同性愛少年ストーキング殺害事件について(フィックションです)
見てはいけない物を見てしまったのかもしれない。
それは偶然見つけた物語で、ただの暇つぶしで読み始めたのだけれども、最後まで読んだときに殺人者の記録であることが分かった。
供述者のJ少年は、父親がなく、病気の母親の世話を見て労働をしながら学校に通っている。
仕事は苦しい物で、同僚からは見下げられても居る。
学校での生活もまた、出て行った父親に関する悪いうわさが広まっており、友達も居なかった。
父親同士が仲が良かったために、幼少時は親しかったが現在は疎遠になっている同級生のKさんが被害者だ。
J少年はKさんとは友人関係にあることを主張しているが、校内で二人が親しくしている様子を明確に見たという証言は存在していない。
職場でも学校でも見下げられて、出て行った父親が帰るのを待ちながら極貧生活をしていたJ少年は、祭りの夜、母親の療養に必要な牛乳が手違いで届けられていないことを訴えに牛乳店に行くも、担当者が不在のため空振りに終わる。
その帰り道、祭りに遊びに出かけていたK少年を含んだ同級生ともすれ違うが、少年たちから心無い言葉を掛けられて心身控除状態に陥る。
寂しくなって人気のないところにいるうちに現実と想像の区別がつかなくなり、気が付いたら駅に居たという。
そこで彼は切符を持たないまま列車に乗り、車内にてKさんと出会ったという。
列車の中での出来事は夢想のために居なかったはずの人間が突然現れたり、またいたはずの人間が唐突に消滅したりと要領を得ないが、そこで鳥を平たくつぶした菓子やリンゴなどを乗客から与えられて食べたと述べている。
また、タイタニック号が沈没して死亡した乗客と思しき人々が途中乗車してきて、彼らはこの列車で神の居る死の国に向かうとの供述もある。
この乗客らの中に少女がいて、Kさんが彼女と会話をしていたことに対してJ少年は、非常に腹を立てて異常な独占欲求の存在を露わにしている。
ここで彼らはサソリに関する奇妙な会話をしています。
かつて一匹のサソリが生き物を殺して暮らしていたけれども、いたちに食べられそうになって逃げた結果井戸に落ちて溺死をする。
その間際に、どうせ死ぬならこの身をいたちにくれてやればよかった、自分は役立たずで恥ずかしいと述懐した、というのがこの内容です。
彼女たちが天の川で途中下車して、川の向こうにいる神らしき人の元に向かうと、J少年はKさんに「二人きりになった。二人でどこまでも行こう」と語ったという。
その後、宇宙空間にブラックホールが現われ、気が付けばKさんの姿は見えなくなっていたという。
そこに博士として認識される人物が現われて、J少年に「Kさんは遠くに行った。お前はいくら探しても無駄だ」と言い、信仰と科学はその時々の人間の思い込みで変わるとアドバイスをします。
それを聴いているうちにJ少年は博士から金貨を二枚渡されます。
彼はその重さで目を覚まします。
丘の上で気が付いて、歩いて人気のあるほうに行くと、Kさんが川に落ちて人々が捜索をしている最中でした。
その景色を見ているうちにJ少年は、わくわくわくわくしてきたと供述しています。
しかし、ここで彼は牛乳店の店員と遭遇して再配達の希望をかなえ、また夢の中で会った博士という人物と遭遇します。
博士という人物は父親の友人と偶然遭遇し、父親が帰ってくるということを聞かされると、頭が混乱して駆け出した、というところでこの物語は終わっている。
以上のことから推察するに、おそらくJ少年は日ごろの暮らしの辛さから、かつて友人だったKさんに恋愛妄想を抱き、心神耗弱状態に至って人気のない場所に走り出したところで、偶然水に落ちていたKさんを発見します。
あるいはこの時、まだKさんは意識があったか、あるいは助けを呼べば助かったかもしれない状態だった。
しかし、異常な精神状態にあったJ少年はかねてよりあこがれていたKさんを独占する機会を活かして彼を水没、ないし見殺し、あるいは心中を図るも自分だけ蘇生してしまったかと想像される。
その前後でKさんが持っていたリンゴ飴や鼈甲飴、あるいは焼き菓子などを食べ、耽美な妄想の中に浸り、そこでKさんをサソリになぞらえて自分のために死んでもいい理屈という物を自分の中の別人格であるタイタニック号の事故死者に語らせ、自己正当化に及んだ。
そしてKさんの所有していた金貨を着服してのち、精神が落ち着いて来たところで自分がしてしまったことを半ば理解するも、夢の中の出来事と片づけようとしていたところ、自分の不幸の大本である父親が帰ってくることを知り、心神喪失の引き金の一つとなった牛乳の再配達も知ったことで社会からの被害者という自分の特権が喪失したことを自覚して罪の意識にさいなまれるようになったと思われます。
これが私の推理だ。
むげぇ話だ……。旦那、こいつぁ完全にやらかしちまってやがりますぜ。金貨が何よりの証拠でさぁ。間違いねぇ。まっ黒でさぁ。
あぁ……。太陽が、眩しかった、か。嫌な事件だったな……。
以上、キンドルで読んだ旧版の「銀河鉄道の夜」の感想でした。
