ディメンションと指標とは、ウェブサイトまたはアプリから収集されたデータポイントです。Google アナリティクスでは、自動収集イベントと拡張計測機能で収集されるイベントのディメンションと指標、推奨イベントの既定のパラメータを利用可能です。
ウェブサイトまたはアプリから追加のデータを収集する際、そのデータを確認するためのディメンションまたは指標が Google アナリティクスにない場合は、カスタム ディメンションまたはカスタム指標を作成できます。
例
ユーザーがウェブサイトの記事を読んだときに、次のイベントが送信されるとします。イベントには、著者名、記事のタイトル、ページ数が含まれています。
gtag('event','read_article', {
"author":"佐藤清",
"title":"バックパックを自作する方法",
"number_of_pages":2,
});
この場合、author
パラメータから値を取得するイベント スコープの Author ディメンションと、number_of_pages
パラメータから値を取得するイベント スコープの Article_Length 指標を作成できます。
スコープ
カスタム ディメンションには、次のスコープのいずれかを設定できます。
- ユーザー スコープのカスタム ディメンションを作成すると、ユーザーの職業や好きなスポーツチームなど、ユーザーの静的な(すぐには変わらない)属性を指定できます。
- イベント スコープのカスタム ディメンションを作成すると、ウェブサイトまたはアプリでユーザーが行うアクションを指定できます。上記の例では、「Author」ディメンションにイベント スコープが設定されています。
- アイテム スコープのカスタム ディメンションを作成すると、e コマース イベントに含まれる 1 つ以上のアイテムを指定できます。たとえば、e コマース イベントのアイテムの色として、
item_color
というアイテム スコープのカスタム ディメンションを作成できます。
カスタム指標には、常にイベント スコープが設定されます。
上限
カスタム ディメンションまたはカスタム指標の数が上限に達しており、新たに作成する必要がある場合は、使用していないものをアーカイブします。
アイテム | 標準プロパティの上限 | アナリティクス 360 プロパティの上限 |
---|---|---|
イベント スコープのカスタム ディメンション | 50 | 125 |
ユーザー スコープのカスタム ディメンション | 25 | 100 |
すべてのカスタム指標 | 50 | 125 |
作成したカスタム ディメンションとカスタム指標の数を確認するには:
- 左側にある [管理] をクリックします。
- [プロパティ] 列で [カスタム定義] をクリックします。
- 右上にある [割り当て情報] をクリックします。
ユーザー属性情報と組み合わせた場合、一部のカスタム ディメンションはレポートに表示されません。ユーザー属性データを使ったカスタム ディメンションをリクエストする場合、しきい値の制限や互換性の問題が発生することがあります。
カスタム ディメンションとカスタム指標のベスト プラクティス
カスタム ディメンションやカスタム指標を作成する前に、アナリティクスでデフォルトで入力されるディメンションと指標を使用できないかご検討ください。
標準の Google アナリティクス 4 プロパティを使用している場合は、不要な高基数のカスタム ディメンションは作成しないでください。不要な高基数ディメンションを作成すると、レポートに悪影響が生じ、データが「(other)」行に集約される可能性があります。
高基数ディメンションが作成される原因となる例(許可されない例または避けるべき例)を以下に示します。
- 各ユーザーの一意の ID に対してカスタム ディメンションを使用している(代わりに User-ID 機能を使用してください)。
- 詳しくは、ユーザー ID をカスタム ディメンションとして登録せずにユーザー ID のユースケースに対応する方法をご確認ください。
- カスタム ディメンションを使用して、セッションごとに一意の ID(セッション ID など)を送信している
- カスタム ディメンションとしてタイムスタンプを送信している
最後に、事前定義済みディメンションのパラメータ(ページおよびスクリーンの各ディメンション、取引 ID など)にカスタム ディメンションを登録することはおすすめしません。登録しても基数には影響しませんが、カスタム ディメンションのいずれかの割り当てをすべて消費してしまう恐れがあります。GA4 でカスタム ディメンションを使用する前に、事前定義済みディメンションのオプションをよくご確認ください。
カスタム ディメンションを作成する
カスタム ディメンションを作成するには、編集者のロールが必要です。
- 左側にある [管理] をクリックします。
- [プロパティ] 列で [カスタム定義] をクリックします。
- [カスタム ディメンション] をクリックします。
- カスタム ディメンションの名前を入力します。
ディメンション名にハイフンは使用できませんが、代わりにアンダースコアとスペースを使用できます。
- カスタム ディメンションのスコープを選択します。詳細
- カスタム ディメンションの説明を入力します。
- リストからイベント パラメータまたはユーザー プロパティを選択するか、今後収集するイベント パラメータまたはユーザー プロパティの名前を入力します。
- [保存] をクリックします。
最初の 48 時間はカスタム ディメンションに対して「(未設定)」という値が表示されます。
カスタム指標を作成する
カスタム指標を作成するには、編集者のロールが必要です。
- 左側にある [管理] をクリックします。
- [プロパティ] 列で [カスタム定義] をクリックします。
- [カスタム指標] をクリックします。
- カスタム指標の名前を入力します。
指標名にハイフンは使用できませんが、代わりにアンダースコアとスペースを使用できます。
- カスタム ディメンションの説明を入力します。
- リストからイベント パラメータを選択するか、今後収集するパラメータの名前を入力します。
- プルダウン メニューから測定単位を選択します。測定単位として [通貨] を選択する場合は、さらに [データタイプ] で費用や収益の指標としてカスタム指標を特定する必要もあります。費用や収益の指標としてカスタム指標を指定する場合は、ユーザーのロールを設定することで、そのカスタム指標へのアクセスを制限できます。
- [保存] をクリックします。
カスタム指標にデータが入力されるまでには、24~48 時間程度かかることがあります。
カスタム ディメンションとカスタム指標を編集する
カスタム ディメンションとカスタム指標を編集するには、編集者のロールが必要です。
- 左側にある [管理] をクリックします。
- [プロパティ] 列で [カスタム定義] をクリックします。
- ディメンションまたは指標の行で、
> [編集] をクリックします。
- 必要な変更を加えたら、[保存] をクリックします。
カスタム パラメータ レポートのサポート終了
イベント スコープのカスタム ディメンションとカスタム指標では、パラメータの識別がプロパティ全体のディメンションと指標を対象に行われるため、1 つのパラメータに基づいて 1 つのディメンションまたは指標を作成し、イベントの数に関係なく、そのパラメータについてレポートできます。従来のカスタム パラメータ レポートでは、パラメータはイベントごとに識別されていました。そのため、5 つのイベントに対して 1 つのパラメータをレポートする場合、カスタム ディメンションとカスタム指標の 100 個の割り当てのうち 5 個を使用する必要がありました。
カスタム パラメータ レポートのサポート終了に伴い、アナリティクスでは過去のイベント スコープの集計が保持されています。新しい集計では、過去のデータがシームレスに拡張されます。1 つのパラメータが複数のイベントに対して登録された場合に区別しやすくなるよう、アナリティクスでは各ディメンション / 指標の名前に現在割り当てられているイベント名が含まれます(例: 「custom_dimension_name [event_name]」など)。
複数のイベントに登録され、重複しているカスタム ディメンションおよびカスタム指標は、使用数上限への影響を避けるため削除することをおすすめします。
ユーザー スコープのカスタム ディメンションを使用すると、「スロット」を考慮する手間が省けます。ユーザー プロパティがユーザー スコープのカスタム ディメンションのスロットのエイリアスとなるため、従来のように各データポイントをランダムなスロット番号と紐付ける必要はなく、意味のある名前が付いたデータポイントをトラッキングすることに集中できます。