pixivは2022年7月28日付けでプライバシーポリシーを改定しました詳しいお知らせを見る
お休みの日のリビング。僕はソファで寛いでいた。ダイニングには、僕の恋人が居る。イヤホンを着けて、スマホで音楽を聞いているようだ。しばらくぼうっと眺めていると曲が終わったらしく、イヤホンを外して近くにあったコップに口を付けた。
音楽が好きな、僕の恋人。僕は自分が作った歌が彼の声で紡がれるのが本当に好きだ。
彼とは以前から親友だった。でも僕は彼に、親友であれば抱く筈のない感情を抱いてしまった。そして、彼もまた僕に、僕が彼に抱いてしまった感情と似たようなものを抱いていたらしい。それから紆余曲折あって、今の関係に至る。
「ねぇ、そうちゃん」
僕がそう呼ぶと、彼はこちらを見て「なに?」と首を傾げる。愛おしさに、つい自分の頬が緩んだ。もっと近くで彼の顔を見たい。
「こっちおいで」
彼は照れたような表情で、僕の隣に座った。頭を撫でてあげるとこちらに擦り寄ってくる。あぁ、かわいい。ねこみたいだ。
少しだけ、意地悪をしてみたかった。出来るだけ甘い声で、彼の耳元で囁く。
「そうちゃん、
“愛してる”って、言って?」
それを聞いた瞬間、彼の目は見開かれ、頬は一気に朱に染まった。
「あっ、…え?」
目を泳がせて、あからさまに動揺している。かわいい。作戦は大成功だ。僕は笑みを浮かべながら、美しい彼の目を覗き込んだ。
「言ってくれないの?」
「ちっ違う!これは…ちがくて……もう」
目前の彼は頬を膨らませる。あまりのかわいさに何故か吹き出してしまいそうで、それを必死に堪えた。
「あい、してるよ、いぶくん」
声はだんだん小さくなり、僕の名前はほとんど聞こえなかった。でも、ちゃんと届いたよ。君の“愛してる”は。
「僕もだよ、そうちゃん」
もう一度目を見開いた彼は、勢い良く僕に抱きついた。
nmmnですので拡散はお控えください