都会にいる人はビリヤードの
キューを購入する機会は環境
的に恵まれている。
首都圏や大阪、京都等では実
際に販売するキューを展示し
て、客に握らせてくれるから
だ。
店舗によっては専用台でノー
チョークではあるが試し撞き
をさせてくれる店もある。
ところが、首都圏や関西、大
都市部に在住でない人々はそう
した機会には恵まれていない。
ネット通販などで道具を買い
求めるしか方法がない。
これは非常にバクチというか
当たり外れを現実に判断でき
ないまま購入する事になる。
商品に瑕疵がある場合は瑕疵
担保責任によっての返金も
可能だし、通販では法的に
クーリングオフが適用され
るので返品も可能になる。
だが、送料等の実費は購入者
負担であるのが法的に常識
だ。
そして輸送中の保険もかけな
いとならないので、店舗で
商品を買うのとはかなり位相
が違って来る。
新品にこだわらないならば、
知り合いから譲ってもらう
という手もある。
だが、この場合も、かくたる
キューを保有している知り合
いの存在がないとそれも実現
しない。
友人知り合いから譲り受ける
事はこの業界では結構ある。
私も相撞きしていたプロが
自分のアメリカンカスタムと
私のモッティ・ザンボッティ
モデルのキューを交換して
欲しいと申し入れされたりも
した事もあった。
それ程、ラッキー菱沼さんが
リリースした私のモッティは
最高の撞球性能を持っていた。
(撞球会の友人に懇請された
ので14年程前に進呈した)
リスク回避としては、低価格の
中古キューをネット中古販売
やオークションで探すという
手もある。
オークションなどは思わぬ掘り
出し物も出ている事も多い。
だが、その際には、物の良し
悪しを少ない出品情報から
判別できる力が無いとリスク
を伴う。
中古品であるので、使えない
等のクレームはつけるほうが
無法者になってしまうからだ。
車でもそうだ。
現状販売の車両を承知で購入し
ているのに、購入したら新車
のような感覚でクレームを
業者につけるクレーマーも
多い。
お門違いである。
不動車でない限り、現状販売
車両は、購入後の電気系統や
各消耗部品の損耗については
保障を追う義務は販売者には
存在しない。法的にも存在し
ない。
「金を払えば俺は客だぞ」など
と勘違いの心得違いをしている
者たちが現状販売車であるのに
承知で購入しておきながら
難癖をつけて来る。それ犯罪。
ゆすりタカリの類だ。
実話だがこんな事があった。
私の知り合いの自動車販売ディ
ーラーの営業マンの話。
ヤクザの組長宅に新車の高級外
車を販売したので納車した。
納車説明している時に、若い者
が「車を移動させるのでキー
を貸してください」と言って
来た。
ディーラー営業マンと支店長は
キーを渡した。
さて納車書類説明が応接間で
終わり、ではお車をとなった。
車は無い。
どこに?と販売業者が尋ねても
ヤクザの組長は「わしゃ知らん
で」と言う。「あんたがさっき
誰かにキーを渡したろうが。
わしゃ何もしとらんで」と。
車は出て来ない。
組長は車を買ったのにまだ受け
取っていないから代わりの新車
を持って来いと要求し、販売業
者は泣く泣く新車をもう一台持
って行った。
何がどうなのかはおわかりだろ
う。
これは実話だ。
中古キューをネットで購入する
場合は、全責任は購入側にある。
表示通りの品物であった場合は。
なので、オークションで中古
キューを購入する場合は、仮に
隠れていた瑕疵が商品に発見
されても、それは購入者責任
の範疇に入るのであり、それを
心得ておかないとならない。
で、オークションでも、見抜い
て探せば良いキューに当たる。
見抜き、見極めがとても大切。
私は入札はしなかったが注目
していたキューとかは多い。
そして終了間際まで未入札だ
ったのに、終わり間際にドドッ
と複数人からの入札があった
りする。
取引回数から業者ではない事は
見て取れる。
「あ~。物を見抜いている人
たちはいるんだなぁ」
とニヤリとしながらいきさつを
見たりしている。
日本刀でも店舗などで格安で
出ている良質個体などは注目
しているが、やはり目利きを
少ない情報から成立させない
とならないので、穴が開く程
に見る。得られる画像情報等
から細部を。
ヤフオクなどでもビリヤードの
キュー出品などは観ていておも
しろい。
注目していた100万超えのキュー
が、実は友人の知り合いが落札
して、その最新現場画像を
見せてくれて驚いたり、とか。
楽しい事は尽きない。
入札中に取引回数一千回以上の
業者の入札があった場合は、そ
れが何を意味するかを考察する
必要があります。
1.別業者が仕入れの為に本気
入札をしている場合
2.出品業者が別アカウントを
使って競合入札でのサクラ
を演じている場合(オーク
ション利用規約違反。また
法的にも犯罪)
3.転売目的の業者入札(犯罪)
大抵はこのどちらかです。
そして、業者が出張って来た
オークションは場が荒れます
ので見極めて、その商品は諦
める事も大切。
転売に関しては、低額で落札
された物で全くその個体であ
る物が別IDで出品されている
キューもありました。
違法行為をする悪質業者です。
こういうのは、状態と動向を
見て自己判断で近づかないの
が賢明です。
ただ、不人気だったり、全く
注目されていない古いキュー
などに案外「ええっ?」と驚く
ような掘り出し物がある事は
本当です。
ごくたまにですが、そうした
出品物はある。
リサイクルショップや古物商
の門外漢の人たちの出品物
でキューが出品された場合
はそうしたケースが多い。
チェックの狙い目です。
ただし、そうしたあまりよく
知らない業者を装う悪質出品
者も非常に多いのでご注意を。
代理出品は利用規約違反なの
ですが、平気で「当方代理で
出品のためよく知らないので」
と書いている出品者もいます
が、大抵は業者、しかも悪質
な欺罔を以て売りさばこうと
している古物商です。
そうした連中の悪意を見抜か
ないと、オークションでは良い
買い物ができません。
都会にいると信頼できる店舗で
購入ができますが、地方では
それができない。
そして、買う側にもスキルが
求められるのです。地方は特に。
嘘を嘘と見抜く。
また、善意を装う悪意を悪意と
見抜く。
骨董の世界では「勉強代」と
して騙されて払って来た高額
金員を捉える風習がありますが、
ねじまがった事です。そうした
捉え方は。
詐欺は詐欺ですから。
ただし、健全な取引を成立さえ
るには、買う側も確かな眼を
持たないとならない、という
のはあります。
オークションなども、低額
商品をよく見て落札するのも、
ぼちぼち面白いですよ。
時々、本当に司馬遼太郎の
『燃えよ剣』の中で斎藤一が
京都の夜店で買った掘り出し
物の正真虎徹のような物が
ビリヤードキューの場合には
あるので、面白い。
それを整備して完動品にリペア
して使ってみると、極上の性能
だったりする。
こりゃたまりません。
ただ、ヤフオクなどでは、日本刀
は贋物だらけなのでご注意くだ
さい。
買うなら無銘。
「無銘に偽物なし」です。
入札は自己責任で、どうぞ。