『Mizuno MONARCIDA FS MD vs asics DS LIGHT WB Compare』
今回はミズノのモナルシーダFSMDと、
アシックスのDSライトWBを比較します。
予備知識&価格差
『ミズノ モナルシーダ FS MD』
定価 7,020円
モナルシーダシリーズのエントリーモデル。
MADE IN INDONESIA(インドネシア製)
ミズノの大人用サッカースパイクの中で一番安いスパイクです。
FSはファーストステップの略。
『アシックス DSライト WB』
定価 6,696円
DSライトシリーズのエントリーモデル。
MADE IN INDONESIA(インドネシア製)
アシックスの大人用サッカースパイクの中で一番安いスパイクです。
WBはワイドビギナーの略。
価格面ではDSライトWBの方が324円安いですが、
まあ、どちらもリーズナブルな価格設定になっている練習用スパイクです。
どちらも耐久性に優れた人工皮革アッパー、ワイドラスト採用、耐摩耗ソール搭載で、
練習用スパイク&初心者向けスパイクという位置付けのモデルですが、
両者には微妙な違いがあるので、
今回は両者を徹底的に比較して違いを明らかにしていきたいと思います。
アッパーの素材・厚み
アッパーの素材はどちらも人工皮革を採用。
耐久性・耐水性を備えた丈夫な人工皮革アッパーです。
そんな中、アッパーの厚み・ソフトさには違いがあります。
モナルシーダFSMDはアッパーの厚みは標準的。
アッパーの内張りや裏材も標準的な物なので、
履き始めはやや硬さがありますが、
履き込むうちにアッパーが良い意味でヘタってきて、そこそこソフトになってくれます。
一方、DSライトWBのアッパーは厚みがあります。
アッパーの内張り・裏材もしっかりと採用されているため、
アッパーの耐久性・丈夫さ、全体のホールド感ではDSライトWBに軍配が上がります。
ただし、アッパーのソフトさではモナルシーダFSMDの方が優れています。
アッパー中足部・両サイド
アッパー中足部の素材にも人工皮革を採用。
アッパー中足部域の両サイドについても
モナルシーダFSMDはまあまあソフトな感触になっていて、
DSライトWBは両サイドをガッシリとホールドしてくれる堅実さがあります。
モナルシーダFSMDはアッパー両サイドはシンプルな人工皮革だけの配置。
両サイドのランバードラインはプリントデザイン。
中足部域は人工皮革が1枚配されていだけのシンプル設計。
両サイドに特筆すべきホールド感はありません。
DSライトWBはアッパー両サイドにもアッパー前足部と同じ人工皮革を採用。
さらに両サイドの内張りには布地の裏材が追加されていて、
中足部域のさらなる厚みと安定感を生み出しています。
そして、両サイドのタイガーラインには厚みのある人工皮革が縫い付けられています。
これによって、両サイドにも安定感があり、中足部のホールド感は良好。
幅広ワイドラスト
モナルシーダFSMDの前足部の横幅は広め(3E相当)
DSライトWBの前足部の横幅は広め(3E~4E程度)
どちらも幅広ワイドラスト採用ですが、
幅広具合には微妙な違いがあり、より幅広なのはDSライトWBの方です。
あと、見逃せないポイントなのは
DSライトWBは前足部は幅広設計ですが、
ヒール幅(履き口の横幅)はややスリムな設計になっているのがポイント。
前は幅広、カカトはしっかりホールドしてくれるラスト設計です。
モナルシーダFSMDはヒール幅は標準~やや広めの設計。
シュータンの違い
シューレースはどちらもセンター(中央)配置ですが、
シュータンには明確な違いがあります。
モナルシーダFSMDのシュータンは人工皮革1枚だけの薄型設計。
シンプルなショートタンです。
シュータンの裏面には裏材などはなくて、人工皮革のみ。
一方、DSライトWBのシュータンは
厚みのあるメッシュ素材のショートタンを採用。
かなり厚みがありつつ、材質はメッシュなのでフカフカです。
足の甲をソフトにガッシリと覆ってくれる感触です。
蹴り心地の違い
このシュータンの違いがインステップキック時のボールインパクト性、
蹴り心地の違いを生み出しています。
モナルシーダFSMDはアッパーはシンプルな人工皮革で、
