(2015/6/17 15:37)
任天堂のE3 2015は、サプライズに乏しかった印象だ。任天堂はプレスカンファレンスがない代わりに録画放送「Nintendo Digital Event」でE3で発表されるタイトルの全貌が明らかになるが、ニコニコ動画における放送後アンケートは「あまり良くなかった」が17.6%、「良くなかった」が52.4%と視聴者の70%に対して不評という数字が出てしまっている。
あくまで指標の1つとはいえあまりに辛辣な結果となってしまったのだが、これは昨年が豊作すぎたことに原因があるのかもしれない。昨年は何よりも「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U/3DS」があり、そのほか「タッチ!カービィ スーパーレインボー」、「ヨッシー ウールワールド」、「進め! キノピオ隊長」など粒ぞろいでありながら、その上で完全新作の「Splatoon(スプラトゥーン)」が突然登場した年であった。
特に「Splatoon」のデビューは衝撃的で、それが花開いた5月末の発売日以降の話題席巻ぶりも強い印象を残している。実際のところ、「Splatoon」級のパワーを持つタイトルのお披露目が期待されていながら、その高いハードルを超えられなかったというところが、ニコニコ動画のアンケート結果に反映されてしまっているのだと思われる。
では全然ダメだったかというとそんなことはなく、録画放送の中でも宮本茂氏肝煎りのWii U「スターフォックス ゼロ」は目立っていた。実際会場でも大人気で、開場直後から長蛇の列が作られていた。Wii U GamePadのジャイロ機能を手に入れ、「『スターフォックス』をベースに一から作りなおした」という本作を会場でプレイできたので、こちらの様子をお伝えしていきたい。
2つの画面はどちらを見ても大丈夫。まずは操作に慣れること!
「スターフォックス ゼロ」は、戦闘機を操って様々なミッションをこなしていくシューティング「スターフォックス」シリーズ最新作。今作ではWii U GamePadによる操作が最大の特徴となっており、ジャイロ機能を使って照準を合わせることが可能だ。
テレビ画面は三人称視点の従来通りのゲーム画面で、Wii U GamePadには戦闘機からの主観視点が映し出される。操作は左スティックによる照準+機体の移動、右スティック上で加速、下で減速、RTでビームの発射などが基本となる。
ジャイロ操作では、左スティックの照準移動とは別軸で照準を動かせる。これによって機体を上に動かしながら下を狙うこともできるし、水平飛行を保ったまま狙いを付けることだけに集中することも可能だ。
言葉にすると簡単なのだが、これが実際やってみると慣れるまでが難しい。ジャイロ操作で狙いを付けようと集中し過ぎると機体の操作がおろそかになるし、Wii U GamePadの持ち方が不安定だと照準がどこかに行ってしまう。Lスティック押し込みで照準を正面へと戻せるのだが、この操作を知らないと永久に敵を倒せなくなるところだった。
ただ「Splatoon」でも感じたことなのだが、このジャイロ操作は慣れれば快適だ。スティック操作だけでは実現できない直感的な操作が可能となっており、これが単純に便利である。
またテレビとWii U GamePadの2つの画面、こちらはどちらに集中してもゲームが成立する。テレビに集中すればいつもの「スターフォックス」と同じ雰囲気だし、Wii U GamePadの主観画面は戦闘機と一体になって臨場感が増す。今回の体験版ではテレビ側に演出シーンが映しだされる操縦席特化モードもあり、主観画面の使い道がポイントとなる。
さらに面白いのは、今回のアーウィンは変形するということ。今回プレイできたのは戦闘機から鳥型ロボットへの変形で、鳥型になると地面をちょこまか動きまわってかわいらしい。ゲーム上役立つシーンは特になかったのだが、緊急回避や休憩としても使えそうな感じだった。トレーラーを見ると戦車「ランドマスター」も空を飛んでいたし、ドローンのような飛翔体も登場していた。機体の特徴を活かした探索要素もあるとのことなので、こちらの要素も楽しみだ。
全体としては、「スターフォックス」シリーズの正統進化でありながら、Wii Uならではの作り込みが試みられている。発売は年末とアナウンスされているので、発売時期を楽しみに待ちたい。
(C)2015 Nintendo
楽天市場 ゲーム/サントラ/アニメ/コミック ランキング
Amazon ゲーム/アニメ/コミック ランキング