「年末年始の発熱」で慌てる人の“3つの間違い" 「抗原検査で陰性」ほど信用できないものはない
東洋経済オンライン / 2022年12月30日 11時0分
そもそも基礎疾患のない若者なら重症化リスクは低い。厚労省によれば60歳未満全体でも(基礎疾患を有する人を含めても)、2022年7〜8月の新型コロナの重症化率は0.01%、死亡率は0.00%だった。季節性インフルエンザでさえ、60歳未満の重症化率0.03%、死亡率0.01%だ。
多くの患者さんは、解熱鎮痛剤や、咳、鼻水などの症状を和らげる対症療法薬、あるいは葛根湯などの漢方薬を、症状や体質に合わせて適切に組み合わせれば用が足りる。大半は市販の風邪薬(総合感冒薬)でも間に合うくらいだ。
それが日々診療にあたる私の実感だし、発熱外来を設置し、新型コロナ診療に真摯に取り組んできた医師なら、私と大差ない意見に落ち着くのではないだろうか。
「あの医者は抗ウイルス薬を出してくれない」と文句が出るかもしれない。それでもこの年末年始に、手に入るまで医療機関をハシゴし続けるのは、お勧めしない。その元気があるなら、抗ウイルス薬はますます要らないはずだから。
間違い3:長引く発熱で受診せず、長引く咳で受診する
もちろん発症した段階で、
●65歳以上、基礎疾患がある、妊婦、子どものいずれかで、風邪に似た症状がある
●高熱が続く、息苦しい(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)等つらい症状がある
のどちらかの場合は、オンラインでもいいので発熱外来を受診していただきたい。
それ以外(主に13〜64歳で症状が軽く、重症化リスクの低い人)なら、まずは自宅で抗原検査をし、結果次第でオンライン受診を。症状が軽かったらいずれにしても市販薬で様子を見てもらえばいいだろう。これらの判断の目安と対処は、年末年始に限らない。
「でも、いつまで様子を見ればいいの?」と思われるかもしれない。もちろん、4〜5日で徐々に回復に向かい、1週間程度で症状がすっかりなくなってくれればいいのだが、そうはいかないこともある。
一番のポイントは「発熱」
一番のポイントは、やはり「発熱」が続いているかどうかだ。
発症から5〜6日経っても38℃を超える発熱がおさまらなかったら、家でじっと耐えている場合じゃない。迷わず受診しよう。細菌性肺炎を起こしているかもしれない。
ウイルス感染症が4〜5日を超えて長引くと、細菌感染症を合併しがちだ。細菌に対しては抗生物質の適切な使用がてきめんで、放っておくと悪化することのほうが多い。
だから38℃が続くなら、未受診の場合に限らず一度受診して自宅で療養していた場合でも、またコロナであれインフルであれ何であれ、再受診を。
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