日本人は知らない…いま世界中の国が「日本化」に怯えているという「信じたくない真実」

永濱 利廣 プロフィール

世界中が恐れる「日本化(Japanification)」

「低所得・低物価・低金利・低成長」──バブル崩壊以降、日本に定着したこの「日本病」は、海外の国々からは「日本化(Japanification)」と呼ばれています。「ああはなりたくない」という恐れから、日本の不況は世界の経済学の研究テーマにもなってきました。

特に「100年に一度の不況」と呼ばれた2008年のリーマン・ショック後には、各国で「日本化」現象が起きました。

アメリカの住宅バブル崩壊を主因とするリーマン・ショックと、そこから広がった経済全体へのダメージは、日本のバブル崩壊と同じような状況をもたらしました。

日本のバブル崩壊は日本国内だけでおさまりましたが、リーマン・ショックは経済のグローバル化も手伝って世界中にダメージが波及したので、むしろより影響力が大きな不況だったかもしれません。

しかし、日本以外の先進国では、日本のように長期間デフレに陥ることはありませんでした。

いったい何が違ったのでしょうか。

それは政府や中央銀行がデフレを放置し長期化させたか、放置せずに正しく対応したか、の差です。

海外は日本の失敗から学んでいたのです。経済政策の失敗でデフレを放置してしまい、日本病に陥った日本の姿を見て、不況への対策を研究していたからこそ、リーマン・ショックのときに迅速かつ大胆な経済政策を行うことができたのです。

その結果、デフレを回避し、「日本化」を免れることに成功しました。

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