インデックス投資全般, 投資信託あれこれ

個別株 → 投資信託 → インデックスファンドと、投資の間口が広がってきたこの50年

2022年12月25日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

その昔、
米国のファイナンシャルプランナーの大会に参加したことがあります。

 

金融業界のさまざまな会社が
「ブース」を出していたのですが、

ある運用会社のブースの前で、
年配の女性が手持ち無沙汰で立っていたので、

(その人は
森光子さんをグレイヘアにしたような女性でした。)

 

 

 

 

わたしはその人としばらく立ち話をしました。

話の流れの中で、
わたしはこう言いました。

 

 

日本では
インデックスファンドがまだまだマイナーなのです。
正直、「マニア」の中で広がっている特殊な投資スタイル、という位置づけです。アメリカの現状が羨ましいです。

 

 

するとその森光子風の人は、

「アメリカもかつてはそうでしたよ。」
と答えてくれました。

 

 

50年前を振り返ってごらんなさい。

 

当時は投資といえば「個別株」で、
「投資信託」で投資なんて・・という雰囲気でした。

それが今では「投資信託」は
立派にメインのツールとなっています。

 

 

 

 

 

20年前を振り返ってごらんなさい。

 

当時、投資信託といえば「アクティブファンド」のことで、「インデックスファンド」なんて誰が買うの?という風潮でした。

 

それが今では
401(K)プランをはじめ、
インデックスファンドがふつうにラインナップされています。

 

 

たしかに・・。

時は流れ、物事のトレンドは変わっていくのです。

 

傍らに世界地図を置いてみましょう。

 

 

 

 

特定の国・地域で、
『トレンド』が変わるためには、

 

・その国で株式市場に参加する人が増え、一定の厚みを形成すること
・その中で多様な投資家が切磋琢磨し、一定の時間が経過すること

 

が「必要」になります。

 

例えば中国やポーランドや、ベトナムやチリで、「インデックスファンド」がポピュラーになるのはまだ時期尚早なのです。

(しかし、やがて認知度は向上してくるはず。)

 

 

この先、あなたの投資に万一「迷い」が生じたら、

『違い』よりも
『共通項』に注目してみて欲しいのです。 ここからは発想のおはなし。

 

「お金を増やしたい」という気持ちは、

国を問わず、
人種を問わず、
年齢、性別、宗教、文化的慣習を問わず、普遍的な欲求です。

あなたが資産運用している「その行為」は、あなた個人の、パーソナルなニーズを満たす『孤独な行い』のように見えますが、実はそうではありません。

 

実にたくさんの人が実践する、普遍的な行為なのです。

 

 

ちょっとコミュニティっぽい言い方をすれば、

 

同じような「考え」で
同じような「心構え」で、
リスクとかもあって、不確実性もあるけど、急落とかしたらドキドキもするけれど、資産形成とやらを頑張ってやっていこう!と思っている人は、
この世界で
何千万人、何億人と【じっさい】おられるのです。

 

 

 

 

あなたの視界の外側で、
たくさんの『仲間』がいるということ。

 

このような現実認識はとても重要です。

 

 

もちろん200年前にも、
「あー、お金増やしたいなあ・・」と願う人はたくさんいたわけですが、当時はその手段が限られており、

また貧富の差が非常に激しく、
ふつうの生活者に普及することはありませんでした。

 

今あなたが、この時代に生きているということ。

そして、
「投資信託」という道具が普及しているということ。

これは立派な『シンクロ現象』です。

 

 

先ほど、ポーランドという国を挙げましたが、

 

 

 

 

長い冷戦が終結し、
旧共産圏の国々でも
次々と『株式会社』が設立され、

創造力を発揮して、
会社を起業する人、
(そして)その会社群に投資をする人が増え続けているのは素晴らしいことだと思いませんか?

 

 

そして毎年毎年、

究極のハイリスク・ハイリターン型ではなく、

日常生活に則った、
「普段着の資産運用」が実践できる投資信託を購入する人が増えているのも、また頼もしいこと。

 

 

最後に、運用会社の「ブース」におられた、
森光子風の女性ですが、

不思議なことに、私は今でも時々彼女の夢を見ます。

 

人間の記憶というものは、

その出会いが一度きりで
儚いものほど、
逆に長く保存されたりするのですね。


カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ

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