プロの北山が解説でも絶賛している
が、佐藤麻子選手の技術が光る。
シュート力日本一の若い平口プロ
との技術力の違いは圧倒的だ。
この決勝は一進一退ではあったが、
技術力、総合的な玉撞きの深みの
差が結果に現れたといえる。
佐藤麻子プロは、典型的なTAD遣
いの撞き方をしている。
転がし玉は一切やらない。
シュート力のみが頼りの不安定な
ビリヤードはしない。
厚み合わせのヒネリ無しのシュー
ト力頼りだと、そのシュートが崩
れた時に手の打ちようが無くなる。
技術力がある者は、シュート力は
巧者以上ながらも、更に撞きのバ
リエーションが多いので、シュー
トミスに対する入れさえも多くの
角度からメスを入れて自己補正し
て行ける。自分と台の状態を把握
して撞球そのものに見越しの補正
がかけられるからだ。
それは、根本的に土台から玉撞き
の考え方が手袋転がし玉系とは全
く異なる。
どんなにソフトな撞き方でも、し
っかりとキューを出す。ストロー
クで抑揚を制御して撞く。
チョンと突いて力加減だけで転が
す最近多いチョン突き転がし玉
のプレーは一切やらない。それは
撞球ではなく転球だからだ。
この佐藤麻子プロの撞き方が真
のお手本。
あと、年若い女子プロでは、海外
選手権で活躍しているハタチの
奥田玲生(たまみ)プロがお手本と
なる「玉撞き」をする。
二人ともグローブなどは着けない。
レストの手をただの棒の滑り台に
などはせずに、両手の繊細な感覚
を駆使して道具を制御している。
二人とも非常にキューがよく切れ
る特徴がある。イコール手玉が活
きている、という事だ。
とどのつまり、それが撞球である。
撞球とはこれである。佐藤麻子プロ
の玉撞きが撞球だ。
いくらシュートが上手くとも、玉転
がしは玉転がしであり、撞球では
ない。
トウホグとドサンコの国際大会
の頂点対決。
まずは青森が勝って日本一。

解説している北山Pってのは、
一時国内トップクラスに立った
事はあったが、さほど絶対強者
の歴史を踏んで来た訳では無い。
ただ、頭の回転のとても早い人
で、玉の事はとてもよく知って
いる。論理で物事を捉える人。
あたしがあたしが、というところ
は菊川怜みたいな感じ。
とても自分に正直に生きてる奴。
せこく狡いとこゼロ。男前な女。
今は作りキャラゆえ表に出さない
が、ほんとはいいとこの御令嬢。
仲間内では茶化して「おじょう」
と呼んでいたが、実はほんとの
じゃじゃ馬姫のお嬢様。ハタチの
時に既に英語ベラベラだった。