2009/02/12(木)B・B'sコラム
【#63】二番煎じ
既にご存知の方も多いと思うけど、今度僕の写真集が出ます!タイトルは『B・B Photo Book RUN』、3月6日(金)の発売になります。
マスコットが本出版!――となれば、おそらく誰もがまず思い浮かべるのがドアラでしょうね。「あぁ、ドアラの本が売れたからB・Bも二の線を狙ってんのか――」って。サッカー界ではパルちゃんとグランパスくんの本も出たし、今年はヤクルトのつば九郎も同時期に本を出す予定だから、三番煎じ、四番煎じとも言えなくもない(^^;)。まぁ、そう思われるのも仕方ないかもしれません。この世界、何につけ先にやった者が勝ちです。「こんなネタ、やったら面白いだろうけど…どうしようか?」なんて迷っているうちに他に先を越され、二番煎じ呼ばわりされて悔しい思いした事も過去にありましたし…。
実を言うと、ずっと前から「本を出したい」という願望は持ってました。この「B・Bコラム」を本にして出版したいと思っていたんです。これまで沢山の方に「コラム読んでるよ」と声を掛けられたり、「B・Bコラムを読んでマスコットに興味を持つようになった」「マスコットに対する見方が変わった」という意見をいただいたりして、多くの人に読んでもらってるんだって事を実感してきました。でも、インターネットはまだ世の中全ての人がアクセス可能な媒体とは言い切れない。ネットをやっていても、このコラムの存在はまだ知らないって方もいるでしょうしね。
グリーティングなんかの時、お客さんからいろんな質問されたりするんですけど、もう既にコラムで詳しく語ってる内容だったりする事が少なくないんです。そんな時、必要に応じてコラムをすぐプリントアウトして配れたら便利だよねぇって、アテンドとよく話すんですよね。まぁそれは半分冗談ですけど、このコラムを本にして、もっと幅広い層の人達に読んでもらいたい。そして、もっともっと世間一般的に、マスコットについての理解が深まれば――という気持ちはずっと持っていたんです。
だいぶ前にある出版社から「コラムを出版したい」という打診もあった事はあったんですが、もう少し連載を重ねて一冊の本として充分な量になってから――なんて思ってるうちに、去年のドアラ本の大ヒットですよ…。正直「やられたー!」(><)って感じでしたね。でも、マスコットでも本を出せば成功の可能性は充分あるんだ、って事が実証されたと言うか、いわばドアラが新しい可能性への扉を開いてくれた訳です(まぁ、ドアラ本の売れ方は尋常じゃなかった気は多少しますけど…)。
その『ドアラのひみつ』が出たのが去年の2月。やっぱりその反響は各方面で話題になっていたようで、昨シーズンの開幕前後だったか、普段から親しくしているある記者さんに「ドアラ本の売れ行きがスゴいみたいだけど、B・Bも本出さないの?」みたいな事を聞かれたんですよね。で、実は前々からコラムを本にしたいと思ってて…っていう僕の希望を伝えたところ、出版社の方をすぐ紹介してもらえたんです。そこまでスンナリいけたのは、やっぱりドアラ先生のおかげかもしれません(笑)。で、早速担当者と会って打合せをしたところ、コラムは長文だし「一冊目」としてはやや敷居が高いんじゃないか、まずはもう少し入りやすいものから始めてみては…?ってことで、ドキュメンタリー風の写真をベースに、所々に僕の想いを綴ったエッセイを散りばめてく――っていう今回のイメージが固まったんですね。
それが確か、3月か4月くらいの話。その後半年以上にわたって、札幌ドームの試合を始め、212物語のロケや鎌ケ谷遠征に付き合ってもらったり、札幌市内の観光名所を撮影して回ったりして、随分と時間をかけて取材してもらいました。そして12月、以前このコラムでも取り上げたパルちゃんとの対談を静岡で行って、全ての撮影が終了。写真は今回新たに撮り下ろしたものと過去数年分の資料合わせて数千枚、ひょっとしたら万単位もあろうかという数々の中から、厳選に厳選を重ねました。
