ここまで複数の湯沢のリゾマンを購入・売却してきて分かったことをズバリお伝えしましょう。

 

 

湯沢に限った話ではありませんが、不動産を資産と考える時代は終わりました。

どんな不動産でも売れる時代ではないということです。日本全国で800万戸空き家があるんですから当たり前ですよね。自分が望む時に現金化できないような不動産は資産ではないのです。東京でも埋立地に建てたタワーマンションが今後どういう運命を辿るのか話題になりますが、不動産は売る時に売れるかどうか考えないと、自分が保有してから売るまでに想定外のコストがかかる可能性があります。不動産を買うのは簡単です。売るのは本当に難しい。

付けた価格以上に値引きはできませんからね。100万円の物件は値下げ余地が100万円しかない訳で、墜落する飛行機からパラシュートで飛び降りようと思ったら、高度が100mだったって話です。経済状況が変われば全滅です。出口を考えると購入すべきでない物件は既に明確です。

 

一番重要なのは出口です。

 

※この話はワンルームを除外して書いています。(40平米くらいの1DKを目安にするとわかりやすいと思います。)日本全国ワンルームはとある事情からニーズがありますので。

 

エンゼル不動産(旧ひまわり)に売却物件として掲載されてい10万円以下の物件は、もう手遅れです。値下げの余地もない。買ってしまったら、もう売れないと思って良いと思います。持ち主はタダでも良いから誰かに引き取って欲しいと思っています。

 

コロナ後でも売れる可能性があるのは、現時点で最低でも100万円以上の物件、なお且つ毎月のランニングコストが3万円以下ですね。越後湯沢はもう金持ちが遊ぶ場所ではないのです。軽井沢の下位互換だと思っていたら大間違い。それはここまで書いてきた飲食店やスーパーの惨状を見れば誰でも理解できるでしょう。

 

あなたの次にその部屋を買う人は普通のクラスの少し余裕がある程度の人です。別荘として使うには月あたりの管理費と修繕積立金『3万円の壁』は明確に意識されると思います。(固定資産税を加味すると1万円程度コストは上がります。光熱費込みでも5万円ライン)

 

もちろん管理費と修繕積立金合計が5万円でも10万円でも払える人はいます。でも月に5万円払える人は湯沢以外にも選択肢があります。

 

東急のハーヴェストクラブってご存知でしょうか?東急グループが運営するホテルを共有して会員権にしたもので年間30泊できてランニングコストは年間50万円程度です。食事も温泉もあって施設によっては結構良いワインを揃えていたりします。そっちも選べる人がわざわざ越後湯沢にリゾマン買いますか?

 

首都圏に住んでいる人は年間に別荘に何泊しますかね?私は避暑地にも別荘がありますが、多い年でも3週間、少ないと1週間程度、平均すると半月が良いところです。別荘の稼働日数って半月程度の人が多いんじゃないですかね。

 

言うまでもなく夏の越後湯沢は避暑地にもならず、あえて言えば「混まない田舎」でしかありませんよね。飲食店はほとんどの店は東京のレベルには遠く及ばず、自分で食事を用意しようにも満足な食材すら手に入らない。東京の比較的お金に自由な層を相手に商売している東急ハーヴェストクラブには勝てる要素がありません。月に5万円払える人は別に越後湯沢に別荘なんかいらない訳です。

 

普通に出口を考えると売りたい時に売れる物件は湯沢町にある55のリゾートマンションの中でも一握りです。10棟はないでしょう。そして、それらの物件でも売れる部屋とそうではない部屋があるので、良く調べないと最後に泣くことになると思いますよ。頑張ってまとめます。

 

越後湯沢のリゾートマンションで死にたくないなら以下の条件で探してください。

・最低でも3ケタ万円の部屋(そのマンションの売り出し物件に2ケタ万円の部屋があるとダメ)

・そのマンションの中でも人気がある部屋の向き・フロア(階)

・月のランニングコスト(管理費+修繕積立金)が3万円程度まで

・苗場は除外。(すでに出口なし)

 

例外もあるんですけれどね。高額物件の駅前のあそことか、あのタワーの上層階は月のランニングコスト5万でもすぐ売れちゃいますからね。どちらも広い部屋ですから今回は除外します。とにかく40平米前後なら月3万以内。200~300万は覚悟すること。

これを条件に探さないと最後にお金では取り返しがつかない痛い目に遭います。

この条件で絞り込むと、修繕計画がどうなってるかとか、管理費の未納問題があるかとか回避できます。ランニングコストが安いのに物件価格も安い物件は既に問題が認識されていてみんなが手放したいので物件価格が安いのです。

 

安い物には訳があるんですよ。

 

調べてみると上の条件を満たす売物件は1割未満でした。大抵のマンションはこの条件から外れるので、そちらを取り上げてやれ『負動産』だとか『腐動産』だとか言われる訳です。この指摘はある意味では正しいのです。でも湯沢のマンション全部が負動産という訳でもない。これから湯沢のリゾマンを購入するつもりなら、そういうマンションがどこかをしっかり調べてから買わないと痛い目に遭います。売却したい時に見通しが立つマンションの中にも部屋の向きに難があったり、階が低いなどの物件が含まれるので実質買っても良いと言えるのは20件くらいでしょうか。令和4年7月現在、湯沢町全体で329件売りに出ているリゾートマンションでこれです。

 

1割ないんですよ。思い付きで買って当たる確率なんてない。

打てないと言われてメジャーに残れるか際どい筒香の打率より低いんですからね。

 

軽はずみな購入は一族郎党に恨まれます。

「物件が動いてるから大丈夫だろう。」というのは甘いと思います。

リモートワークで従来動かないはずの物件も湯沢初心者が買っています。

売った方は胸を撫で下ろしています。「逃げ切れたー」ってね。

 

出口戦略、本当に大切ですよ。

目先の金額に目が眩むと、後で大変なことになります。

不動産屋は絶対に教えてくれない情報です。