sat03 Labs

オーディオ系、特にヘッドホンのDIYやジャンク修理や改造などを書いています。

SONY『WF-1000XM4』のバッテリー交換を自分でやってみる。

見かけることが多くなった『WF-1000XM4』のジャンク品。

そのほとんどがすぐに充電切れになるというものでした。

 

WF-1000XM4は201年6月にSONYから発売された完全ワイヤレスイヤホンです。

コーデックがLDACということもあり、とても話題になりました。

発売当初は品薄状態になるほど人気で、自分は指を咥えてレビュー動画を見ていた記憶があります。

 

そんなWF-1000XM4ですが、なぜ1年でバッテリーがここまで劣化しているのでしょう。

1台だけならまだしも、ここまでの出品数には首を傾げます。

その中でも格安に販売されていたものがありました。

自分でバッテリー交換ができればかなりお得です。

以前WF-1000XM3のバッテリー交換をしたことがあるので、この機種もなんとかなると思い購入してみました。

sat03.hatenablog.com

 

届いたWF-1000XM4を見てみましょう。

 

パッケージは以前の方が好きです。

今回は少し安っぽく見えます。

 

状態が良くて安心しました。

付属品も全て揃っています。

本体を見てみましょう。

 

てんとう虫みたいで可愛いですね!

SONYにはてんとう虫カラーを発売してほしいです。

「あの人、両耳にてんとう虫が耳についてる!」と、子供に指を指されそうですが。

本体は傷一つ無く、きれいな状態でした。

 

1時間ほど充電したのでリセットしてペアリングしてみましょう。

 

問題なくペアリングが出来ました。

「Headphones Connect」のアプリでバッテリーの状態を見ながら音楽を流してみます。

あれ?L側の充電が遅いですね。

 

僅か1分で3%に…

 

すぐに充電切れです。

R側の減りも早いですが大丈夫そうですね!

 

ダメでした…

完全にバッテリーの寿命ですね。

十分検証できたので分解して電池を取り出しましょう。

 

SONYと書いてあるロゴの下からオープナーを使ってこじ開けていきます。

 

傷をつけたくないのでマスキングテープで保護します。

 

万力などで固定して圧をかけると外しやすくなります。

 

オープナーが少し入りました。

この時点で勝ちです。

 

無水エタノールを1、2滴垂らせば簡単に入っていきます。

あまり深く入れ過ぎるとケーブルを切ってしまうので注意が必要です。

 

もう傷つくことはないのでマスキングテープを剥がします。

ここまでくれば爪で簡単に外れていきます。

 

開いていくとコネクタが接続されています。

焦らずコネクタを外しましょう。

 

赤い矢印からヘラなどを入れて、軽く左右に煽りながら外します。

まだバッテリーに接続されています。

ショートする可能性があるので、マイナスドライバーは使わずに電気を通さない物を使用します。

 

コネクタが外れて分離できました。

電池が見えてきましたね。

先に電池がついていない方から作業しましょう。

 

 

コネクタ部分は両面テープで固定されているので、赤い丸印の部分にヘラを入れて剥がします。

剥がしておけば元に戻すときに楽になります。

剥がれにくい場合は無水エタノールを1滴つけると、すんなり外れて乾けば粘着力が戻ります。

次に電池側です。

 

基板のコネクタからフラットケーブルを抜きます。

 

赤い矢印黒い部分を上に起こします。

青い矢印の方向からヘラや爪楊枝を入れて上に上げます。

ロックが外れるので黄色の矢印部分をピンセットでつまんで引き抜きます。

無理やり引っ張ってケーブルを切らないように注意します。

 

基板は電池にベッタリと接着されています。

両面テープは極力綺麗に剥がして再利用します。

赤い矢印から数方向に分けて、基板とバッテリーの間にヘラなどを入れ剥がしていきます。

 

左側は綺麗に剥がせました。

右側は無水エタノールを使わなかったので両面テープが残りました。

 

あとはバッテリーを着脱するだけですが、赤と白のプラスチックがバッテリーホルダーになっています。

これは外せないので、先にバッテリーを外します。

赤い矢印の部分に隙間があるので、先曲がりのピンセットを差し込んで外します。

 

無水エタノールを垂らして先曲がりのピンセットを使えばバッテリーを簡単に外せます。

 

