株式会社ダンゴネット 開発部のブログ

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『賃貸名人』独自の電子契約対応計画

今回はイタンジ社のイタンジBB連動ではなく賃貸名人独自の電子契約への対応について投稿します。

先日、『賃貸名人』のユーザー様に電子契約対応としても利用できるイタンジ社の『申込受付くん』との連動についてアナウンスをいたしました。これは自社(不動産管理部門)で賃貸借契約の媒介を行う際に、データ入力やデータ管理のお手間を省力化するためのシステムです。このシステムの中に電子契約機能があります。



しかし、このイタンジ社との連動だけで"賃貸名人が電子契約に対応している"と謳うことはできません。例えば下のような実務実態があることに着目し、イタンジ社との連携それはそれとして別の切り口から“賃貸名人独自”のアプローチを取ることが決まりました。


①自社ではなく仲介会社が賃貸借契約の媒介を行うことがある。


そうすると仲介会社はどの電子契約システムを使っているか分かりません。
・クラウドサイン
・GMOサイン
・Adobe サイン
・その他
と電子契約システムは多数存在します。クラウドサインは自治体で採用されていることの信頼性を訴求しておりますし、GMOサインはGMO社がこれまで提供してきたクラウドサービスのインフラを活用することによるコストの安さをアピールしています。Adobeサインは何といってもPDFファイルの規格元であり、いわば公式の電子契約サービスと言えます。

現在世の中には色々な電子契約サービスがありますが、実のところ電子契約において最終的に保管される契約書の原本は電子署名が埋め込まれたオフラインのPDFファイルです。

つまり、仲介会社がどの電子契約システムを用いたとしても、家主・入居者・管理会社が管理する必要があるのはこのオフラインのPDFファイルのコピーということです。


②将来電子契約サービスを解約することを想定する。
そのシステムを解約したらクラウド上の原本PDFが失われますから、結局は原本PDFをダウンロードしオフライン(または別途契約するオンラインストレージ上)で管理する必要があります。


③管理引き継ぎと管理引渡しを想定する。
「いやいや、うちは仲介会社を通さず必ず自社で賃貸借契約を締結するから①のケースには該当しない。電子契約サービスもそうそう解約しないから②も大丈夫。だからクラウド上のPDFファイルをそのまま原本として活用する。」

はい。だとしても「管理引き継ぎ」や「管理引き渡し」を考えると結局はオフラインのPDFファイルを扱う必要が生じます。



前の管理会社が締結した電子契約の記録はダウンロードした原本PDFファイルですからそれを引き継がないといけません。他社に管理を引き渡すときは該当物件に関するクラウド上の原本PDFファイルを全てダウンロードし提出する必要があります。
クラウド上のPDFファイルのダウンロードを第三者である他社に委ねることは、電子契約が非公開であるというシステムの特性上できません。


④自社が別の電子契約システムを利用する場合を想定します。
今後本格化することが予想される電子契約は何も賃貸借契約に限ったことではありません。

・従業員と会社の雇用契約
・部材や商品の発注契約
・家主と管理会社の管理委任契約
・他社との業務提携における秘密保持契約
・その他多数



そうなると、不動産管理部門の主導で電子契約システムを選定できないかも知れません。なぜなら不動産管理専用の電子契約システムでは総務部門が雇用契約や秘密保持契約に活用することができないからです。
あるいはすでに会社として(例えば)GMOサインを契約しており不動産管理部門でもこれを活用することが求められるというようなケースも想定できます。でなければ複数の電子契約サービスを同時に利用することになり無駄な固定費が発生します。

もっとも電子契約サービスには従量課金部分があるのでこの想定は不要かも知れません。




ここまでお伝えしたような背景から『賃貸名人』がトータルに電子契約対応として管理すべきデータの正体が見えてきます。電子契約システムがクラウドであっても結局原本PDFファイルの管理を要するのです。そして電子契約の場合はこれまでの紙の契約のように物理的な原本が存在するわけではありませんから、原本PDFファイルの喪失は文字通り原本が喪失することを意味します。バックアップファイルの重要性が以前よりも増します。

目下これに関する『賃貸名人』のアップデートを計画しております。この機能は5月にリリース予定のバージョン5.7で実装される予定です。もっともファイル管理の本質は既に実装されているフォルダ機能ですから、拡張機能が実装される前の現在のバージョンでも原本PDFの管理を開始することができます。フォルダ機能についてはこのドキュメントをご参考になさってください。


つまり、『賃貸名人』の電子契約対応機能はどこか特定の電子契約サービスに特化したものではなく、また特定の電子契約サービスとデータ連携する機能でもありません。ユーザー様がイタンジ社のイタンジBBを使うもよし、仲介会社が聞いた事もないような電子契約サービスを使っていてもよし、前の管理会社からどの電子契約サービスで契約したかも分からない「電子署名入りの大量のPDF」を受け取ってもよし。結局のところクラウドの電子契約サービスは"契約の場の提供"であり、契約の結果生じる契約書がオフラインの原本PDFであるならば、そのファイル管理についてローカルのアプリケーションである『賃貸名人』が役立てるのではないかという考え方です。

そしてその運用方法は次の通りです。
①賃貸名人から契約書をExcelまたはPDFで出力する。
 (Excelの場合は出力後にPDFに変換する。)
②自社が契約する電子契約サービスに該当の契約書をアップロードする。
③電子契約サービス上で契約者の情報(名前・メール等)を登録する。
④電子契約が締結される。
⑤原本PDFをダウンロードし賃貸名人にそのファイルを保存する。




Posted By Tanaka(tanaka@dangonet.co.jp

更新日時 : 2022年03月28日 | この記事へのリンク : 

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