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2022.07.08まっすぐな性格は、演じていてスカッとします
沖縄・やんばる地域で生まれ育った四兄妹の、1972年の本土復帰からの歩みを描く、笑って泣ける家族の物語「ちむどんどん」。
今回は和彦(宮沢氷魚)の恋人・大野 愛を演じる、飯豊まりえさんが登場します。確固たる意思を持って仕事に励む彼女を、飯豊さんはどう捉えて演じているのでしょうか?
――今回は「まれ」(2015年度前期)以来の朝ドラ出演ですね。脚本を読んで感じた作品の魅力をお聞かせください。
朝ドラチームに帰ってくることができて、とてもうれしいです。「ちむどんどん」は大切な人とご飯を食べることの幸せを、しみじみと感じる作品。作中でいろんな沖縄料理が出てくるのも楽しいですよね。最近台本を読み返していたら沖縄料理を食べたくなり、ゴーヤーチャンプルーを作ってソーキそばを沖縄から取り寄せちゃいました(笑)。
――演じる大野愛は、飯豊さんから見てどんな人物ですか。
愛は優しくて、器用すぎる女の子。それゆえに、悔しいことがあっても笑顔でやり過ごし、摩擦やトラブルを避けているところがありますね。物語の舞台である1970年代は「仕事もいいけれど結婚して家庭に入ることも大事」という価値観が根強い時代でした。彼女はそうした中で、性別に関係なく活躍できる世の中になってほしいと思いながら、当時はまだ多くなかった女性新聞記者として頑張っています。「自分はこうなんだ!」というまっすぐさは、演じていてスカッとしますし共感する部分も多いですね。
そして愛の性格は、ファッションにも表れています。仕事中は周りに合わせたきれいめな服装ですが、プライベートでは派手なアクセサリーや柄物のアイテムを取り入れたコーディネートを楽しんでいて、そこに彼女なりの自分らしさを大切にする気持ちが込められていると感じますね。
――同僚であり恋人の和彦は、愛にとってどんな人だと感じていますか?
愛は和彦のうそがつけない人柄や、志が高いところが大好きなんです。和彦は「女性はこうあるべきだ」といった固定概念がない、この時代には珍しいタイプ。そういったところも一緒にいて心地よいのかもしれません。
――暢子(黒島結菜)と出会ったことで、和彦との関係は変化していきますよね。
3人で過ごしていると、自分よりも暢子といる和彦のほうがすてきに見える瞬間があったりして。それは彼女にとって、自分がこんなにも和彦のことが好きなんだと実感するきっかけになったのではないかと思います。台本を読みながら、愛の勘のよさと葛藤を感じて切なくなりました。
――そんな愛の気持ちを、どう捉えて演じましたか?
彼女の切ない思いを感じ取っていただきたかったので、あえて「また私に振り向いてくれるんじゃないか」という望みを持ちながら和彦と接するように意識していました。「もう私には気持ちがないんだ」という感情をあからさまに表現するのではなく、和彦といる時間を思いきり楽しむことで、彼とうまくかみ合ってない空気感を演出できたらと。
――暢子は愛にとって、どんな存在なのでしょうか。
気も合うし自分にないものを持っているので、いい友達であり憧れの人でもあると思います。なので和彦との関係においても、暢子に対して嫉妬や敵対心は全くないんですよ。だからこそ愛は思い悩むんでしょうね。3人の関係性が今後どうなっていくのか、皆さんにも見守っていただけたらと思います。