“Number”ってスポーツ雑誌、ありますよね?僕、あれ結構好きなんです。他にもTVで時々やってるスポーツドキュメンタリー的な番組とか。華々しく活躍するアスリート達の、目に見えない部分での苦悩とか葛藤とかって、すごく興味があるし共感もするんですよね。マスコット本を出すのが二番煎じだと言われるのはある意味もう仕方がないので、せめて内容的には他と趣向の違うものにしていきたい。じゃあB・Bの一番の「らしさ」って何だろう?――と考えた時、「可愛さ」「面白さ」を前面に押し出すよりも、そういった「ドキュメンタリー的要素」みたいなものになるんじゃないかと。で、今回の僕の写真集も”Number”風なイメージでまとめてみたんです。普段お客さんには見えない「舞台裏」の写真も入れたりしてね。タイトルの”RUN”も僕が自分で考えたんですけど、そういったB・Bの「らしさ」を一番良く表現している言葉なんじゃないかな、って思ってます。
エッセイの部分は、年末年始の間に集中して書き上げました。おかげで今年は元旦早々から徹夜という、滅多にない正月の過ごし方が経験出来ましたが(苦笑)。でも、普段考えてる事をありのまま書き綴ったんで、思いのほか筆は進みましたね。そしてその後数回の校正を経て、現在は「色校」と呼ばれる最終チェックが間もなく上がってくるのを待っているといった段階です。もちろん、チェックは僕自身が全てに目を通してやってます。写真の位置から、文章の句読点一つひとつまでこだわって…。本当はもっともっと時間をかけて、細部にまでこだわり抜きたい。まぁ完璧を目指したらキリはないんだけど、校正を繰り返すたび原稿がだんだんと自分の目指すイメージに近付いていく過程を見るのは、結構楽しいものです。きっとこれが一冊の本になって完成した時は、喜びはひとしおなんでしょうね。ミュージシャンが、納得のいくまで曲のアレンジを重ねながら一枚のアルバムを仕上げていく時って、こういう感覚なのかなって思ったりします。
余談ですが、実はドアラ本やつば九郎本を出版しているPHP研究所さんからも今回出版のお話はあったんです。でもその時点ではもう、今回の写真集のプロジェクトが先に進行中だったので、今回はスジを通す意味もあって丁重に辞退させていただきました。本の発売時期もほぼ重なるんですけど、別に敵対してたりする訳じゃ全然なくて。ちゃんとドアラやつば九郎たちからもお祝いコメントもらってるし、出版記念イベントなんかも、出版社の枠を越えてドアラ&つば九郎のイベントにB・Bが乱入しちゃったら面白いですねー、みたいな話はPHPさんともしてたんですよ(笑)。まぁ残念ながら、スケジュールの関係上今回は実現しそうにないんですが…(東京でドアラ達の出版記念イベントがある日って、ちょうど札幌ドームで中日戦やってるんです…)。
それにしても、PHPさんは慣れていると言うか、PRの仕方が上手いなーと思いますねぇ。インターネット予約の状況とか見ても、ドアラは言うまでもなくつば九郎の本もかなりの反響があったみたいですし。それに比べて僕らのやり方はちょっと泥臭い感じかも…(^^;)。でも内容的には、絶対的な自信があります!特に思い入れがあるのは、やっぱり僕とパルちゃんとのスペシャルトークの部分かな。本のクライマックスの部分、巻末に12ページにわたって掲載してるけど、僕らの想いの詰まった熱いトークが収録されてます。マスコット好きの方なら、野球派・サッカー派問わず絶対に満足してもらえる内容だと自負してるんで、大いに期待してて下さいね!
同じ時期にドアラやつば九郎の本も出るとなると、どうしても比べられてしまうのは避けられないだろうけど、僕は数字はあんまり気にせず地道に宣伝していきたいと思います。出版元は北海道新聞社ですけど、道内だけじゃなくてちゃんと全国各地の書店に置いてもらえるようにプッシュしてるし、インターネット予約も利用可能にしますんで、道外の方もご心配なく(笑)。発売後には札幌市内や近郊を始め、道内各地や東京でも出版記念イベントをやりたいと思ってるし、可能であればパルちゃんとの対談で「縁」の出来た清水でも、パルちゃんと一緒にそういうのが出来ればいいなぁ…なんて夢見てたり(笑)。そして、出来れば次には第2弾としてこのコラムを出版したいと思ってます。その実現の為にも、皆さんぜひ一度『RUN』を手に取ってみて下さいね。詳細については順次「B・Bニュース」内でお知らせしていきますんで、皆さんこまめにチェックをお忘れなく!以上、宣伝でゴメンなさーい!m(_ _)m