「年齢って、考えると顔に出るんですよ」郷ひろみ67歳 老けない理由は週3ジムと“脱・やりすぎ”
CREA WEB / 2022年12月25日 11時0分
67歳とは思えないエネルギッシュさが魅力の郷ひろみさん。若々しさの秘訣のひとつに、40年近く続けているトレーニングがあるといいます。年齢を重ねることをネガティブにとらえないという郷さんに、いつまでも輝き続ける理由をお聞きしました。
小さな努力を積み重ねて「特別」に
──今年67歳の郷さんですが、年齢を重ねても輝き続けていられる秘訣を教えてください。
40代くらいから、外見ではなく自分の空洞を埋める作業を重ねてきました。そのひとつに体を鍛えるということがあります。ジムなんてなかった30年以上前から日課として運動を行い、いまはパーソナルトレーナーについて週3回必ずジムに通っています。もちろん、それ以外の日も自分なりの運動はしています。その継続が結果的に若々しいと言ってもらえることにつながっているのかもしれません。
何かを変えようと思ったら、小さな努力を1日1日積み重ねていくしかないと思います。普通のことを続けることで、いつしか「特別」と言われるようになるのかもしれませんね。
──郷さんはよく「自分は“郷ひろみ”を続けているだけ」とおっしゃっていますが、40年間近くトレーニングを続けているのは、「郷ひろみ」であり続けるためなのでしょうか。
「郷ひろみ」でいるために、ということも考えなくてはいけないのでしょうが、自分が気持ちいいと感じることをしているだけなんですよ。僕はいま、基本的に、月水金はトレーニングと決めているんですけど、そうすることが、僕には合っているというだけ。決してこれがすごいこととか、特別なことだとは思わず、ごくあたりまえのことを、ごくあたりまえにやっている、という感覚です。
体を鍛えることは、心を鍛えること
たとえば僕の場合、ベンチプレスは基本的に「これ以上の重さはあがらないな」と思うところに重さを設定します。そしてそれを、肩が上がらない、肩が前に出ないという正しい姿勢で、1回目と同じポーズでずっとやっていくんです。もしきつすぎて正しい姿勢が崩れるようなら、その時の自分の体調や体力に合っていないということなので、少し負荷を下げて、常にその時の自分にとって「少しきつい」状況に設定し直します。自分の限界以上に負荷をかけてハーハー言いながらするトレーニングは必要以上に力が入ってしまうので、僕はしません。最初と最後でずっと同じ状態を保てるものがトレーニングだと思って、ただ淡々と続けています。
結局、体を鍛えるということは、心を鍛えることにつながっていると思うんです。体が鍛えられると同時に、心も鍛えられるなんて、一石二鳥じゃないですか。だから「郷ひろみでい続けるために、トレーニングをする」という意識ではなく、体を鍛えることが自分には合っているからやっているだけ、というのが正直なところです。
──無理に頑張りすぎない、ということでしょうか。
僕は「ファインライン」と呼んでいますが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」というように、やりすぎはよくないと思うんですよ。これはトレーニングに限らず、服装や言葉遣い、態度もすべてそうだと思っています。
料理やファッションも、オリジナリティばかり追求しすぎると、誰もついてこれなくなりますよね。だからやりすぎにもやらなすぎにもならないよう、ファインラインを心がけています。
──それは「郷ひろみ」のプレーヤーでありながら、同時にプロデュースやディレクションも行っている、という感覚ですか?
そういうふうには考えたことがないですね……。僕の判断基準はファンの方と同じ目線なのかもしれません。ただ、「郷ひろみのファン」といっても、変わらないことを望むファンの方もいれば、変わり続けることを望むファンの方もいますよね。それはフタを開けてみなければわからない。だから結局「これは郷ひろみならやるかな? やらないかな?」というところが判断基準になるのだろうなと思います。
──「郷ひろみ」であり続けるために、年齢はハードルにならないのですか?
