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自殺直前の巡回、本来の半分以下に 大阪府警

産経ニュース / 2022年12月15日 11時47分

大阪府警福島署=大阪市福島区

大阪府高槻市で資産家女性を保険金目的で殺害したとして、殺人容疑などで再逮捕された高井(旧姓・松田)凜(りん)容疑者=当時(28)=が大阪府警福島署の留置施設で9月に自殺した問題で、同署は自殺の予兆を把握し、署長が巡回の強化を指示しながら、自殺前日夜以降の回数が本来の半分以下だったことが分かった。署員は指示を無視した上、巡回を実施したとする虚偽の記録を残していた。

府警は14日、一連の不適切な対応に関する調査報告書を公表した。内規に反し私物保管庫を点検していなかったことも判明し、福島署の留置管理課員3人について、点検を実施したとする虚偽の報告書を作成したとして虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検した。また同署の留置管理課長ら2人を減給10分の1(1カ月)、署長ら5人を戒告の懲戒処分としたほか、本部の留置管理課長ら11人を本部長訓戒などとし、署長交代の人事を発表した。

調査報告書によると、福島署は、凜容疑者が取り調べ中に逃走をほのめかしたため、8月19日に特に注意が必要な「特異被留置者」に指定。同30日に家族への感謝を書いた便箋を所持しているのが判明し、署長が同日、留置施設の巡回を増やすよう指示した。

しかし担当署員は指示を守らず、留置施設を消灯した31日午後9時から首をつった凜容疑者を発見する9月1日午前7時ごろまでの間、本来は50回行う必要がある巡回を22回しか行っていなかった。

凜容疑者の居室の様子を確認したのは、このうち15回で、自殺直前の1日午前6時台は、同36分に凜容疑者の求めでお茶を提供した以外、留置施設の巡回を一度も行っていなかった。

署員は巡回実施について虚偽の記録を作成。府警は当初、この記録に基づいて午前6時台は7回の巡回を行ったと説明。6時44分の巡回で布団をかぶる姿を確認したとしていたが、実際は午前5時50分の巡回が最後だった。月2回行う私物保管庫の点検も行っていなかった。

府警は調査報告書で、一連の対応について「言語道断」とし、基本業務を怠り、署と本部間の連携が不十分だったと結論づけた。検証チームトップの久田誠警務部長は「結果として自殺を防げなかった」と述べ謝罪した。

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