勉強法

行政書士試験の記述式とは?勉強法と必要な勉強時間・スケジュール

皆さん、こんにちは。アガルートアカデミー行政書士試験専任講師の相賀真理子です。

受験生の皆さんにとって、「記述どうしよう…」というのが共通のお悩みなんですよね。

そこで今回のコラムでは行政書士試験の肝となる「記述式問題」について、下記を中心にお話していきたいと思います。

①記述式ってどんなもの?
②記述式の勉強はいつから取りかかればいいの?

ぜひ参考にしてみてください。

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相賀真理子講師が解説!行政書士試験の記述式の解き方

アガルートアカデミー行政書士試験の相賀真理子講師が「自分に本当に解けるんだろうか」と不安になりがちな記述式問題の解き方、始めるタイミング、向き合い方までたっぷり語ります。

行政書士試験の記述式問題とは?

どうして、受験生の皆さんが記述式についてお悩みをお抱えなのか。

それは問題数と配点に秘密があります。

行政書士試験の問題は合計60問です。

行政書士試験・科目別配点

配点で見てみると択一問題が1問4点という中で44問・45問・46問の記述式3問だけ、1問20点という高得点ゾーンとなります。

ですから、記述式問題だけでマックス60点も稼ぐことができ、これは択一問題でいうと、15問分にあたるということになります。

つまりここで点数がとれるかどうかということが、合否に影響を与えることになります。

記述式問題は、問題文を読み、指定された文字数に従って解答を文章で記入する形式の問題です。
択一式問題の場合、選択肢の中から解答を選ぶためまぐれで正解することもありますが、記述式問題の場合には曖昧な知識では正解することはできません
ただし、部分点はもらえると考えられており、完璧な解答はできなくても、一部でも分かっている内容を記入すれば部分点をもらえる可能性があります。

記述式問題は3問出題されますが、科目でいうと行政法から1問・民法から2問出題されます。

そこそこの長文の問を読ませる形式で、その問に対し、15字×3行=トータル45文字の枠の中で解答していくというシステムです。

①「事例型問題」
②「条文知識問題」

が出題の典型例です。

具体的な例が出される①「事例型問題形式」の場合、事例を分析しながら、

  • 今、何が起きているのか
  • この問題は何がテーマで聞かれているのか
  • 問題作成者が何をキーワードに書いてほしいのか

を頭の中で考えなければなりません。

これはそれなりのスキルが必要です。

②の「条文知識問題」では、条文の内容を一部問題文に示して、残りの条文を書け、というように、条文知識をストレートに聞く、という実にシンプルな形式なものもあります。

【記述式問題】行政法・民法の特徴と対策

記述式問題の行政法と民法の特徴と対策について解説いたします。

行政法の記述式問題

行政法の記述式問題の特徴として、問題文の条件の設定が複雑で分かりにくいという点が挙げられます。

問われる内容自体はそれほど難しくない場合が多く、問題文の状況設定を正しく理解できるかどうかが正解を導き出すポイントとなります。

早とちりすることなく、冷静に問題文を読み解く必要があります。
そのためには、問題の設定を整理するために、自分なりの関係図を余白に作図することなども有効です。

行政法は出題範囲が広く、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、地方自治法など様々な分野からの知識を問われる可能性があります。

どの分野から出題されても解答できるように、重要な条文や判例はもれることなくしっかりと知識を定着させ、自分で説明できるレベルまで知識を高めておかなければなりません。

過去に繰り返し出題されている重要論点については、特に念入りに対策を行う必要があります。

そして、問題文を正確に読み取り、文章の枠組みを考えて、必要な語句をそこに当てはめて40字程度にまとめていく作業をコツコツと練習しましょう。

民法の記述式問題

民法の記述式問題の特徴として、問題文が長文となります。
そのため、問題文を正確に理解するための読解力が求められます。

そのうえで、この問題で問われているのは、どの条文や判例についてなのかを判断しなければなりません。
そして、それを約40文字の文章にまとめるという高度な作業を求められます。

