デフレ長期化の恐ろしさ
海外の国々がここまで「日本化」を恐れるのは、30年間デフレを放置するとどうなるか、実際に日本の状況を目の当たりにしているからです。
不況になると自殺者が増えます。日本では1998年に年間自殺者数が3万人を超え、以後は減りつつあるものの、なお2万人を上回る高い水準のままです。自殺率で見ても、人口10万人あたり15.3人と、日本はG7諸国中トップです。
さらに低所得や将来不安の影響か、結婚しない若者が増えており、出生数もほぼ毎年下がり続けています。2000年に119万547人だった出生数は、2020年には84万835人に減少しています。これは1899年の調査開始以来、最少の出生数でした。
不況によって、人口にまで大きな影響がおよんでいる──こう考えると長期化したデフレの恐ろしさがわかるでしょう。
では、海外の国々が日本の長期停滞から学びとり、見事リーマン・ショックから立ち直ることができた経済政策とは、どのようなものなのでしょうか。
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「ああはなりたくない」と日本から学んだ海外諸国はいったいどんな経済政策をとったか、【つづき】「日本人はなぜこんなに「お金を使わない」のか? 心の奥底に染みついた「恐ろしい怪物」の正体」で明らかにされる!