中はこんな感じです。

バッテリーを外す時に、あまりグリグリしない方がよさそうですね。

両面テープが浮いていたり、剥がれかけていたら押し込んで平らにしてあげます。

バッテリーが接触する金属部分は両面テープで覆われないようにします。

 

バッテリーを取り出すことに成功しました。

WF-1000XM4に装着してあったバッテリーはZeniPower社のZ55Hという型番でした。

 

こちらはWF-1000XM3のバッテリー、Z55です。

電圧、容量も変更になっています。

XM3で使えたバッテリーですが今回は使えなさそうですね。

 

では、Z55Hの代わりになるバッテリー探しましょう。

Amazon…ありませんでした。

AliExpressは…ちょっとヤバそうなのしかありませんでした。

こうなればSONYに直接問い合わせるしかありませんね!

大丈夫です、過去にヘッドホンの部品を頼んだことがあります。

sat03.hatenablog.com

SONYの公式ホームページから依頼しました。

バッテリーの値段はいくら位でしょうか?Amazonで買うより安かったら嬉しいですね。

すぐにSONYからメールが来ました。

 

いやあああああァァァァ…

バッテリーの販売はしていないとのこと。

修理を促されますが、修理依頼すると何万円もかかるじゃないですか…。

またここで頓挫するとは思いませんでした。

ですが、まだ諦めるわけにはいきません。

お金が無駄になる!XM4の音を聴いてみたい!

 

海外の掲示板「Reddit」に何か情報はないか見ていると…

オーワタシノXM4ハXM3ノBatteryデイッツファイン!ファインヤデ!

みたいなことを言っている方がいらっしゃいました。

 

試しにXM3で使う予定だったバッテリーを使ってみます。

そうです、前回AliExpressで購入して届かなかったバッテリーです。

忘れた頃に届きました。

 

そしてもう一つ。

こちらもAmazonで購入して使用したバッテリーが余っているので、片側はこちらのバッテリーを使ってみましょう。

 

あとは簡単です。

バッテリーのマイナスを上にして元に戻していくだけです。

 

最後、この部分のコネクタは繋げにくいですが、指サックをして基板をグイグイ押し込みました。

 

最後に接着剤を塗って合わせれば完成ですが、マスキングテープで固定して充電と動作テストしましょう。

 

問題なく充電できたのですが、片側のバッテリーが劣化して満充電になりませんでした。

バッテリーを何ヶ月も放置したので仕方ありません。

電圧が変わっても動作に問題はなく、6時間ほど再生すると両方とも電池残量が50%前後になったので、それほど影響はないのかもしれません。

 

テストして問題がなければ接着して元に戻します。

接着剤は少量で十分です。

 

圧着して一晩放置します。

 

しっかりと接着できました。

はみ出た接着剤を綺麗に剥がして完了です。

 

WF-1000XM4のバッテリー交換作業は完了です。

バッテリーが生き返ったので聴き込みます!

 

バッテリー交換の感想

①XM3のバッテリー交換よりも難易度は上がっている。

ケーブルの着脱など細かい作業が増えました。

金属の道具を使ってショートさえしなければ、失敗して壊すことはないと思います。

 

②やっぱりリチウムイオンバッテリーが手に入るかがカギ。

XM3で使えたバッテリーはそのまま流用できます。

 

同サイズのバッテリーはAliExpressで購入できますが、すぐには手に入りません。

個人輸入は少量であれば問題ないようです。

s.click.aliexpress.com

2つ購入で2000円前後でした。

 

今回使用した道具

・オープナーツール

薄いヘラは本体の分解に、樹脂製のスパッジャーはコネクタを外す際に使用しました。

 

・ピンセット

バッテリーの着脱、フラットケーブルを抜く際に使用しました。

 

・無水エタノール

必需品です。

両面テープを綺麗に剥がすために、汚れ落とし、今回の作業以外でも大活躍です。

 

・接着剤

B-7000という接着剤を愛用していますが、何を使ってもいいと思います。

細かい作業にはノズルが細くて粘度が高いものがいいと思います。

s.click.aliexpress.com

※日本での購入はオススメしません。

 

こんな感じだと思います。

挑戦される場合はバッテリーと工具の確保から!

 

 

 

 

じつは…

 

安かったのでもう一台買ってしまいまして…

なーーーーーん!!!