2007/11/12(月)B・B'sコラム

【#47】2007シーズン回顧

 今年はちょっとばかり、去年よりも早いシーズン終了となってしまいました(涙)。シーズンが終わって、僕は少しだけゆったりした時間が過ごせるかな?と思いきや、今は幼稚園・保育園訪問や各種イベント・ファンフェスティバルの準備などなど――相変わらずバタバタした日々に追われています。もちろん、コラムもそろそろ書かないと…(^^;)。そんな訳で、今回のコラムは恒例(?)のシーズン総括を――。

 今年シーズンに入る前、僕が一番心配だったのが観客動員でした。新庄・小笠原という二枚看板が抜けてしまった今年、お客さんは今までどおり球場に来てくれるんだろうか…?戦力面での不安よりも、一番気がかりだったのはそこでした。
 今年の正月頃、某スポーツ紙に「今年のファンフェスティバルで、B・Bがドーム天井からバンジージャンプ?」みたいな記事が出たのを覚えてる方はいますか?これ、ただのネタ記事ではなくて、僕としてはかなり本気で考えてた事なんです。バンジーって罰ゲーム的なイメージがあるかもしれないけど、僕は逆に、ある条件を満たしたらファンフェスでバンジーをやってもいいと思っていた(現実的に許可されるかどうかはわからないけど…)。その「条件」とは、今季レギュラーシーズンの試合で「1試合あたりの観客動員平均が去年以上」「観客4万人超えが10試合以上」をクリアすること、という2つ。正直言って実現は難しいかな…?と思ってこの条件にしたんですけど、このうち前者はクリア。もう一つの方が惜しくも9試合止まりだったんでバンジーはなくなりましたが(^^;)、これは良い意味で予想外の結果でしたね。
 観客動員が増えたのは喜ばしい事なんですけど、逆に増えたが故の悩みも大きくなりました。グリーティング方法については、シーズン中ずっと悩んでましたね。今まで自然発生的にやってきた「列方式」のグリーティング。これがいつ、どこでも長蛇の列になってしまって、昔のように一人一人とじっくりふれ合えなくなってきたのは以前書いた通りです。本意じゃないのは充分わかっていながら、どうしても機械的になってきてしまう。シーズン後半には、試合後のグリーティングを、列を作らない「囲み方式」に変更したりして試行錯誤しましたけど、皆今までの方式にすっかり慣れているせいか、ファンの方で自主的に列を作り始めてしまったり、こちらの意図を汲んでもらえずにクレームが出たりとか、今のところ完全に上手く行っているとも言えません。これは来シーズンまでによく考えて、このコラムでまた報告したいと思ってますけど、来シーズンは日によってグリーティング場所や方法を変えるとか、時間のかかるサインに応じる時間を極力限定して、もっと様々な人達とランダムにふれ合えるような方法を考えないといけないなぁ…と思ってます。

 ところで、僕がシーズン中一番の楽しみにしているマスコット交流。今年の「成果」は、僕のビジター遠征が8球場(16試合)、訪問した球団のうち7球団のマスコットが北海道にも来てくれました。今年は初の試みとして、オープン戦期間中も沖縄で横浜・ヤクルトとマスコット交流をしたんで、それも含めると巨人を除く10球団と「交流」した事になります。
 今年マスコット交流をしていて強く感じたのは、他のマスコット達がだいぶ「進化」してるなー、という事。マスコット交流で僕がビジターへ行くと、試合前とかに相手マスコット達が「マスコット対決」的なアトラクションをやってくれる事が今年は多くありました。アクロバット対決はもちろん、100m競走・自転車競走・借り物競争…果てはコスプレ競走やお絵描き対決まで(笑)。仙台に行った時は、クラッチのヒーローショーにも出演させてもらいました。こういうアトラクション、大体の場合アイデアを考えてるのは各マスコット本人達なんです。みんな「どうやったらファンが楽しんでくれるか」を一生懸命考えて自主的にアイデアを出し、そしてそれを球場の演出側も取り入れてくれていた。これはすごく良い傾向だと思いましたね。やっぱりファンといつも直にふれ合って、ファンの気持ちや求めているものを一番わかってるのは僕達じゃないかと思うんですよ。だから、僕達自身がアイデアを出したものがファンに一番楽しんでもらえるはず。昔は僕達がそういったアイデアを持っていても、演出側に直接伝わらなかったり、聞き入れてもらえない事も多かった。だけどだんだんそういった「壁」が取り払われ、マスコットの存在価値が認められてきて、各マスコットが意欲的になってきてるなぁ、と今年は実感してました。
 中でも、僕個人的にはオリックスのネッピー・リプシーや西武のレオ・ライナなんかは、特に印象に残りましたね。僕もグリーティング時間の長さは他に負けないつもりだけど、彼らもファンサービスにはかなり重点を置いて、だいぶ長い時間やっている。負け試合の時、今までマスコットはグラウンドに出ないのが相場だったんですけど、彼らは負けてもグラウンドに出て「罰ゲーム」をしてたりと、オリジナルな試みも見られました。
 僕なんか、マスコットの中ではかなり恵まれた環境の中でやらせてもらってるんだから、他のみんながこれだけ頑張ってるのを見ると、自分も負けてられないなと思いますよね。相手マスコットが札幌ドームに来てくれた時のそういったアトラクションは僕が考えてますけど、他に負けないような面白いアイデアを出さなくちゃ…と、結構プレッシャーは感じてます(^^;)。
 余談ですが、今シーズン僕がビジターに出掛けた際の成績は、16試合で13勝1敗2分。勝率にすると、なんと.929という事になります!開幕のロッテ戦で2試合連続引き分けた後は、最後の最後で西武に負けてしまうまで、13試合ずーっと勝ちっぱなし。たまたまとは言え、これはちょっと嬉しかったですね。

