「年末年始の発熱」で慌てる人の“3つの間違い" 「抗原検査で陰性」ほど信用できないものはない
東洋経済オンライン / 2022年12月30日 11時0分
実際つい先日も、「39℃の発熱で、喉がすごく痛い」という患者さんを調べたら、コロナ陰性で、思ったとおりインフルA型だった。また別の日に当院で抗原検査を1日に33件実施したところ、新型コロナ20件、インフルA型7件という結果だった。
インフルエンザがじわじわ増えているのは間違いない。そして長年患者さんを診てきた私でも、症状だけでは正直、新型コロナと見分けがつかない。特に今年流行し始めているインフルA香港型(H3N2)は、一般的に症状がつらく出る人が多い。
インフルエンザの簡易検査も、タイミングが早すぎると陽性が正しく出ない。国内の研究によれば、発症から半日未満では平均40%以下(17.3~64.3%)だが、丸2日以上待てば平均で約70%(47.1~86.8%)検出できる。
新型コロナ抗原検査とインフル簡易検査どちらも(同時検査キットでも)、最短2日目まで待って実施し、もし陰性ならさらに2日後にもう一度やろう。その間、風邪のような症状があるなら何であれ静養し、感染を広げないよう最大限配慮したい。
間違い2:抗ウイルス薬を求め、医療機関をはしごする
新型コロナでは(インフルエンザもそうなのだが)、今ある抗ウイルス薬を基礎疾患のない若い人に使うメリットはない。
2022年1月14日に特例承認されたファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」は、重症化の恐れのある12歳以上の患者が発症から5日以内に服用する。同社によれば、入院または死亡のリスクを88〜89%低下させるという。さらに最近の研究で、後遺症も減らせるとの結果が出た。
ところが、上記の数字は、ワクチンを打っていない人たちだけを対象にした場合だ。別の研究でワクチンを3回以上接種した人たちに投与した場合を調べたところ、入院または死亡の予防効果は、44%にとどまった。
しかも、未投与で重症化・死亡率が0.97%なのが、0.55%になります、というレベルの話だ。200人に投与して入院または死亡が2人から1人に減る勘定だから、薬剤費をラゲブリオの薬価の9万円程度とすると、入院または死亡を1人減らすのに1800万円かかることになる。
また、11月24日には塩野議製薬の「ゾコーバ」が軽症者にも使える初の国産新型コロナ治療薬として緊急承認され、話題となった。しかし、治癒までの期間が8日から7日に短縮されることが、それほど大きなメリットと言えるのか。大いに物議を醸している。
そもそも死亡率は低い
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