劇作家の谷賢一氏(40)の新作舞台「家を壊す-他、短編-」の公式サイトは16日未明、同氏がセクシュアルハラスメントで告発されたことを受け、福島県南相馬市で16~19日まで予定されていた全5公演の中止を発表した。主催者は「状況を勘案して協議を行った」としている。

提訴したのは谷氏が主宰する劇団「DULL-COLORED POP」の劇団員の女性。セクハラで谷氏を告発したとする文書を「note」に投稿した。

谷氏は、ウェブサイトに「事実無根および悪意のある誇張に満ちており、受け入れられるものではありません。司法の場で争う所存です」などと反論のコメントを掲載した。

「家を壊す-」は、東京電力福島第1発事故を題材としており、南果歩らが出演予定だった。南は中止を受けツイッターに「福島で生み出す演劇に意義を感じていました。本当に残念でなりません。しかし、提訴した方の並々ならぬ心情を思うと、これは致し方ない判断だと思います」と投稿した。

谷氏は19年に上演された福島3部作と題した作品で、翌年の岸田國士戯曲賞を、3部作のうち1作で鶴屋南北戯曲賞を受賞した。