 今シーズンは大きなケガもなく無事乗り切れたけど、「特に目新しい事が出来なかったかなぁ?」という点は大いに悔いが残ります…。去年までの3年間、マスコット交流・幼稚園訪問・スイングスイング・212物語・B・Bシート…と、僕なりにいろんな試みをしてきた。「今年はどんな新しい事をしてくれるの?」という期待は毎年感じてるんですけど、今年はなかなか新しいアイデアが出せなかったですね…。でも、鎌ケ谷でのカビーも含め、他のマスコット達がどんどん進化してるのを見てると、僕もまだまだ進化を続けなきゃ、と思います。
 今後考えていくべき事として、僕個人的には、もっともっと札幌ドームの演出を、ファン参加型の楽しいものにしていきたいと思うんですね。これは僕一人の力だけでは実現出来る事ではないので、演出面の充実を球団に働きかけていかなければと思ってるんですが。それから、来年是非やりたいのが、同じ札幌ドームをホームに持つJリーグ・コンサドーレ札幌とのコラボ。コンサドーレのマスコット・ドーレくんとは仲良しで、「今年こそコラボしたいね」ってよく話してるんです。今までイベントで共演した事は何度もあるんだけど、試合ではまだなんですよね。今年は実現可能ではあったんだけど、残念ながらお互いのスケジュールが合わずに見送り。でも、コンサドーレも現時点でJ1昇格の可能性が高いし、来年こそは実のある交流を実現したいですね。これについては、また機会を改めてコラムに書きたいと思ってます。
 それと、毎年感じてるのが「もっと社会福祉的な事に貢献出来ないだろうか?」という事。例えば、障がい者施設や老人ホーム・病院のような場所を訪問したり…。そういった施設からの訪問要請は、結構あるんですよ。ただ、まずは幼稚園・保育園訪問の方をしっかりと確立させてから次のステップへ…と言う気持ちがあって、なかなかそっちまで手が回らないというのが現状です。でも、アメリカではメジャーの選手やマスコットがそういった地域貢献を積極的にやってるみたいだし、マスコットって球場で人を笑わす以外にもいろんな可能性を秘めてると思うんですよ。幼稚園・保育園訪問は今やっとひとつの到達点が見えてきた感じなので、これからそういった各種施設の訪問も少しずつ考え始めたいと思っています。これについては、もうちょっと待ってて下さいね。

 今年もクライマックスシリーズ→日本シリーズと、「長い秋」になりました。その間はずっとプレッシャーも大きかったんで(特にナゴヤドームでのバク転対決とか・笑)、名古屋で「終戦」を迎えた瞬間、なんだかちょっとホッとしたのも確かです。でも、実はその後、ドラゴンズの選手の祝勝会を片隅からしばらくのぞかせてもらいまして…。ビールかけにはドアラも参加してて(笑)、選手達と一緒に喜びを爆発させてるのを見てたら、やっぱり虚しさを感じましたよ。当たり前の話だけど、日本一は毎年12球団あるうちたった1チームしか味わえないもの。去年は本当に幸せだったんだなぁ…と。
 来年は監督も代わり、一体どんなシーズンになるんでしょうか?チームは毎年どんどん変わっていき、寂しさを感じる人達も沢山いるでしょう。でも、僕はその中で「変わらない存在」であり続け、ファンの心をつなぎ止めていきたいと思っています。このオフもイベント出演はたくさんありますが、球場の試合ではまた来年、元気でお会いしましょう!