司法書士になるには、私たちはどんなことをしなければならないでしょうか。
もしかして、「司法書士試験に合格すればいいんでしょ?」と思っていませんか?
実は、司法書士試験に合格するだけでは「司法書士」として業務をスタートさせることはできません。
当記事では、「司法書士になるには」と題して、司法書士になるまでのルートについてお話していきます。
効率よく司法書士を目指すにあたって、まずは正しいルートを知っておくこととしましょう。
関連コラム:司法書士とは?どんな資格なのか基本情報と仕事内容を解説
受講生合格率は17.8% 全国平均の3.43倍
資料請求で無料プレゼント!
・サンプル(お試し版)テキスト
・サンプル講義動画:民法(総則)20時間分
2分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)!
司法書士になる方法は2つ
登記に関する業務のエキスパートである司法書士ですが、司法書士になるには、大きく分けて2つのルートが存在します。
①司法書士試験に合格するルート
②裁判所事務官や裁判所書記官、法務事務官、検察事務官として一定の期間従事し、法務大臣から認定を受けるルート
①は、司法書士試験に合格し、新人研修等を経て司法書士になるルートです。
司法書士を目指す方のほとんどが選択するルートです。
これに対して、②は、裁判所事務官等の仕事をしてきた方が司法書士に転職する際に検討するルートです。
こちらのルートは、裁判所事務官等一部の公務員に限られ、しかも一定の期間勤める必要があります。
公務員試験には年齢制限もありますから、これから司法書士を目指すという方にとって、こちらのルートはあまり現実的ではないかもしれません。
試験に合格して司法書士になる手順
ここでは、ほとんどの方が選択する「試験に合格して司法書士になる手順」を紹介していきます。
試験に合格する
司法書士になるには、まずは試験に合格する必要があります。
そして試験に合格した後、「新人研修」と呼ばれる研修を受講することとなります。
新人研修を受講する
「新人研修」は、「中央研修」「ブロック研修」「司法書士会研修」の3つの研修で成り立っています。
中央研修
中央研修は、12月初旬から1月中旬までにかけて実施される「前期日程」と、1月下旬に実施される「後期日程」があります。
まず前期日程は、パソコン等から受講することができる「eラーニング研修」です。
開催の時期は地域ごとに異なり、それぞれ決められた期間内に受講することとなります。
次に後期日程です。
後期日程は、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の全部で8ブロックの8つの会場にそれぞれ集まり、講義を受けるので「集合研修」と呼ばれています。
ブロック研修
ブロック研修は、各司法書士協議会によって行われる研修です。
ブロック研修でも、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の8ブロックに分かれることになります。
なお日程はブロックによって異なります。
司法書士会研修
司法書士会研修は、各都府県の司法書士会と北海道の4つの司法書士会(札幌・函館・旭川・釧路)が実施する研修です。
司法書士会研修は「配属研修」と呼ばれることもあります。
司法書士事務所の一員として勤務し、実際に現場の業務を体験しながら実務を学ぶことになります。
なお実施時期は各司法書士会によって異なります。
以上が「新人研修」の内容です。
日本司法書士連合会に登録の申請をする
新人研修が修了した後、各都道府県の司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に登録の申請を行います。
登録の申請をする際は、戸籍謄本や身分証明書など必要な書類も併せて提出する必要がありますので、書類に不備がないか等はしっかりと確認しましょう。
登録手続が完了すれば、無事「司法書士」として業務を開始することができます!
関連コラム:司法書士の登録にかかる費用は?入会金や年会費を解説
認定司法書士を目指す場合
なお、認定司法書士と呼ばれる簡易裁判所で行われる訴訟案件の代理業務を行うための権限(訴訟代理権)を持つ司法書士になるための「特別研修」という研修もあります。
「特別研修」は、簡易裁判所で訴訟案件を担当するうえで必要となる実務や知識、技能を学ぶための研修です。
法務省が認定する司法書士(認定司法書士)になるために受講します。
特別研修の日程は、例年1月から3月上旬にかけて行われます。
この研修を無事完了させ、例年6月上旬ごろに実施される認定司法書士になるための試験(簡裁訴訟代理等能力認定考査、通称「認定考査」)に合格し、ようやく認定司法書士になることができます。
なお、認定考査が行われる頃というのは、通常ですと司法書士事務所に勤め始める頃ですので、受験する場合はきちんと責任者の方に伝えておきましょう。
まとめ
今回は、「司法書士になるには」ということをテーマにお伝えしました。
司法書士になるには、試験に合格するだけでなく、新人研修など各種の研修を受講する必要があり、時間も手間もかかります。
今のうちに司法書士になるためのルートをしっかりと把握しておいて、試験に合格した後に慌てるなんてことがないようにしておきましょう。