シュータンも人工皮革だけの薄型設計。
インステップのボールインパクト時にはシュータンが邪魔になるようなことはなく、
シンプルにボールを捉えれる蹴り心地です。
DSライトWBはシュータン部分にかなりの厚みがあり、なおかつ、フカフカなので、
足の甲をボールインパクトの衝撃からガードしてくれる『足の保護性』は良好。
シュータンの厚み、フカフカさがボールインパクトの衝撃を和らげてくれますが、
この厚みに慣れる必要はあります。
ここは両者を選び分ける上でのポイントになります。
普通の人工皮革スパイクの蹴り心地なのはモナルシーダFSMD。
DSライトWBは初めてスパイクを履いてプレーする初心者の人にとっては
足に優しい設計と言えます。
カカトのフィット感、ホールド感
カカトのフィット感、ホールド感には違いがあります。
モナルシーダFSMDはヒールに内蔵されたヒールカップは普通の硬さ。
そしてヒール部分内側のヒールライニングにはメッシュ素材を採用。
スポンジが内蔵されたメッシュライニングが
カカトをソフトに包み込んでくれるフィット感。
ヒールカップは強固ではないのでカカトのホールド性はイマイチです。
そして、メッシュライニングによってサッカーソックスの材質との相性によっては
カカトがやや滑る現象が発生するのは留意すべき点です。
ただし、メッシュライニングはカカトの靴ズレが発生しにくいのはメリットとしてあります。
DSライトWBはヒール幅自体がややスリムな設計になっていて、
内蔵されているヒールカップは強固さがあり、
ヒール部分内側のヒールライニングは人工皮革素材。
カカトへしっかりと食いつくようなホールド感のあるフィット性になっていて、
もちろんカカトや履き口周りの安定感も良好です。
ただし、やや硬い質感が目立つので、人によってはカカトの靴ズレに注意が必要。
ヒールエリアにはどちらもメリット・デメリットがある印象なので、
ここも両者を選び分ける上でのポイントとなります。
中底&インソール
中底とインソールはどちらもシンプルな設計。
中底はどちらもフルレングスのシンプルな中底採用で
インソールも簡易型インソール採用。
インソールはどちらも取り外し可能です。
アウトソールの違い
アウトソールはどちらも土グラウンド・人工芝・天然芝対応。
耐久性・耐摩耗性に優れたソールプレート&スタッドです。
そんな中、耐久性・耐摩耗性・強度に優れているのはDSライトWBのソールです。
DSライトWBのアウトソールはとにかく頑丈。
ソールプレート自体にも厚みがあって、なおかつ、ソール中部のリブ構造も的確に配置されており、
ソール全体の剛性・強度・安定性は十分に確保されています。
モナルシーダFSMDのソールはモレリアNEOの軽量ソールと比べると、
耐久性や強度・耐摩耗性に優れていて練習用スパイクとして使えます。
ただし、DSライトWBと比べると、DSライトWBの方が耐久力はより優れています。
その根拠はソール全体の剛性・硬度の違いと、
実際に同期間履いてプレーしてみてのスタッドの削れ具合などを見てみての差です。
ただまあ、あくまでも両方を比べてみた時にDSライトWBの方がやや優れているだけで
モナルシーダFSMDのソールにもしっかりとした耐久力はあるので、
基本的には問題はありません。
スタッド数、スタッド配置の違い
モナルシーダFSMDは片足13本で、丸型スタッド採用。
DSライトWBは片足12本で、丸型スタッド採用。
モナルシーダFSMDの方がスタッドが1本多いのはポイント。
これはミズノとアシックスの違いでもあります。
ミズノはモレリア2やモレリアNEO、モナルシーダJPなどを筆頭に
丸型スタッドがメインのソールは
前足部の両サイドに4本+4本で、中央に1本の配置。
アシックスはDSライトシリーズやメナスシリーズなどは
ソール前部のアウトサイド側に4本+イン側に3本、中央に1本の配置です。
ここはミズノとアシックスで開発部門の考え方の違いや
突き上げ分析・コンセプトに違いがあるので、
どちらが良い悪いというよりかは
どっちが自分の足に合うか、しっくりくるかで選び分けるのが賢明。
単純に考えると、スタッド数が1本多い方が良さそうにみえますが、