http://contest.japias.jp/tqj2002/50133/story-top.html
それは偶然見つけた物語で、ただの暇つぶしで読み始めたのだけれども、最後まで読んだときに殺人者の記録であることが分かった。
供述者のJ少年は、父親がなく、病気の母親の世話を見て労働をしながら学校に通っている。
仕事は苦しい物で、同僚からは見下げられても居る。
学校での生活もまた、出て行った父親に関する悪いうわさが広まっており、友達も居なかった。
父親同士が仲が良かったために、幼少時は親しかったが現在は疎遠になっている同級生のKさんが被害者だ。
J少年はKさんとは友人関係にあることを主張しているが、校内で二人が親しくしている様子を明確に見たという証言は存在していない。
職場でも学校でも見下げられて、出て行った父親が帰るのを待ちながら極貧生活をしていたJ少年は、祭りの夜、母親の療養に必要な牛乳が手違いで届けられていないことを訴えに牛乳店に行くも、担当者が不在のため空振りに終わる。
その帰り道、祭りに遊びに出かけていたK少年を含んだ同級生ともすれ違うが、少年たちから心無い言葉を掛けられて心身控除状態に陥る。
寂しくなって人気のないところにいるうちに現実と想像の区別がつかなくなり、気が付いたら駅に居たという。
そこで彼は切符を持たないまま列車に乗り、車内にてKさんと出会ったという。
列車の中での出来事は夢想のために居なかったはずの人間が突然現れたり、またいたはずの人間が唐突に消滅したりと要領を得ないが、そこで鳥を平たくつぶした菓子やリンゴなどを乗客から与えられて食べたと述べている。
また、タイタニック号が沈没して死亡した乗客と思しき人々が途中乗車してきて、彼らはこの列車で神の居る死の国に向かうとの供述もある。
この乗客らの中に少女がいて、Kさんが彼女と会話をしていたことに対してJ少年は、非常に腹を立てて異常な独占欲求の存在を露わにしている。
ここで彼らはサソリに関する奇妙な会話をしています。
かつて一匹のサソリが生き物を殺して暮らしていたけれども、いたちに食べられそうになって逃げた結果井戸に落ちて溺死をする。
その間際に、どうせ死ぬならこの身をいたちにくれてやればよかった、自分は役立たずで恥ずかしいと述懐した、というのがこの内容です。
彼女たちが天の川で途中下車して、川の向こうにいる神らしき人の元に向かうと、J少年はKさんに「二人きりになった。二人でどこまでも行こう」と語ったという。
その後、宇宙空間にブラックホールが現われ、気が付けばKさんの姿は見えなくなっていたという。
そこに博士として認識される人物が現われて、J少年に「Kさんは遠くに行った。お前はいくら探しても無駄だ」と言い、信仰と科学はその時々の人間の思い込みで変わるとアドバイスをします。
それを聴いているうちにJ少年は博士から金貨を二枚渡されます。
彼はその重さで目を覚まします。
丘の上で気が付いて、歩いて人気のあるほうに行くと、Kさんが川に落ちて人々が捜索をしている最中でした。
その景色を見ているうちにJ少年は、わくわくわくわくしてきたと供述しています。
しかし、ここで彼は牛乳店の店員と遭遇して再配達の希望をかなえ、また夢の中で会った博士という人物と遭遇します。
博士という人物は父親の友人と偶然遭遇し、父親が帰ってくるということを聞かされると、頭が混乱して駆け出した、というところでこの物語は終わっている。
以上のことから推察するに、おそらくJ少年は日ごろの暮らしの辛さから、かつて友人だったKさんに恋愛妄想を抱き、心神耗弱状態に至って人気のない場所に走り出したところで、偶然水に落ちていたKさんを発見します。
あるいはこの時、まだKさんは意識があったか、あるいは助けを呼べば助かったかもしれない状態だった。
しかし、異常な精神状態にあったJ少年はかねてよりあこがれていたKさんを独占する機会を活かして彼を水没、ないし見殺し、あるいは心中を図るも自分だけ蘇生してしまったかと想像される。
その前後でKさんが持っていたリンゴ飴や鼈甲飴、あるいは焼き菓子などを食べ、耽美な妄想の中に浸り、そこでKさんをサソリになぞらえて自分のために死んでもいい理屈という物を自分の中の別人格であるタイタニック号の事故死者に語らせ、自己正当化に及んだ。
そしてKさんの所有していた金貨を着服してのち、精神が落ち着いて来たところで自分がしてしまったことを半ば理解するも、夢の中の出来事と片づけようとしていたところ、自分の不幸の大本である父親が帰ってくることを知り、心神喪失の引き金の一つとなった牛乳の再配達も知ったことで社会からの被害者という自分の特権が喪失したことを自覚して罪の意識にさいなまれるようになったと思われます。
これが私の推理だ。
むげぇ話だ……。旦那、こいつぁ完全にやらかしちまってやがりますぜ。金貨が何よりの証拠でさぁ。間違いねぇ。まっ黒でさぁ。
あぁ……。太陽が、眩しかった、か。嫌な事件だったな……。
以上、キンドルで読んだ旧版の「銀河鉄道の夜」の感想でした。
http://contest.japias.jp/tqj2002/50133/story-top.html