あやふやな知識では歯が立たず、条文や判例を正しく理解、記憶していなければ解答ができないため、重要な条文や判例は繰り返し頭に叩き込み、知識をしっかりと定着させておく必要があります。

また、近年の傾向として、債権の分野からの出題が多いのも特徴です。
債権の分野は、2020年の民法改正の影響を受けているため、改正点も意識して正確な知識を身に付けておきましょう

古いテキストや過去問題集などを使用していると、改正点をカバーできていない可能性があるため、必ず最新のテキストなどを使用して学習することが大切です。

なお、民法の記述式問題では、時々受験生泣かせの超難問が1問出題される場合があります。
そのような場合もパニックにならず、解答できそうなもう1問をしっかりと解答すれば合格点に達することができるので大丈夫です。
冷静に落ち着いて対処することが大切です。

行政書士記述式問題の対策のポイント

記述式問題対策全体のポイントをご紹介します。

過去問を繰り返そう

実際にどのような問題が出題されるのかを知るには、過去問を解くのが一番です。
実際に手を動かして、解答を書く作業をしましょう。

理解しているつもりでも、いざ文章にしようとすると意外と難しいことを実感するかもしれません。
記述式問題に関しては、必ず実際に自分の手を使って書く訓練が重要です。

過去問を解くことは、どのような分野から出題されるかの傾向を掴むことができることに加え、問題文がどのような形式で、どのような問われ方をするのかといった問題文の特徴などを把握することにもつながり、とても大切です。

読解力を身に付けよう

記述式問題を解くための重要なポイントが、読解力です。

長文であったり設定が複雑だったりする問題文を正確に読み取り、何を解答すればよいのかを理解できなければ、いくら知識があっても正しい答えを導き出すことはできません。

問題文の設定を自分なりに図にして整理する訓練や、長文読解するために文章を正確に読み解く練習を繰り返すなど、地道な努力が必要です。

読解力は一朝一夕で身につくものではありませんので、コツコツと取り組むことが大切です。慣れてくると、自然と長文や複雑な文章も無理なく読解できる力が徐々に身についてきます。

文字数を上手くまとめるコツ

記述式問題には制限文字数があり、その中で必要な情報を網羅した解答文を作らなければなりません

文字数を上手くまとめるためには、まずは、この問題文では何について問われているのか、どの条文、判例、学説について触れる必要があるのかを頭の中で整理します。
そして、文章の枠組みを考え、そこに必要なキーワード、情報を当てはめていきましょう。

問題によっては、①何に該当し②誰に対して③どのようなことをするのか?というような、適格な指示がある場合もあるので、問われていることを対し要件に当てはまるように答える練習をするとよいでしょう。

美しい文章である必要はなく、必要な情報が入っていて、文章として成り立っていれば大丈夫です。
制限文字数の範囲内でその作業を行う練習を繰り返し行います。繰り返し練習しているうちに、文字数の感覚も自然と身についてくるでしょう。

注意点2つ…誤字脱字・パニックに気を付ける

記述式問題の注意点がいくつかあります。

まず1つ目は、誤字脱字や漢字ミスに気を付けることです。

誤字脱字や漢字ミスは減点の対象となります。
せっかく解答がわかっているのに、誤字脱字をするのはとてももったいないことです。
解答を記入した後、自分の文章を冷静に読み直して、誤字脱字チェックは念入りに行いましょう。
誤字脱字を防ぐためには、日ごろから文章を実際に自分で書くことが有効です。
パソコン入力ばかりしていると、自分で簡単な漢字を書くこともできなくなってしまうので注意が必要です。
普段から重要キーワードは漢字で書けるように練習しておくとよいでしょう

2つ目は、パニックにならないことです。

試験の本番では、誰もが緊張しており、平常心であればしっかりと読解できる問題文を読解できなかったり、少しでも分からない内容を問われるとパニックになってしまったりします。

記述式問題ではたまに超難問が出ることもあり、それにより動揺してしまう場合もあるでしょう。

しかし、行政書士試験は全問正解しなければいけない試験ではありません
気持ちを落ち着かせて、得点できるところから冷静に解いて行けば大丈夫です。

記述式問題は、部分点をもらえる可能性があるため、少しでも分かることがあればわかる範囲内で落ち着いて記入することが大切です。
分からなくても文字数に合うように『文章化』する練習(途中で投げ出さないで、最後の句読点もつけて文章を終わらせる練習をする)をしてみてください。

記述式対策を本格的に始めるタイミングは?

