2008/09/26(金)B・B'sコラム

【#58】はじめてのとくしゅう

 今月、僕にとってちょっと画期的な出来事がありました。おそらく、全国のマスコットファンにとっても思いは一緒だったんじゃないでしょうか?野球ファンなら読者も多い「週刊ベースボール」という雑誌があるんですが、この週刊ベースボール、略して「週ベ」の9月22日号に、「マスコット特集」が掲載されたんです。
 週ベは、実は僕も結構愛読してまして…視点が面白いんですよね。週刊誌なんで毎週特集ネタ考えるのも大変だと思うんですが、野球の専門技術的な内容ばかりじゃなくて、たとえば出身都道府県別に選手の特性を考えててみたり、なつかしの外国人選手だとか、年俸だとか、結構細かいマニアックなところを徹底的に調べた、でも大いに興味をそそられる内容の時があるんで、ついつい読んじゃうんですよ。まぁ僕の場合、まず第一には自分の写真がどっかに載ってないかがチェックの対象なんですけど(笑)。
 そんな週ベですから、いつかはマスコットについても取り上げてくれるんじゃないかと薄々期待はしてたんですけど――最近のドアラブーム(?)がきっかけになって動いてくれたのか、遂にマスコット特集を組んでくれたんです。マスコットも、今やそれだけ認知度がアップしたって証なんでしょうかね。

 週ベは本来毎週水曜発売なんですが、実は北海道では2日遅れになってて、金曜日まで待たなきゃならないんですよ。発売日まで待つのは長いなぁ~と思ってたら、編集部から取材協力のお礼という事で週べが1冊届いて、一般の読者より1日だけ早く読む事が出来ました。
 まず表紙からして、12球団マスコットの集合写真がドーンと!ただこれはどういう訳か、山形のフレッシュオールスターの時の写真で。ファームのマスコットも忘れずに取り上げるよ!という心意気の表れなのかどうかは謎ですが、その辺の粋な計らい(?)も嬉しい半面、その場にいなかった僕の写真は別枠で…正直ちょっとフクザツだったかな?(^^;)だけど最初のキャラ紹介のページで、ファームも含めた計44人のマスコット全てを取り上げてくれてるところから、まず週ベの「こだわり」は感じられました。
 特集は計21ページ。「初」の試みとしては、まずまずの内容だったかと思います。各球団の選手に聞く「我がチームのマスコット自慢」なんかは、ちょっと意外なポイントでしたね。普段選手達って、僕らの存在についてどう思ってるのかよくわからないじゃないですか。一部「マスコット愛」のある選手はよく絡んでくれたりしますけど、僕らには全く目もくれない選手も実際いますし。一体どういう基準でコメント取る選手を選んだのか全然わかんないんですけど(中には「人選明らかにおかしいだろー!」ってケースもいくつかありますが…)、それぞれのコメントを読めば、マスコットに関心のある人とそうでもない人が手に取るようにわかりますね(笑)。ちなみにファイターズの場合は金子誠選手でしたが、記者の方に聞いたら実際はもっといろいろ喋ってくれたそうです。
 付録のマスコットカードは、商売上手だな~と思いましたね。1冊につき2枚のマスコットカードが付録として付いてるんだけど、カードは全部で5種類。買ってきて封を開けるまで、どのカードが中に入ってるのかわかりません。これ、お目当てのマスコットのカードが手に入らなくて、1人で何冊も買っちゃった人結構いるでしょ?実は僕も、編集部から送られて来た本には自分のカードが入ってなくて、もう1冊買いに行っちゃいました。結局それでもダメだったんですけどね。だから、僕は未だに自分のカードを持ってないんです。誰か僕のカードが余ってたら下さい…(^^;)。
 ――まぁそんな中、僕も「追跡!B・B密着リポート」という記事で見開き2ページで取り上げてもらいました。取材の依頼が来たのは結構直前になってからで、その時は特集の予定は知らなかったんですよね。「なんで僕のところに密着取材の依頼が???」って思ってたら、当日の打合せで「次号でマスコット特集を組みます」って初めて知らされて。同じ特集の中に「ドアラとつば九郎の対談」がある事も聞かされたので、僕は僕なりに、自分が一番大切にしている部分をしっかり見てもらうようにしようと。その日はナイターでしたけど、夕方4時半に始まる試合前グリーティングから、最後のグリーティングが終わった夜11時近くまで、本当に記者とカメラマンの方にずっと付き合ってもらいましたよ。1日だけで全てを知ってもらうのは難しいですけど、伝えるべき部分は伝えられたかなとは思ってます。

 最近マスコットに対する関心が高まったせいか、僕らについての記事を目にする事が増えたんだけど、きちんと取材もしてないと思われるのが結構あるんですよね。表面的な部分しか見てなかったり、キャラの名前や説明などの情報が間違っていたり、古い写真を平気で使ってたりする事が少なくない。そういうのをたくさん目にしてきたから、今回の週ベの特集での「こだわりの姿勢」は評価に値するものだと感じました。その意味では、これが実質的に「初めて」のマスコット特集記事だとも言えるんじゃないでしょうか?
 今回マスコット特集を組んだ事で、編集部には読者からのいろんな反響が来てるんでしょうかね?その号の売上自体に何か影響があったのかどうかも、ちょっと知りたい部分です(笑)。もし反響が大きかったのなら、また何年後かにこうした特集を組んでもらえるかもしれないですよね。週ベを出してるベースボール・マガジン社からは、年に数回別冊のような形で「全国の球場」とか「背番号・ユニフォームの歴史」みたいな特集号が出てるんですけど、あれ僕結構好きなんです。すごくこだわって、かなり細かく調べてて。マスコットも何年か経つとモデルチェンジがあったり、キャラ自体の変遷が結構あったりしますから、その「こだわり」でもってマスコットの歴史とか世界中のマスコットなんかを徹底的に調べてみたりしたら、それも貴重な野球史のうちの一部になると思うんですよね。その他にも、各球団のいろんなキャラの独自の活動を取材してみたり、次は12球団マスコット全員での討論会開いてみたりね(笑)。まだまだ出来る事はあると思いますよ。それから、直接マスコットと接する立場のファンは僕らの事を一番良く理解してくれてる存在ですから、取材をする上でファンの声を聞く事は必要不可欠だと思います。ファンの中には自身のサイトやブログの中で、どんな記事よりも詳しく正確にマスコットの事を研究考察してくれてる方もいますしね。

 しかし、こうやってマスコットが中心となった特集が週ベで組まれるなんて、一昔前には考えられなかった事ですよね。そういう意味では、隔世の感はあります。でもねぇ…僕らの活動環境が、以前と比べて飛躍的に良くなったと思われる方も多いと思うんですけど――実際は、ね………。ドアラとつば九郎の対談の中で、「マスコット労働組合」の話題が出てきたけど、本当にそういうものでもあればどれだけ救われるだろうか――と思うような事がまだまだ沢山あるんですよ。あれは単なる思い付きで言ったジョークなのか、はたまたもっと深い意図があったのかは――今度ドアラやつば九郎に会った時にでも聞いておきます(^^;)。