵(イメージではない金剛薩埵の本体)」を招き、それが頭頂の金剛薩埵(のイメージ)に溶け込んで一体となります。
金剛薩埵のフーム字から光が放たれ、一切如来を五仏の姿で招き、それらに灌頂を祈願します。
五仏は甘露に満たされた瓶で金剛薩埵の頭頂から灌頂を与えます。
また、フーム字の廻りには百字真言の鬘を観想します。
次に、下記のように観想して誦句を唱えます。
自分の前に両親、後ろには敵、回りには一切衆生が取り巻いていて、皆が罪と苦しみを持っています。
金剛薩埵に全員の浄化を祈願すると、フーム字と百字真言の鬘から光が放たれ、一切衆生の罪が浄化され喜びに満ち溢れます。
金剛薩埵は先端に供養女達がいる光を放ち、十法の仏・菩薩達を供養することで、加持の力を白い光の形で招きます。
その光は金剛薩埵のフーム字と真言の鬘に溶け込んで、金剛薩埵は荘厳さを増します。
金剛薩埵に懺悔をすると、フーム字から光が放たれ、懺悔の念が供物に変化し、光の先の無数の金剛薩埵と供養女達が如来達を供養します。
それによって、如来達が喜び、罪障をなくす荘厳なる力が金剛薩埵の心臓に溶け込みます。
さらに、次のように観想して誦句を唱えます。
金剛薩埵が一切衆生一人ひとりに金剛薩埵を放ち、それぞれの頭頂から甘露を流して悪趣を浄化し、三学の修行によって金剛薩埵の境地を獲得させます。
金剛薩埵となった一切衆生から金剛薩埵が放たれ、自分の頭頂の金剛薩埵の心臓に溶け込み、さらに荘厳さを増して無上のものとなります。
そして、百字真言を唱えながら、「甘露降浄法」の観想をします。
これにはいくつかの方法があります。
「下降法」では、金剛薩埵から甘露が頭頂から降りてきて、罪障は灰液と墨汁のような黒いものとして、病は腐った血や膿として、霊的障害は蜘蛛や蠍、亀や魚として、身体の下部から放出すると観想します。
「上昇法」では、甘露が降りてきて足の裏にまで達し、そこに溜まって上へ上がり、悪い要素を上半身から排出すると観想します。
「蘊の法」では、甘露が光として放たれ、頭頂から身体内に入るやいなや、自分の内側に黒い暗黒としてあった罪障が自然となくなり明るくなると観想します。
「四灌頂下降法」では、下記のように観想します。
・金剛薩埵の心臓からの白い甘露が頭部のチャクラを満たし、身業を浄化します。
・赤い甘露が喉のチャクラを満たし、口業(煩悩)を浄化します。
・心臓のフーム字からの青い甘露が心臓のチャクラを満たし、意業(無知)を浄化します。
・まだら(金色)の甘露がへそのチャクラを満たし、三業に共通の罪を浄化します。
この4つの観想は、それぞれ「瓶灌頂」、「秘密灌頂」、「智慧灌頂」、「語句灌頂」という後期密教の4つの灌頂に対応します。