それでは、記述式問題に対してご質問が多い「いつから記述対策をやればいいのか?」についてお答えします。

これはやはり、行政法・民法のインプットが一通り終わった後がベストです。また、一通り5肢択一式の学習が終ったゴールデンウイークあたりがよいでしょう。

分野分野で(一通り終わっていない時に)、単元ごとにそれに付随する記述式問題を見てもらってももちろん良いのですが、これは心臓に毛の生えた人にしかオススメできません。

なぜかというと初めて記述式問題を見たとき、大抵の皆さんがこう思うからです。

「こんなの書けるはずがない」と。

それでくじけて、試験を諦めてしまうようなことがあっては本末転倒です。

ですから、インプットを一通りやって、大筋をつかんだ後、過去問演習と並行して「記述対策」に取りかかることを推奨します。

でも本当は、「テキストを漫然と勉強していても記述で書けるようにはならない!大事なキーワードはもっとしっかり一言一句に目を配らないと!」というように、早めにフラグを立てるためにも、記述式問題へのアレルギーをなくすためにも、見てみたいって思うタイミングで触れていただくことを私はおすすめします。

あくまで、「解く」ではなく「見る」です。

記述式対策に必要な勉強時間は1日30分

択一の対策がそのまま記述対策にも直結しますので勉強への可処分時間の中でのご相談になりますが、1日30分と時間を決めて記述対策をやるのがいいですね。

おすすめなのが、10ミリの「ジャポニカ学習帳」の方眼ノートです。

小学生が使うものですが1行15マスになっていてそれを3行使えばそのまま解答用紙になります(なっていないものもありますので文具店で確認してくださいね)。

いちいち解答用紙を作る手間が省けますよ!

思わぬところで、基礎的な漢字が書けなかったり、キーワードを文章化することの難しさを感じることになると思いますが、それも大事な「気づき」です。

とにかく択一対策と同時に「手を動かして実際に記述する」という練習を毎日、短時間でもいいので、重ねていきましょう。

遅くても試験2ヶ月前からは問題をとき始めよう

行政書士試験が11月なので遅くとも試験2ヶ月前の9月には記述対策練習をはじめたいですね。

択一対策は記述対策に、記述対策は択一対策に、相互で実力を伸ばす結果をもたらします。

今書けなくても焦らないでください。

模擬試験で書けなくても焦らないでください。

本試験当日に書けるようになればいいだけの話です。

とにかく、択一対策をしっかりやりながら覚えるべきものを覚え、大事な分野について要件と効果をしっかりいえるようになりましょう。

行政法は、行政事件訴訟法からの出題が多いです。

時間のない人は、行政法の対策は行政事件訴訟法を中心に取り組んでください。

直前期は、合理的に勉強をすすめるためにも各予備校でリリースしている記述対策などを受講するのも作戦の一つですよ。

がんばってくださいね!

関連コラム:行政書士は独学でも合格可能!勉強時間&効果的な勉強法とは?

受講生の合格率42.14% 全国平均の3.77倍

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この記事の監修者 相賀 真理子 講師

北海道放送・テレビ神奈川の元アナウンサー。

家業の不動産業にも深く関わり、現在、不動産専門行政書士としても活動中。

元アナウンサーの表現力で「つまらない・わかりづらい」を「面白い・聴きやすい」に変え、最小の努力でしっかり合格を目指す「リケ女ならではの」合理的な講座を提供します。

Twitter:@marikoaiga
ブログ:相賀 真理子のブログ

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