2007/04/23(月)B・B'sコラム

【#41】最高のプレゼント

 いよいよシーズンが幕を開けて、また今年も球場で沢山のファンの皆さんと会う日々が始まりました。ところで、1月のコラムでファンレターの話をしたのは覚えてる方も多いと思いますけど、手紙同様ファンの方からもらう事の多いのが、様々なプレゼント類。プレゼントについては、特に去年あたりからもらう事がかなり増えまして…最近日々思う事が色々とあるんです。

 これまでファンの皆さんからは、数え切れないほどのプレゼントをいただいてきました。その中身は様々ですけど、一番多いのは菓子類ですね。以前どこかで「B・Bは甘い物が好き」みたいな記事が出た事があったみたいで、それからというものかなり増えました。次に多いのがタオル。たぶん、「マスコット=汗をかく」という発想からだと思うんですが…。それから写真ですね。球場やイベントでの僕の写真・他のマスコットと一緒の写真・B・Bと自分との2ショットなど…。子供からは、似顔絵的なものをもらう事が多いですね。絵もありますし、粘土やアイロンビーズみたいなもので僕の顔を作ってプレゼントしてくれる子供達もよくいます。
 こんなにプレゼントをいただくというのは、それだけ僕を想ってくれている方が沢山いるということ。ただ、特に昨シーズン後半あたりからはちょっとそれが過剰な感じになってきてまして…最近は「このままでいいんだろうか?」と思う事がよくあるんです。誤解のないように最初に言っておくと、ファンがプレゼントを贈ってくれるという行為や気持ち自体は、当然僕としてはスゴく嬉しいんですよ。それを充分理解した上で、この先を読んで下さいね。

 最初の頃、プレゼントをもらう事は数日に一回くらいでした。しかし、最近はプレゼントをもらわない日はないくらいで、毎日試合が終わって帰る時には、ファンからもらった色んなもので荷物が一杯になってしまうような状態です。いただいたプレゼント類は、基本的に手紙同様自分で持ち帰って保管してるんですが…体には気を遣ってるんで甘い物はそんなに食べないし、タオルも使い切れない。写真も数が半端じゃなくて、自分では整理がとても追い付かない状況なんですよ…。
 中には、ちょっと困った物をプレゼントするファンの方もいなくはないですね。パーティーグッズの店とかで売ってるような、ちょっと変わったモノとか…。多分、「ネタ」半分でプレゼントして、B・Bがそれを持ってる姿を写真に収めて自分のブログとかに載せたいという事なんでしょうけど…正直、もらうこちら側としては困りモノです。例えば去年はシャケの形をした枕みたいなものが発売されてたようで、違う方から全く同じ物をいくつかプレゼントされました。最初は「何かパフォーマンスのネタに使えるかな?」と思ったりもしたけど、さすがに3個目にはお断りしましたが(苦笑)。
 球場などでグリーティング中にプレゼントをいただいた場合、基本的にはグリーティングが終わるまでアテンドスタッフに預かっててもらうんですよ。ずっと自分で持ったままでいる訳にもいかないですし。だからと言って、せっかくのプレゼントを床に置いておくのも何だし、周りに沢山人もいるので踏まれたり持っていかれたりしないようにね。だから、グリーティングの最初の頃に何か大きな物をもらったりすると、その後アテンドはずーっとそれを持ったままお客さんの写真撮影の手伝いとかをしなければならないんで、結構大変なんです。
 そんな訳で、最近はプレゼントをお断りする事も、時たまですがあります。あくまでもタオルとか菓子類とか高価な物とか、明らかに自分で消費出来ないと分かった物の場合ですけど。ただこれも判断が非常に難しいところなんです。普通プレゼントの場合袋や箱に入ったまま渡されますから、後で開けてみないと中身が何だか分からないですからね。せっかくの好意なんで、お断りするのにはさすがに良心が痛みますし…(よく小さなお子さんがくれるアメ玉やスナック菓子なんかも、さすがに断れないですねぇ…)。

 それじゃ、何故みんなこれ程までに沢山のプレゼントをくれるのか?自分なりに考えてみたんですね。これは手紙についても同じ事が言えると思うんだけど、ひとつには北海道のファン、ひいてはファイターズファン全体の優しい気質があるんだと思います。それから自分でエラそうに言うのも何ですけど、ファン側の気持ちとしては、B・Bに対する感謝の気持ちを何かで形にしたいとか、プレゼントをするという行為でB・Bと「繋がって」いたい、という心理が働くからではないんでしょうか。この推測が当たっているかどうかは分かりませんけど、僕は毎試合何百人・何千人という人に会う訳だから、例え皆さんからは「自分一人の気持ち」であっても、その沢山の気持ちが「モノ」、つまりプレゼントとして形になった場合、いただく側の僕としてはだんだん抱えきれなくなってくるんですよ。
 重ねて言います。皆さんのその気持ちは本っっっ当に嬉しいし有難いです。プレゼントが嫌な訳では決してありません。ただ、必ずしもその気持ちを「モノ」にして形にする必要はないと思うんですね。プレゼントには「贈る側」と「貰う側」とがある。それは贈る側の気持ちだけではなく、貰う側も心底嬉しい気持ちになって、初めて成り立つものだと思うんですよ。決して一方的な「押し付け」になってはいけない。皆さんには「B・Bにプレゼントを渡す事によって、自分の感謝の気持ちは伝えた」という、ある種自己満足のような部分はないでしょうか?

 プレゼントを貰っている立場のクセに、エラそうにすいません。m(_ _)m 色々言いましたけど、本当に誤解のないようにもう一度言うと、皆さんのその気持ちは本当に嬉しいし、もう充分すぎるほど受け止めているんです。いただいて嬉しいプレゼントも、当然ありますよ。何という風に具体的に言うと、そればかり増えてしまいそうなのであえて言いませんけど、要は贈り手の「心」が本当にこもっている物は素直に嬉しいんです。
 でも、僕にとってどんな「モノ」にも勝る、何より一番嬉しい「最高のプレゼント」って何だか分かりますか?それは、ファンの皆さんが僕に会った時の、嬉しそうな笑顔なんです。平凡すぎる答のように思われるかもしれないけど、本当の事なんですよ。特に小さな子供達がグリーティングで僕とふれ合った後、嬉しくてたまらないといった表情でピョンピョン飛び跳ねている姿、それを微笑みながら見守っているお父さんやお母さんの顔なんかを見た時は、どんなプレゼントをいただいた時よりも心底嬉しい気持ちになりますね。今シーズンもこれから沢山の出会いがあると思いますけど、僕が何よりも一番欲しいその「最高のプレゼント」は、今年も皆さんからドシドシお待ちしています!