■「なんで流れ出たんだろう」 法改正後も海外流出止まらず

日本のブランド果物の代表格、シャインマスカット。今年もたわわに実りました。
種なしで皮ごと食べられる、おいしいぶどう。その開発に一番長くかかわったのが、日本大学の特任教授、山田昌彦さんです。国の研究所、農研機構につとめていました。

広島でプロジェクトが始まったのは、1973年。当時は、雨が多い日本でも栽培しやすいアメリカ産のデラウエアなどが広まる一方で・・・
雨に弱いヨーロッパ産のマスカットなどは、あまり出回っていませんでした。

ヨーロッパ産の甘味で、しかも栽培しやすいブドウを作れば、消費が拡大するはず。交配が始まりました。しかし・・・

日本大学 生物資源科学部 山田昌彦 特任教授「欧州ぶどうの味で、米国ぶどうのように栽培しやすい。しかも大きな粒でいうのは非常に確率が低い」
5年後には、大粒の安芸津21号が生まれますが、残念ながら、香りがいまいち。でもこれで開発にはずみがつきました。

そして、ようやく誕生したシャインマスカット。2006年に日本で品種登録されるまで、なんと33年がかりでした。
「今世紀最大のヒットじゃないかと思いましたね」

山田 特任教授「(農家の方に)シャイマスカットのおかげで一息つける、と言っていただきました」

ところが、2016年ごろのこと。中国や韓国でシャインマスカットが栽培されていることがわかったのです。
しかも、韓国産や中国産のものは、タイにまで輸出されていました。
タイ人「(中国産、韓国産の)いいところは値段です」「もともと日本のものだとわかっていますが(日本産じゃなくても)構いません」

日本産も売られてはいますが、韓国産、中国産は半額以下。これじゃあかないません。
開発当初、シャインマスカットの輸出は想定していなかったため、海外での品種登録をしなかったのです。

これにより、中国からとれるはずだったライセンス料、年間100億円もが消えたと、試算されています。
2020年、政府は法律を改正。登録品種の苗や種を、勝手に海外に持ち出せないようにしました。流出を監視するなどの、新たな組織の設立も急がれています。しかし、2022年、さらなる流出が発覚。
馳知事「誰がどうやって持ち出して、韓国で栽培をしたのか」

韓国でルビーロマンが栽培されていたのです。石川県がDNA鑑定をしたところ、本物と一致。流出が明らかになりました。
ルビーロマンは石川県が14年かけて開発。粒の大きさは巨峰の倍ほどもあります。一房平均1万円と高額ですが、2022年、過去最高の売り上げを達成。
コロナで療養中だった岸田総理も口にしました。
岸田総理「甘酸っぱい味で」

この時、官邸にいたこちらの男性。ルビーロマンの生産者団体の代表、大田昇さんです。
ルビーロマン研究会会長 大田昇さん「これ(枝)を切ってもって行かれても、増殖できるから」

枝1本あれば、栽培可能なぶどう。剪定した枝も細かく砕くなどして、流出を防ぐ努力を続けてきました。

大田さん「(韓国で)出たっていうのはやっぱり、ショックだった。僕らこんだけ管理してるのに、なんで流れ出たんだろう」
ところが、流出先は韓国だけにとどまらない可能性が・・・