拇指球下エリアの違いなのでそう単純な差異ではないので難しいところ。
分かりやすい違いとしては、
・ミズノの13本スタッドはソール前部の両サイドにバランスよくスタッドが配置されていることによるバランス感覚の良さ。
・アシックスの12本スタッドはイン側とアウト側でスタッド数が違うことでスタッドの抜けの良さ、踏ん張って拇指球で地面を蹴り出す際のグリップ度合い、
が両者のポイントになると思います。
重量の違い
モナルシーダFSMDの重量は片足230g(27cm)
DSライトWBの重量は片足252g(26.5cm)
両者の重量差は約22gです。
軽さではモナルシーダFSMDに軍配が上がります。
実際に履いてプレーしてみてもモナルシーダFSMDの方が軽い感覚はありました。
特に、DSライトWBはアッパーに厚みがあることでその重厚感が重量体感に影響している印象があったのは正直なところ。
この重量差も両者を選び分ける上でのポイントとなります。
DSライトWB vs モナルシーダFSMD 比較 まとめ
【まとめ】
モナルシーダFSMDとDSライトWBをとことん比べてみました。
ミズノとアシックスの最安スパイク同士の比較でしたが、
安いだけじゃなく、耐久性も両立していてまさに練習用スパイクに最適!
そんな中、両者には様々な違いがあり、どちらにも良いところと弱点があって、
正直、甲乙つけがたいスパイク比較になった印象です。
今回、とことん履き比べてみた結論と選び分け方としては・・・
モナルシーダFSMDは片足230gの軽さと耐久性を両立しているのが良さ。
試合用スパイクと練習用スパイクを履き分けながらローテーションして使用する場合、
練習用スパイクにモナルシーダFSMDがマッチしてくると思います。
通常、練習用スパイクから試合用スパイクに履き替えた時に
フィット感の違いや履き心地の違いなどの差が浮き彫りになる傾向がありますが、
モナルシーダFSMDならアッパーがシンプルで、違和感が少ない分、
その感覚の差というのをなるべく少なくできる印象がありました。
よって、試合用スパイクにモレリア2やモレリアNEO等を選び、
練習用スパイクにモナルシーダFSMD、という使い分けがベターだと思います。
DSライトWBは耐久力と頑丈さ・安定感が魅力。
アッパーもソールもとにかく頑丈で耐久性があり、
ソールの安定感やアッパー全体のホールド感・安定感も良好。
とにかく耐久性に優れた練習用スパイクが欲しい場合には
DSライトWBがマッチしてきます。
アッパーに厚みがあり、シュータンもフカフカで厚みがあるので、
ハードな練習の時にもしも足を踏まれたとしても
頑丈なアッパーが足をガードしてくれる保護性があるのも見逃せないポイントと言えます。
これが両方を履き比べてみた結果の結論と、私なりの選び分け方です。
・練習用スパイクと試合用スパイクを分ける
・スパイクをローテーションしながら履く
というのはスパイクを履いてサッカーをプレーしていく上で大事なポイントで、
スパイクをより長く使用できる可能性が高まるので、
自分にとってベストな練習用スパイクを見つけ出していくのもアリだと思います。
それではまた次回!Gracias. Adios!
コメント
コメント一覧 (21)
自分の足は幅広ゆえ履けるシューズが限られ、エントリーモデルを履く機会が多く大変興味深い内容でした
質問ですが、koheiさんはシューズの交換のタイミングはどのように決めていますか?
私は基本的にソールの磨耗具合で決めるのですが、アッパーが無事で磨耗具合が偏っていなければ躊躇ってしまいます
学生時代はソールがツルツルになるまで履くのが常識、1~2ヶ月でスパイクを交換するのは好ましくないという風潮がありましたので…
何かアドバイス等ありましたら、よろしくお願い致します
僕はメインの環境が土なのでローテーションできるように多くスパイクを買うのですが、
ace16.1・16.2・evopower1.3・2.3・DSライト2・DSライトWB・
モナルシーダjp・モナルシーダFSMD
とできるだけトップモデルとミドルモデルやテイクダウンモデルをシリーズで買うようにすることを心掛けているのですがこれを続ければいいでしょうか?
