法輪功愛好者の反政府勢力化を恐れ
中国政府は1999年に「邪教」認定

 法輪功、彼らが主張する正式呼称は「法輪大法」で、その実践者を「学習者」と呼ぶとしている。法輪功は1992年に中国吉林省出身の李洪志氏が開いた気功を実践する会としてスタートし、短期間で愛好者を増やす。当初は中国政府も健康促進に寄与するとして全面的に称賛し推奨していた。

 しかし、愛好者が激増し7000万人ほどに達したため、中国政府は脅威となると判断したのか、江沢民時代の1999年に「邪教」として認定し、全面禁止となった。

 中国政府が法輪功を禁止した理由は諸説あるが、愛好者の人数である7000万人は中国共産党の党員とほぼ同数で、愛好者が団結し結束力を発揮して反政府勢力になることを危惧したことが有力とされる。

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 そもそも、中国では原則デモは禁止。不特定多数の集会も規制されている。集会規制は緩く運用されているので表面的には自由に行われているようにみえる。しかし、いつでも集会を理由に拘束できるという国なのだ。

 ここで注目したいのが、中国政府が法輪功を「カルト宗教」扱いにして禁止した点だ。中国では中国政府が認める5宗教――道教、仏教、プロテスタント、カトリック、イスラム――を公認しているが、法輪功は禁止(宗教活動せず信仰するだけなら新興宗教も含め私的信仰は容認)しているので宗教扱いしたほうが禁止する理由にしやすかったのだろう。

 そのような経緯があるため、法輪功は江沢民元国家主席を恨んでおり、印字する文言には江沢民批判の言葉がよく並ぶ。