僕は50代後半にさしかかった頃、どんな60代にしようか考え始めたんです。会社員なら定年退職を迎える頃だけど、僕にはそれがないし、逆にこれまでの蓄積をステップにゼロからつくりあげることもできるなと思ったんです。
でも、よく言われる「第二の人生」という言葉は、僕には違うと思いました。だって、60歳になったから、会社を定年退職したからといって、その人の人生がそこで完全にリセットされるわけではないですよね。
職業や立場が変わったとしても人生はずっと続いていくし、誰にとっても1回きりの人生だと僕は思うんです。定年を迎えて、それまでまったくやってこなかった新しい挑戦をする方ももちろんいらっしゃいますが、僕はこれまで自分がずっとやってきたことを生かしてやっていくことで、僕の人生を大事に歩んでいきたいと思って、「黄金の60代」というフレーズを掲げました。
プラチナの70代
──郷さんは『黄金の60代』(幻冬舎)というご著書も出されています。「黄金」に込めた思いを教えてください。
「60歳」をひとつの区切りとして、ポジティブに解釈して充実させようと僕は思いました。
10代、20代は、やる気もあるし瑞々しい。30代は後輩に教えていかなければいけない立場。40代は経験を積んで、50代は人格を形成する。でも、人生はそこで終わりじゃないんです。その先の60代、70代、そして80〜90代と、まだあと40年間生きる「人生100年時代」に、60歳までの人生と60歳以降の人生、どちらを充実させるようかと考えたとき、60歳以降も光輝くものにしたいという意識を持ちました。それが「黄金の60代」です。そういう意識を持っていると、着ているものから言動、態度、姿勢、すべてが変わってきたんですよね。
年齢って、考えると顔に出るんですよ。たとえば、ファッションでも「これちょっと派手じゃないの?」と思いながら着ていると、まわりからも「派手だよね」と言われます。でも「派手でいいよね」と思って着ていると、まわりからも「派手でいいですね」と言われます。だから、僕はたとえ年齢に合わない派手な衣装でも、「これを着る」と決めた時は、一切年齢は考えずに「これは派手でいいなあ」と思って袖を通すようにしています。
誰にでもイヤなことは起こる
──考え方次第で何事もポジティブに変わる、ということですね。
誰にでも、人生でイヤなことや大変なことって起こるんですよ。僕にだって、「こんなに一生懸命、真面目に生きているのに、なんでだろう」と思うことが次々と起こります(笑)。
でも、それをネガティブにとらえても、ポジティブにとらえても、結局現実ってひとつしかないんですよね。
例えば、コロナ禍でツアーが全部中止になったとき、「こんなに準備したのに全部中止になるなんて」とネガティブにとらえるか、「さらにブラッシュアップしていいものをお届けできる時間をもらった」とポジティブにとらえるかで、その後の展開が変わってくると僕は思います。
「黄金の60代」と掲げてから10年近く経ち、人生を黄金色に輝かせるためにいろいろなことを実行してきましたが、「これから最高の時がやってくるんだ」とプロセスを楽しみながら過ごしてきたことで、60代後半に入った頃から、ようやく言葉通りの実感が伴ってきたように感じています。何かひとつだけで魔法のように人生が光輝くなんてことはありませんよ。コツコツ積み重ねるしかないんです。
──「黄金の60代」の次は、「プラチナの70代」とおっしゃっています。
自分がこの先どういうふうに老いていくんだろうかというネガティブな意識は、今はありません。ありがたいことに、トレーニングで体を動かしているせいか、歩けなくなるとか、背中が丸まってくるというイメージがないので、おそらく僕の内面も同じように前向きなのだと思います。
「郷ひろみ」って、僕にとってすごく魅力的な人間なんです。一人の人生のなかで、天職というのを見つけるのが難しいとは思うんですが、僕はいつの頃からか、「これは天職」といえるものがイコール「郷ひろみ」という生き方だと思うようになりました。なので、僕の目標はと訊かれたら、「“郷ひろみ”に遅れを取ることなく、一緒に歩きたい」ということなんです。
だから僕はいつも「これは郷ひろみならするの? しないの?」と問い続けているのかもしれません。だって、他人と自分を比較するのはナンセンスじゃないですか。他人と比較しなければ、卑屈な劣等感を抱くことも、間違った優越感に浸ることもないですし、そもそも「郷ひろみ」なら他人と比べるのではなく、自分自身と比較するでしょうから。
「郷ひろみなら……」と問いかければ自ずと答えは出てきて、そこからまた、一緒に歩いていける。この時間をずっと続けていくことが、いまの僕の目標ですね。
文=相澤洋美
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