まだスパイクは買う予定はないのですが気になるので返信よろしくお願いします。(トップモデルは試合で使ってます)
長文失礼しました。
記事に関係ないのですが、ティエンポレジェンド6HG-Eのレビューの続きはやらないのでしょうか。FGの方も気になっていますのでレビューお願いしたいです!
あと、今自分は腰の骨を疲労骨折してるのですが、こうへいさんは大きなけがなどはしたことがありますか?
返信お願いします!
ティエンポレジェンド4も同じサイズ感で大丈夫でしょうか?
また、ナイキのポイントって変わんないんですか?笑
また、実店舗でオススメの店を教えてください。
僕の足型は、前足部が広く踵が狭いです。しかしほとんどのスパイクが前足部と踵の広さを連動させているため、足に合うスパイクがあまり見つかりません。今回の記事から、DSライトWBを候補に入れようと思っているのですが、他に僕のような足型に合いそうなスパイクをご存知でしたら教えて下さい。
○…多くスパイクを買うので、
✖…多くスパイクを買うのですが、
これでお願いします。すみませんでした。
シューズのフィッティングを前足部だけ気にされる方もいますが、カカトが合わなければ全く意味がありませんので、今回のようなカカトのフィッティングの差の指摘は良いなと思いました。ただ、カカトのフィッティングの微妙な差は、表現が難しいですよね。
こんばんは。いつもご覧頂きありがとうございます。
ご感想ありがとうございます!
中高の頃はスタッドが無くなるまで履ききっていましたが、
最近はどんどん新しいスパイクが出るので、
普段の練習や試合では数あるスパイクの中から
いろいろとローテーションして履いています。
まあ、一般的なサッカープレーヤーのスパイクの交換の目安としては
・スタッドがほとんどすり減ってグリップが効かなくなったとき
・アッパーに穴や破れが発生したとき
ですね。
あとはカンガルーレザー採用スパイクなどは
こだわりがある人は革が伸び過ぎてシューズ内で足が遊びだしたら新しいスパイクに替える人もいたりしますね。
まあ、それぞれお財布事情との兼ね合いもあるので一概にはいえませんが・・・。
いつもご覧頂きありがとうございます。
同じシリーズのトップモデルを試合用で
それと同じシリーズのミドルやテイクダウンを練習用にするやり方は
バッチリなやり方です!
そのやり方だと、試合用と練習用をできるだけスムーズに履き分けれるのでナイスです!
お久しぶりです。
ティエンポレジェンド6HG-Eのレビュー、遅くなり申し訳ありません。
2月中には掲載予定です。FGは結局履いていないのでHG-Eになります。
私は大学の時に左足首の靭帯をガッツリと怪我したのが唯一の大怪我です。
骨折は経験したことないです。
ナイキプレミアが25.5でジャストなら
ティエンポレジェンド4HG-Eも25.5cmでジャストだと思います。
ナイキのHGモデルはHG-VソールとHG-Eソールです、今後も。
普段スパイクやサルシューを買う時のお店は
サッカーショップKAMOやフタバスポーツです。
・都内ならサッカーショップKAMO
・埼玉ならフタバスポーツ
・関西ならキシスポがオススメです。
マジスタxフィナーレのICとTFは同じサイズでOKです。
縦のサイズ感はほぼ同じです。
いつもご覧頂きありがとうございます。
前足部が広めで、カカトがスリムなスパイクは
・DSライトWB
・DSライトWD2
・DSライト2ワイド
・アンブロ アクセレイターKL
などです。
土の練習用がマジスタ2なら
土の試合用はそのままマジスタシリーズか、
エース16.1、エース15.1などがいいと思います。
コメントありがとうございます。
スパイクはカカトも重要な要素ですからね。
今回のDSライトWBとモナルシーダFSMDは
足入れすれば、その違い、カカトの違いはすぐに分かる部分でしたが、
中には微妙な差のスパイクもあるので、
表現は難しい物もあったりしますね。
カモは近くにあるので行ってみたいと思います。