世界中の誰もが不可能といい続けた事を成功させた天野教授は、まさしく賞賛に値すると思うのだが御本人はいたって謙虚である。
ノーベル賞を受賞した3人のうち、他の二人は受賞して当然だと思っていたが、まさか自分までとは思わなかったと言っていたが、素人から見ると天野教授が一番凄いように見える。(笑)
この成功の陰には修行者にも似た、天野教授の研究に取り組む姿勢があるように思える。
実験がただ楽しいと思えるだけの喜覚支の完成。
これが結果を求めない心の働きを生む。
結果を求めないとは、見返りを求めないということである。
全ては心の働きである。
ヴァジラヤーナにおける結果とは、心の働きがどうなるのかということであり、見返りを求めず全力を尽くす心の働きが結果と結びつく。
これはまた、生起と究境ともかかわってくる。
普通の人生を送っていれば、努力と結果の間に因果関係が無いことは理解できると思う。
ここで言っているのは「普通の人生」であって、「普通に人生」ではない。
勘違いする人がいるかもしれないので念のため。
努力が生起であり、結果が究境である。
努力が自力であり、結果が他力である。
本人が間違った努力をし続けているのを、正しい方向へと導かれるのだ。
まさしくサマディへと導かれるのと同じプロセスだ。