威厳
米国アラスカ州アリューシャン列島のハクトウワシ。数日間降り続いた雨のせいで、いつもの威厳はやや影を潜めているように見える。ナショナル ジオグラフィックの写真家クラウス・ニガが、同誌2015年1月号のために撮影した1枚。
ハクトウワシは200年以上前から、米国のシンボルとなってきた。20世紀には乱獲と農薬のせいで大きく数を減らしたが、政府の保護プログラムが功を奏し、今では個体数を回復している。米国魚類野生生物局は8年前、ハクトウワシを絶滅危惧種のリストから除外した。
鷹狩
1939年、カリフォルニア州に住むジュール・マニックスと夫のダンは、ハクトウワシ「アギラ」を購入し、アギラがヘビやイグアナを狩れるよう訓練した。写真は、鷹狩り用の手袋を着けたジュールがアギラを呼んでいるところ。1962年、ハクトウワシ・イヌワシ保護法により、米国内で娯楽としての鷹狩りにハクトウワシを使用することが禁じられた。
野生を目指して
オクラホマ州にあるジョージ・ミクシュ・サットン鳥類研究所。屋内で育てたハクトウワシのヒナを飼育小屋に移す。低い気温に慣らし、他のヒナと交流させるのが目的だ。
この写真がナショナル ジオグラフィック誌に掲載された1992年当時、ハクトウワシはまだ絶滅危惧種に指定されていた。個体数が回復したのは、こうした保護プログラムのおかげだ。
自己主張
鳴き声をあげるアリューシャン列島のハクトウワシ。米国では20世紀に長い間絶滅危惧種とされていたハクトウワシだが、アラスカでは十分な個体数を保っていた。
会合
英語で動物の群れといえば「フロック(flock)」が一般的だが、ワシの群れは「カンヴォケーション(convocation)」と呼ばれる。写真は、木の梢に集まるカナダ・ブリティッシュコロンビア州のワシ。
狙いを定めて
アラスカ州カチェマック湾で獲物を狙うハクトウワシ。
ハクトウワシの主食は魚と腐肉だが、19世紀から20世紀初頭の米国の農民は、彼らが家畜を食べると信じていた。こうした誤解が、ハクトウワシの数が減った一因でもある。家畜に近づいたワシは、農民たちに撃ち殺されたのだ。
今日の収穫
獲物をとらえて飛び去るハクトウワシ。アラスカ州カチェマック湾。
集合写真
雪に覆われた防波堤に集まるハクトウワシ。アラスカ州カチェマック湾。
復活
写真は2002年7月、ハクトウワシの復活に関するナショナル ジオグラフィック誌の記事に登場したアラスカのハクトウワシ。
米国では1940年にハクトウワシを殺したり、傷つけたりすることを禁じる法律が成立したが、DDT(殺虫剤)の使用が原因で、その後も生息数は減り続けた。国がDDTの使用を禁止してから30年が経ったこの年、ハクトウワシはようやく復活を遂げた。
親子
巣で鳴き声をあげるアラスカ州アリューシャン列島のハクトウワシ。ハクトウワシは、毎年同じ巣に戻ってきて巣の拡張工事をし、その大きさは幅3メートル、重さ500キロにもなる。
羽を広げて
急襲を仕掛ける、アリューシャン列島の若いハクトウワシ。
完璧な1枚
2015年1月号のナショナル ジオグラフィック誌で、クラウス・ニガはこう書いている。ハクトウワシを狙う写真家たちは、「美しく整った翼を広げて大空を舞う雄大な姿をとらえようとレンズを向けることが多い」。まさにその言葉通りの1枚と言えるのが、アラスカ州ヘインズの空を飛ぶ2羽をとらえたこの写真だろう。
冬景色の中で
木の枝に止まるアラスカのハクトウワシ。
海を見つめる
アラスカ州ホーマーの海辺に集うハクトウワシの群れ。
視線の先に
高い枝から下にある何かをじっと見つめるハクトウワシ。アラスカ州ホーマー。