渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

猫の町 ~広島県尾道~

2022年12月26日 | open



尾道が猫の町と呼ばれるように
なったのはいつ頃からだろう。
取って付けて作られた虚飾の
「尾道ラーメン」なるものが
登場した頃にはそうは呼ばれて
いなかった。
尾道には昔から猫が多かった。
飼い猫も野良猫も町の路地や
階段道路でゆっくりと
寛いで
いる。

多分だが・・・勝手な推測だが、
尾道は人間も困る程に坂が多い
町だ。平地は海に面したごく
僅かな場所のみで、あとは山が
海沿いまでせり出していて坂と
階段だらけの町である。
そこに住む人たちは、坂町なの
で車は使えない。多くは海沿い
の平地に駐車場を別に借りないと
ならない。
風光明媚だが、坂の町の暮らしは
楽ではない。
だが。
車が来ないという事は、猫たちに
とっては楽園となったのではなか
ろうか。
自然と野良猫も増えた。
だが、一斉駆除のような事はしな
い。その町では猫がいるのが当た
り前の風景のようにいつからか
なった。
想像だが、そうした背景があった
のではなかろうか。

尾道の隣町の三原の北部の山間部
に日本蕎麦の美味しい店があると
いう評判を聞いて、ハーレー乗り
の人と行った事がある。
蕎麦は全く以て美味くもなんとも
なかった。
店は大繁盛で、とても混んでいた。
値段は東京並かそれ以上だ。

一食2,000円程する。
そこの店を仕切るおばちゃんが名物
おばちゃんのようで、よくテレビや
ネットでも取材されて載っている。
店は古民家を改造した店だ。
農家だっただろう店内の窓沿いの
廊下に猫がいた。二匹。親子だろう
か成猫と仔猫。三毛と茶トラだ。

みゃあみゃあ言って、客に何かを
ねだっている。空腹なのだろうか。
すると、店の女性が大声を出して
怒って猫を追っ払った。引っ叩い
ていた。
店の猫が客席付近に来たので客に
迷惑だからと店員が叱責
したのか
と思って尋ねたら、知ら
ない野良
猫だという。

いつも来るので追っ払うと言って
いた。
丸めた新聞紙で引っ叩いていた。
もうその店には二度と行かない。
潰れてしまえ、とさえ思っている。


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