長引くコロナ禍でいよいよ本格的にトレーニングをスタート。
オリンピックの影響もあり、ジムに行ったり自宅をジム化してみたりと、運動に関する情報は溢れるくらいあるので、自己流で始めている人も多いかもしれない。
最近では「運動中毒」という言葉も耳にするようになったが、もちろん運動も度を超えれば必ずしも健康にいいものだとは言えない。
「少しでも早く痩せたい、筋肉をつけたいという一心で、がむしゃらに頑張る時期も必要かもしれませんが、適度な運動を正しい方法で継続すること健康的な体を作る上で最も大切なことです。最近運動を頑張りすぎているかな? と感じる人は一度立ち止まって、その方法を見直してもいいかもしれません」
パーソナルトレーナーの林 健太さんが初心者にありがちな「頑張りすぎ」とその対策を教えてくれた。
特に頑張り屋さんで燃え尽きるのが早いという人は、あまり頑張りすぎず種火でも燃え続けることが大事なので、参考にしてみて。
①たくさん汗をかいて運動しなきゃ!
夏の暑い日にエアコンを切って大量の汗を流しながらトレーニング。
終わった後の達成感や体脂肪が燃えるような感覚は格別で、とにかく汗をかきたがる人も多い。
「汗をかけば一時的に体重は落ちますが、それは体脂肪ではなく水分の減少です。もちろん補給すれば体重は元に戻るし、発汗量がトレーニング強度と比例することもありません」
もちろん汗をかくことで汗腺の機能も改善し、代謝が良くなり間接的にダイエットには効果がある。
しかしそれ以上に危険なのが、汗をたくさんかいたからといってトレーニングをした気になってしまうこと。トレーニングは体脂肪が燃えるような「感覚」で終わるのではなく、燃えさせる「強度」で続けることが重要。
脱水や熱中症のリスクを第一に考えて、ある程度快適な室内でトレーニングをしよう。
②翌日はしっかり筋肉痛を味わわなきゃ!
汗と並んで、達成感を感じやすいのが翌日の筋肉痛。
昨日トレーニングを頑張ったのに筋肉痛がこないから、次はもっと強度を上げてトレーニングしなくちゃ。これは怪我のリスクを考えると安易に行わず、自分の体調と相談しながら段階を経て行おう。
慣れない運動は強度に関係なく筋肉痛が起こることも多い。
つまり筋肉痛だけが筋肉をつける指標にはならないし、強度過多でも頻度不足でも筋肉痛は起こるものだ。
「筋肉痛のメカニズムは未だに解明されていないことも多いですが、痛みの原因が強度過多なのか頻度不足なのかは見極める必要があります。強度過多が原因の場合はしっかりと休息時間を作り、頻度不足が原因の場合は積極的に休めるよりもその運動を反復する方がいいでしょう」
日常生活に支障が出るほどの筋肉痛が数日間続く場合は、トレーニングメニューや強度を見直そう。
③毎日欠かさずトレーニングしなきゃ!
前項のように強度過多の場合は特に休息が重要。
多くの方も耳にしたことがあるであろう超回復という言葉。筋肉の回復はもちろん、エネルギーの回復も重要なポイントになる。
ウォーキングやジョギングなどの軽い運動であればそこまで気にする必要もないが、強度の高い運動をしている人は休息も積極的に組み込んでいこう。
「初心者の多くが超回復という言葉を大変いいものだと信じ込み、強度の低い運動でもすぐに休息をとりたがりますが、それは間違いです。自重スクワットを10回やったからと言って翌日に休息が必要かと言われれば答えはNO」
もしそれで筋肉痛になってしまうという場合は完全なる運動不足。適度な自重運動に関しては休息を積極的にとるよりも、一度のトレーニングボリュームと休息のバランスを見直してみよう。
④プロテインで栄養補給しなくちゃ!
プロテインは是か非か。
これは未だに決着のつかない論争のようにも感じるが、林さんはどう考えているのだろうか。
「他の記事でもお話しているように、食事からすべての栄養を補うことができればそれが一番です。ただし、忙しい現代の生活では満足に食事の時間が取れなかったり、栄養バランスを考える時間も取れなかったりするので、最後の手段としてプロテインを活用するのはありだと考えています」
しかし、運動初心者ほど「プロテインを飲めば筋肉がつく」「食事にプロテインをプラスすればいい」というような安易な発想をしてしまいがち。
トップアスリートほどプロテインを飲まないとも言うが、それは徹底された食事管理の賜物。どれだけプロテインを飲んでも、ベースの食生活が乱れていれば理想とする体への道のりは遠い。
まずは忙しい中でもできる、食事の改善とバランスの見直しを運動と並行してやってみよう。
⑤ダンベルでホームジム化しなくちゃ!
コロナ禍に、ネット通販ではダンベルが軒並み売切れに。
「一度目の緊急事態宣言ではスポーツジムも休業が多く、自宅トレーニングに切り替えるために多くの人が購入したようですが、実際に使い方を知らなければなかなか結果には繋がりません」
「力こぶを鍛えるアームカールのように、一つの関節だけを動かすトレーニングにはダンベルが非常に役立ちます。しかし、運動の基本にしてほしいのはスクワットや腕立て伏せのように様々な関節を動かすトレーニングです。消費エネルギーも違いますし、大きな筋肉を鍛えることで小さな筋肉もある程度は同時に鍛えることができています」
小さな筋肉、一部の筋肉にいくら負荷をかけても、大きな筋肉で多くの筋肉を動員するトレーニングにはかなわない。
実際、ダンベルよりもチューブの方が使い勝手が良かったり、価格が安かったりと家トレ初心者には優しい。
コストをかければかけるほど効率のいいトレーニングができるとは限らないので、まずは自分の体を最大限に活用しながらの自重トレーニングを極めてみては。


